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2019.10.05_ UNISON SQUARE GARDEN(UNICITY会員限定公演)

15周年イヤーがスタートした2019年。
夏、結成の7月には一夜限りの最大なメモリアルライブを大盛況に終えたUNISON SQUARE GARDEN
私は大阪へは向かうことができなかったが、同じく7月に開催されたタワーレコード渋谷店、そしてMAGNETとのコラボイベントで、ささやかながらバンドへの祝杯を挙げた(ノンアルコール)。中でも、彼らに惚れることとなった1曲<スカースデイル>のMVにも登場する”デイルくん”の展示には高揚した。

そして秋。アニバーサリーイヤーを浮かれ調子で過ごしてきたであろう彼らの音を浴びる瞬間がようやく巡ってきた。
ファンも同様、前述したメモリアルライブ・トリビュートライブ、その他にも歴代のグッズを好きなように身に着け集合。メインイベントは終わったものの、まだまだお祝いモードは続いている。
会場の”浜松窓枠”もまた、UNISON SQUARE GARDENと同じく15周年。MCでは「人が良く、とても好感を持っているライブハウスだ」と宏介さん(Vo.Gt)が話していた。また、田淵さん(Ba)は後輩のライブを見に訪れたこともあるそうな。

ライブは<リトルタイムストップ>からゆっくりとスタート。
逸る気持ちを抑え、曲に合わせて体を揺らす会場。サビに入るとステージに向けられる手のひら。静かに温かく、ジワジワと熱を帯びながらメンバーへ「ようこそ!」を伝えていく。
すると「今日は本当にカップリングしかやらないから気を付けてね!」と、独特な呼びかけの宏介さん。確かにどう盛り上がるのかが予測不能なライブである。
<over drive>、<ピストルギャラクシー>、<ギャクテンサヨナラ>と、アグレッシブなラインナップをぶつけたセクション。ファン投票で栄えある第30位を飾った(宏介さん談)<三月物語>から始まり、栄えある第1位に輝いた<スノウリバース>で締めるという面白みがありながら、切ないストーリー性を含んだセクションもあり。
ミディアム~バラードテンポの曲も多く、ハーモニーをじっくりと聴けるのも良い。

後半に差し掛かる前、あの『ダ○ツの旅』テーマが流れると、ツアー日程中UNICITY会員限定のライブのみにパッケージされたお楽しみ『U-SIDEコーナー』が始まる。
「一般のお客様より普段から僕らにお金をかけてくれている皆様のために!」と、少しばかりサービス精神旺盛になるバンドの様子を見ることができる。
と、田淵さんがテーマに合わせて手をピョコピョコと動かし控えめに踊っているではないか!ライブ中は一言も喋らない田淵さんなりのサービスに、微笑みながら真似してしまった。
サイコロの出目により、本編のセットリストに含まれていない中から演奏曲が選ばれるという至ってシンプルな仕掛け付き。
ただでさえようやく日の目を見ることになった楽曲が多い中、この日は次週にリリースを控えたシングルのカップリング<mouth to mouse(sent you)>を披露することに。沸く会場とは裏腹、落胆と焦りの色を見せる面々。
宏介さんが「ほら!潔く!練習しないで!!」と2人に檄を飛ばす場面もあり、いつものライブにはないゆるさも共に楽しんだ。

そして、B面の輝きがラストへ向けて再び加速。放つ楽曲の彩りを改めて見せつけられる。
それは独白モード全開の<ラディアルナイトチェイサー>。群青の夜を前進、全霊で論ずる<I wanna believe, 夜を行く>、物好きたちとひねくれバンドの別れの宴だ。ポップに騒いで自由に染まれ<Micro Paradiso!>
並べれば並べるほど「これぞユニゾン」が色濃くなっていく。
"B面集のアルバム”という、物好きにはうってつけであろう1枚。
人伝でこのバンドを知り、シングルも途中から買い始めたので、実は知らないカップリング曲が圧倒的に多く、申し訳ないぐらい❝うろ覚え楽曲群❞であった。
それが『Bee side Sea side』という1BOXに納められたことで、こんなにも覆されることになるとは。今後このバンドを人に薦める時は、このアルバムから聴いてもらうのも大いにアリなのではないだろうか?
アンコール1曲目で歌われた<5分後のスターダスト>は、アルバムの1曲目でもある。
センチメンタルな美しさを醸すイントロのギターフレーズにとらわれ、何度もリピートしてしまい次のトラックに進めなかった。
この曲のおかげで、B面に引きずり込まれたと言っても過言ではない。ライブでは言うまでもなくため息ものであった。

人気曲たちを連ねた鉄板のライブと比べれば、やや地味な盛り上がりであったとは思う(笑)。
しかし、大きな昂ぶりがなかった分、各メンバーの演奏や音に注目でき、このスリーピースバンドが15年間、愚直なまでに歩んできた「曲を作る、そしてライブをする」というシンプルなルーティンワークのかっこ良さをこれでもか!と感じさせられた。
そんな3人と共に、ここにいる物好きは物好きの階段をまたひとつ昇ってしまった。
このUNISON SQUARE GARDENというバンド。まだまだ愛していたい。

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■SET LIST
1.リトルタイムストップ
2.セク×カラ×シソンズール
3.flat song
4.over driver
5.ピストルギャラクシー
6.ギャクテンサヨナラ
7.君になりたい
8.スノウループ
9.ここで会ったがけもの道
10.ノンフィクションコンパス
11.三月物語
12.三日月の夜の真ん中
13.サンタクロースは渋