xxxxの楽曲分析

概要

はい. 言わずと知れた知る人ぞ知る人, 名前を言ってはいけないあの人の, 転載が許可されている天才的楽曲について分析していこうと思います.

調についてはメロディの構成音を重視し, すべてメジャーであるとします. 明らかにAマイナーからCメジャーに変わっていても転調とはみなしません.
コード進行についてなんですが, ここで表記するコードは「こういうつもりで作ったんだろうな〜」というお気持ちを表したものになるので, 実際になっている音を必ずしも反映したものではないということをあらかじめご了承ください. 表記の際には動画に準拠した上で一般的な記号を使っているとは思いますが, もしよくわかんないのがあればSoundQuestを見るなどしてください. おそらく書いてあります. なお, 表記してあるコードが正しいという保証は一切ありませんので留意の方お願いします.

観測には細心の注意を払っていますが何かおかしいなと思うところがあれば指摘していただけると助かります. 和音の判定に際してChordWikiも参照しました. 適宜ご利用ください.

凡例 I: Instrumental, Intro, Interludeなど A,B,C,…: Aメロ, Bメロ, Cメロ, … S: サビ 記号の後の数字は以前に出てきたパートとの区別のために用いる.

参考文献

https://ja.chordwiki.org/wiki/sm18744840

https://ja.chordwiki.org/wiki/sm19635778

https://ja.chordwiki.org/wiki/sm20342896

https://ja.chordwiki.org/wiki/sm21783669


クロマグロがとんでくる

テンションは動画に表示されている数字だけを考慮しています.
key: C
I: Bbm9→Eb→AbM7→GM7
A1: FM7→Dm→F→Em→Dm→Am→C→Dm→G→Am→Em→Am→Dm→Dbm→C→Bm→Bb
S1: Am7→Em7→Dm9→E7(-9)→FM7→Em7(11)→Am7→CM7→Dm7→G→Am9→C-9→FM9→Em7→Am9→Am9(omit3)
S2: S1と同じ
S3: S1と同じ
S4: S1と同じ
B: FM7→Em→Gm→Am→AbM7→GM7
A2: A1と同じ
S5: まあS1と同じ
S6: S1と同じ
S7: S1と同じ
S8: S1と同じ
メロディについては4曲の中ではかなりマイナーへの指向が大きいように感じられます. サビの伸ばし音が大体ラ. 普通の曲だと普通ですがこの人の曲は普通じゃないし… マイナー寄りだからと言って安直にメロディックマイナーなんかを使っている訳ではないというのもポイントかな.
ハーモニーについては, なんか変なことやってるなって感じですね… あまり綺麗じゃないというか, 洗練されていない感はあります. でもEDMってそういうもんな気はする. EDM詳しくないけど. 洗練されていないとか書いておきながら, テンションの使い方は既にプロっている感じはあります. 一番おいしいところで一番おいしいテンションである-9を乗せているところがにくいですね. あとサビ入りの半音階下降はすごく特徴的だと思います.
リズムについてはベースが一定のリズムを刻んでいる上に様々なパーカッションが思い思いに音を鳴らしているという感じですかね.
楽曲構造については4曲の中で一番ぶっ飛んでるかもしれない. S2で木琴系の楽しげなオブリ, S3でうるせえ扇風機, S5でブレイク, S6でオブリとハモリ, S7で扇風機と謎のシンセオブリと繰り返しの中に変化を刻んできますね. この曲のほとんどがサビなので変化をつけないと退屈でしょうがないというのはそう. それにしたって8回は多いよね.
窓ガラスが割れる度に訪れる爽快感.

イワシがつちからはえてくるんだ

ご丁寧に動画にコードが載っているので転記します.
key: F
I1: Dm7→Am7→Dm7→Am7→Dm7→Am7→Dm7→A7→Dm7→D#m7
A1: Dm7→Am7→Dm7→Am7→Gm7→C7→FΔ7→F7→Em7(b5)→A7→Dm7→C→BbΔ7→Am7→Dm7→DbΔ7→CΔ7→BΔ7→A7
S1: Dm7→C→BbΔ7→FΔ7→Gm7→C7→FΔ7→F7→BbΔ7→Am7→Dm7→C→Gm7→C7→Em7(b5)→A→Dm7→C→BbΔ7→FΔ7→Gm7→C7→FΔ7→F7→BbΔ7→Am7→Dm7→F7→Gm7→C7→F→C/E
B1: BbΔ7→C7→Dm7→Cm7→F7→BbΔ7→A7→Dm7→Cm7→F7
B2: B1と同じ
I2: I1と同じ
A2: A1と同じ
S2: S1と同じ
S3: S1と同じ
I3: Dm7→Am7→Dm7→Am7→Dm7→Am7→Dm7→A7→Dm7
メロディについて特筆すべきなのは"ちょんぎった"と"すすんでく"以外でシbが出てこないことでしょう. 五音音階を基にしていると言ってしまうにはミの出現頻度が高いので, 四抜き音階というやつですかね.

初めてこの曲を聴いたときは古のボカロ曲っぽさを感じたものですが, これはおそらく千本桜のせいでしょう. あとはメリスマが多いという印象があったのですが, ヘッドンホホつけてちゃんと聴いたらそうでもなかったのでテトちゃんの声質なのかもしれない. "なんねんまえかのことでした"のリズムが"あしたのことはしっている", "(イワ)シがつちからはえてくるんだ", "えきのホームにあながあく"で踏襲されているのが美的ですね. サビの終わりがラ(Fメジャーから見て第3音, Dマイナーから見て第5音)なのもちょっと特徴的かも. 終わった感がなくなるのでこの曲のふわふわと着地できない感じの演出に一役買っていると言えるでしょう. メロディに臨時記号がつかないというのも他の曲と比べると特徴的かなとも.
ハーモニーについては特段ヘンテコなことはしていないように見受けられますが, IからAに行くときのDm7→D#m7→Dm7やAからSへ行くときのDm7→DbΔ7→CΔ7→BΔ7→A7は非常に特徴的ですね. 半音下がる時のパワーを大事にしている感じがします. 後者のルートをD→C→B→Bb→Aにしていないのは, そうしてしまうとせっかくのサビなのにBbΔ7→A7→Dmで収まってしまうからなのかなと思いました. B→A→Dの方がサビに入ってからの勢いがあるというか. ほとんどのコードに7thがついていますが強調されている訳でもないので, まさにお気持ち程度であると思っています.
リズムについてはベースのリズムがIとB2では2:2:2:2という風に均等に分割されているのに対してAとSでは3:1:2:2という風に前半が跳ねている点(伝われ)は注目に値しますね. あとEDMあんまり詳しくないのでわかんないですがB1のリズムは名前がつけられているような気がします.
楽曲構造については大枠で見ると1サビの後に変なのがついてる普通のポップスという感じですがアレンジに変化をつけることで飽きさせない工夫を施しています. I1, A1ではコーラスなし, S1でコーラスが入り, Bではボーカルにトレモロがかかり伴奏のアルペジオが追加され, B1からB2にかけてリズムの疎密に変化があり, I2ではコーラスが追加, A2ではオブリガードも追加, S2に入る手前でオブリがハモリに変わり, S2はハモリとコーラス入りの重厚サウンドに化け, S3直前でさらにアルペジオが加わり, I3ではレとラを交互に繰り返すスキャットになっているという徹底した変化っぷり. 全く同じパートは一つもない. その一方でコード進行には変化を加えていないというバランス感覚が素晴らしいですね. ファミコン時代に容量を削減するためにパーツを使いまわしたみたいな話の美しさに通ずるところがあると思っています.
これはmvの話になりますが, 一つ一つの音をドット絵のアニメーションに対応させる発想と技術にただただ脱帽です.

ヤツメ穴

コードは実質的にChordWikiからの転載です. 採譜した方が優秀で助かった.
key: E→G→Bb→E→G→Bb→E
I1: C#m7→E7→AΔ7→G#7→C#m7→E7→AΔ7→G#7
A1: C#m7→C#m7/B→AΔ7→G#m7→AΔ7→G#m7→AΔ7→F#m7→DΔ7→C#m7→C7
B1: F#m7→G#m7→C#m7→G#m7→F#m7→B7→EΔ7→E7→Am7→D7→GΔ7→G7→Cm7→F7→BbΔ7→Bb7→(E7→)AΔ7→G#m7→GΔ9→F#m9→DΔ7→C#m7→E7
S1: AΔ7→G#7→C#m7→E7→AΔ7→G#7→C#m7→E7→AΔ7→G#7→C#m7→E7→AΔ7→G#7→C#m7→E7
I2: I1と同じ
A2: A1と同じ
B2: B1と同じ
S2: S1と同じ
S3: S1と同じ
S4: S1と同じ
S5: S1と同じ
I3: S1と同じ
メロディについてはやはり四抜きの傾向が非常に強いことが特徴的ですね. 調がEメジャーのときにラが出てくるのは"壁を"と"床の"の部分だけ. とはいえイワシよりは音を絞っている感じはしません(*個人差があります). イワシよりダイアトニック外の音を含む和音が多いからなのかなと考えています.
ハーモニーについてはI, A, Sはふつう(*要出典)なんですが, Bがヤバい. 息を吸うように転調し(E→G(Em))息を吐くように転調し(G→Bb(Gm))息を呑むように転調する(Bb→E Bb7からE7は結構突飛な進行だけどE7の音価が短くてE7の次がAΔ7なので裏コード的なアプローチと解釈できる?). 2-5連鎖と半音階下降が素敵ですね. Bの後半はテンションが多めになっていますが, これはmv下部に出てくる白い棒(カラオケの音程バーみたいなやつ)を反映させたものになります. ボイシングにも気を遣っているのが感じられます. なるべく同じ音を繰り返すように, 動く時も最小限に抑えるようにしてあるのがわかります.
リズムについては, 一定のリズムを刻み続けるドラムの上に, エレピのバッキングはI,Aで3:3:2, Bでは2:2:2:2, Sで2:3:3, ベースはIとA1とSは3:3:2, BとA2では2:2:2:2という複雑な様相を呈しています. いつから鳴り始めてるのかはわからないけれど, I3の時点で謎のパーカッションがポコパカなっているのを確認することができる点にも注目です.
楽曲構造については, この曲はもうとにかくボーカルの入れ替わりが何よりも特徴的ですよね. ボーカルが途中で完全に入れ替わるというのがまず画期的だし, A2とB2でカウンターパートを追加しデュエットを実現している高度な技術も素晴らしいし, 入れ替わる必然性が歌詞によって与えられているというのも良いです. ラスサビを執拗に繰り返すっていうのも特徴的で, 歌詞も相まって恐怖感の演出に効いているのではないでしょうか. イワシでも特徴的だったアルペジオはS3で加わって盛り上げに貢献しています.
シンバルたたいた後の減衰が動画にもちゃんと反映されていて好き. 結婚しよ.

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大体ChordWikiと同じなのですが, 意図を汲み取れないところがあったり解釈が割れて然るべきところがあったりで, 変更を加えている箇所があります. あとは普通に耳が悪くて聴き取れなかったところもあってそれは聴き取れたところだけを表記しています. 正直言って何もわかりません.
key: Db→D→E→Db→D→E→Db→D
I1: GbΔ7→F7→Fm/Bb→Db7→GbΔ7→F7→Bbm→Gbm7→Fm7→Ab/Bb→Em7→Am7→D→D7
A1: GΔ7→F#7→Bm7→G#m7(b5)→Em7→A7→DΔ7→Bm7→GΔ7→F#7→F#m7→F7→EΔ7→E6→D#m7(b5)→G#7→C#m→Csus2→Bsus2→E/G#→C#sus2→F#m7
B1: F#m7→G#aug7→C#m7→EΔ7→A#7→AΔ7→G#m7→C#m7→F#7→BΔ7→D#m7→B#m7(b5)→E#aug7
S1: Ebm7→DbΔ7→CbΔ7→Bbm7→Abm7→GbΔ7→Fm7→FbΔ7(b5)→Ebm7→Ab7→Ebm7→DbΔ7→CbΔ7→Bbm7→Abm7→GbΔ7→Fm7→FbΔ7(b5)→Ebm7→Ab7
I2: I1と同じ
A2: A1と同じ
B2: B2と同じ
S2: S1と同じ
S3: S1と同じ
I3: 最後のD7がないこと以外はI1と同じ
I1とI3はベースが鳴っていないので, 本当に厳密に表記すると変わると思いますが, I2と同じということにしています. Bの進行に関してはSoundQuestのフォーラムで議論されているものがあったので紹介いたします.

表記法の流儀についてはいろいろあるのでどれが正解というのはないのです. とにかくこの曲はかなり複雑なことをやっているということが窺えるかと思います. だから間違ってても許してね♡
メロディについてはやはり四抜きの傾向が認められますが, 他のどの曲よりも転調や臨時記号が多いので, 強く印象に残るというほどではないですね. 歌のメロディには出てきていませんが, I2のシンセソロやI3のスキャットに他の曲で現れなかったブルーノートがちらほら出てきているのが特徴的かなと思います. あとは一曲全体を通してハープシーコードみたいな音がメロディやハモリを支えているのも特徴的ですかね. イワシほど印象はないけどメリスマが所々挟まっている. 白棒でも省略せずにわざわざ表示してあるのでかなり大事にしているんじゃないかな.
ハーモニーについてはもう, 芸大和声でもやったんかってくらいにボイスリーディングが綺麗です. コードでの表現に限界を感じたり感じなかったりします. サビ前の進行がバカほど気持ちいい. 直前のE#aug7について, 僕はここはblackadderの亜種と解釈しました. それに半音(+9)でぶつかってくるメロディの破壊力よ. サビの進行もクソバカ気持ちいい. ベースラインがひたすら2度ずつ降りていくという統一感も良いし, 開始地点もIIという絶妙な塩梅. DbΔ7の後のルートがCではなくCbであることとBbm7の後がAb7ではなくAbm7であるところがミソですね. ミクソリディアン的な独特の雰囲気が混ざっている感じがします. もちろんサビ以外も凝りっ凝りではありますが, やはり2-5と半音階下降が目に付く印象があります. AからBにかけてイワシを彷彿とさせる進行があるのも要注目ですね.
この曲は転調がかなり滑らかでいつの間にか変わっているという感覚になりますが, どこで転調しているのか問題の解決策として僕はいつもメロディを(絶対的)ドレミで歌うということをやっています. これはあくまで個人の感覚なのですが, この方針で歌うと "よく見てみるとそれは 巨大なクラゲだった"は ドレドレミラファミレミシ ソシドシドレミレソドに, "サイズは人の大きさほど 電柱よりも高く飛 んでいる この街に" は ドシドミドミファミレミレシソ ソシドシドミレドドシ ラシドソ ドレミファミ… になるんですね. したがって僕の感覚ではBからSにかけての転調はEから一旦C#を経由してDbになっているということになりますね. 繰り返しになりますが個人的感覚なのであくまでそういうやり方もあるんだなぁというふうに捉えてください. イワシの7thはお気持ち程度というようなことを書きましたが, この曲の場合は7thはかなり重要なのでそこは強調しておきます.
リズムについてはベースがA1,B1,I2が2:2:2:2, A1の途中からとB2とSが3:3:2, A2が途中まで4:4という感じになっています. A2のレドラシドレラソすこすこのすこ. 裏打ちは種類がいっぱいあってよくわかんないですが, Lでタッターッタッタッターッタッターというラテンチックなリズムを, Rでアルペジオの16の刻みを, Cで8の裏打ちをやっているのが聴き取れます. 多種多様なリズムが多種多様なタイミングで鳴っている感じです.
楽曲構造については随分オーソドックスであると言えますね. しかしボーカルの入れ替わりがやはり起こっているのが特徴です. 飽きさせないための工夫ももりもりで, I1はバスドラも鳴っていない薄味から始まり, A1でベース参戦, B1でテロテロしたアルペジオといい感じの裏打ちが追加, S1でみんな大好き白棒くんとEDMにありがちな?サイドチェーンかかった裏打ちも入ってきます. I2は勢いを殺さずソロを際立たせるためにいらない音を消したという感じ. A2では打って変わってベースとドラムのタイム感が伸びます. タメ. B2はちょっとタメて爆発. B1になかった白棒が加わっています. S2はそのまま. S3ではダメ押しのハモリ追加. I3では余韻を楽しみます. アルペジオは依然としてゴリゴリなってるのにmvでは表示されなくなっちゃうのよね.
S3で跳ねるオブジェクトたち可愛くてすこ.

まとめ

楽曲分析というほどちゃんと分析していないので, 何か新しく気づいたことがあったら随時追記していく次第であります. 有識者のニキネキからのご支援ご協力をお待ちしています.

ここからは4曲を通したxxxx氏の楽曲の特徴と界隈曲っぽい曲を作る方法について考えていこうと思います. ここに書いてあることをやればxxxxっぽさの60%(当社比)くらいを獲得できるかも!
メロディについては再三言っているように四抜きが顕著です. 第四音を全く使わないという訳ではなく, 必要があれば自然と使うという感じなのが良いのかな. あとはタータタタータタという形を取ることが多い希ガス. イワシでもその旨に触れたしヤツメは"(通)ったことのない道が", "(ひま)だったので通って", クラゲはAが全体的にそう. ただこのパターン自体珍しいものでもなんでもないから特徴とするには弱いか.
ハーモニーに関しては, 2-5と2度下行の連続が多い印象にあります. これらの連鎖の帳尻合わせとして増4度上行を使うことをあまり厭わない感じもありますね. 各コードにテンションは必須だと思います. 普通のポップスでよく見る進行に関しては4-3-6(丸サ, Just the two of us進行)以外は見かけない印象があります. サビ前の半音階下行は必須レベル.
リズムについてはEDMのそれ. 詳しくないけど. まあ3:3:2か2:2:2:2(オクターブ上下)やってればそれっぽくなるんジャマイカ.
楽曲構造については, イントロから始まってAメロを通ってサビやって間奏入って1番と同じことしてラスサビ繰り返してアウトロという形が共通していますね. アレンジについてはコード進行に代表されるように使いまわせる部品に関してはひたすら使い回し, それと同時に曲全体を通して少しずつ(盛り上げる方向に)変化をつけていくという手法が共通しています.
ボーカルがコーラスを含めると複数のUTAU音源で構成されているというのも当然のようで重要な特徴ですね.
あとは動画の左右と音源のパンも一致しているのもこだわりポイントなので, 動画まで作る人は, がんばってください.

ちょっと雑ですが今後も研究を続けていきますのでこの辺で許せサスケ.


時間があったら界隈曲っぽい曲を作ってみようと思います.
[以下 2023/12/29 追記]

おまけ

手前味噌で恐縮ではございますが, ちょっと前に私が作った曲を紹介させて頂こうと思います. せっかく作ってみたのに貼るのを忘れていた.

xxxx氏の4曲のうち特にクラゲをひたすら聴いていた時期がありまして, 俺もこんな曲作りてえ〜〜〜〜〜という気持ちを抱き続けているうちにそれが形になったような曲です. いわゆる界隈曲, xxxx氏の4曲をリスペクトして作風を真似たものはほとんど聴いていません. この曲も界隈曲のつもりではないです. オブリのっぽさはマグロ, メロディの組み立てはイワシ, ツインボーカルのあり方はヤツメ, アレンジはクラゲを参考にしたという感じです.
別の時期に2人のボーカルが同じタイミングで違うことを歌う歌を作ってドッペルゲンガーというテーマを当てがいたいな〜と思い立ちまして, ただそれだとヤツメの下位互換になることが免れ得ないので, 複調という技法を取り入れることにしました. ヤツメで取り入れられている技法は対位法とか対旋律とかカウンターパートとかいうものになるんですが, 2つのボーカルの調自体は同じだったのでそこを拡張することを試みたということですね.

いろいろな組み合わせを考えた結果今回はEbメジャーとAマイナーをがっちゃんこすることになり, これはフラット3つぶんの違いになるんですが, これによって生じる許容し難い濁りを避けるためにメロディの方で五音音階に準ずるものを使うという制約が発生したわけです. そこで元々憧れがあったのもあり, 五音音階と相性が良く, さらにツインボーカルの文脈もあるxxxx氏の曲に寄せた構成になることが決定しました. 動画の様式でやってることをアピールしやすくて都合が良かったというのもあります.

さて, この曲を投稿してしばらく経ちだいぶ批判的に聴けるようになってきたので, この曲と比較して見えてくるxxxx氏の諸曲の優れているところを探していこうと思います. 自分の曲を踏み台にして他人の曲を褒めるとかいうドMっぷりよ.

まず大元となったクラゲとの比較なんですが, これはもう圧倒的にクラゲの方がスタイリッシュです! 僕の曲がダサいだけとか言うな. まずビート感が違いますよね. テンポが違うというのもありはするんですが, 間違いなくクラゲの方がノれます. クラゲからは16ビートを感じるのに対して拙作は8ビートっぽくなってしまっているのが敗因かな. その他原因を考えてみると, クラゲは拙作と比べて
・キックがでかい
・8裏のハットが長くてでかい
・さらに16で刻んでいる音の存在感がでかい
・というかパーカッションの総数がでかい
という特長があるように思われます. まあ言っちゃえばMIXの問題がデカそうですね. 修行しましゅ.
あとは僕の曲だとキックがずっと鳴りっぱなし, ベースのペースもずっと単調で面白みもないですけど, クラゲはそうではなくて, その差がメリハリの有無につながっているように思われます.
うっうっ…

次にデュエットのあり方についてヤツメと比較していきます. ヤツメの方が元のメロディとその対旋律のリズムの取り方の差が大きくて対比が効いているという感じがあります. 一番わかりやすいのは"その道は 行ったことが無かった"あたりになりますかね. 元のメロディがタータタタータタと繰り返す中で, 対照的に伸びやかでそれでいて元のメロディのリズムを殺さないカウンターを決めているのが素晴らしいです. それに対して僕の曲は元のメロディと対旋律がそんなに対照的でもないというところがああ… って感じですね… ああ…

続いてメロディについてイワシと比較していきます. イワシのところでメリスマが多い気がすると書きましたがやっぱり正しいように思われます. 今回デフォ子もテトもほとんど調声を施していないのでメリスマがかかっているはずがなく実際かかっているように聴こえないので, テトの声質が〜とかの話ではなくヘッドンホホつけてちゃんと聴いた僕の耳がおかしいという話でした. うーんこの.

マグロは… あんまり聴いてないので… 何とも言えないんですが… 元々音数の多いマグロで鳴っているオブリは音量が大きいわけではないのに存在感がしっかりあって, それに引き換え僕の曲は音数が多いわけでもないのにオブリが弱々しくて情けないですね. やはりMIXを頑張りましょうということになります. はあ…

全曲と比較して言えることなんですが, 4曲ともコード進行は一度登場したものを使い回しているのに対して, 僕の曲はコード進行を頻繁に変えてしまっているので, その点で大幅に"っぽさ"が減っているように思われます. あとは特徴的なサビ前半音階下行なんかも入れられなかったのも厳しい.
演出の都合上仕方なかったことではあるんですが, 楽曲構造も"イントロから始まってAメロを通ってサビやって間奏入って1番と同じことしてラスサビ繰り返してアウトロ"の"1番と同じことしてラスサビ繰り返して"から外れてしまっているのが痛い.
しかしながらその他の部分は概ね分析した内容に倣っているつもりなので, ある程度の"っぽさ"は保たれているのではないでしょうか.
僕は当面の間はxxxx氏の影響を強く受けたような曲を作る予定はないので, これからxxxx氏リスペクト曲を作ろうという同士の方は僕の反省を生かして? 進んでいってください.

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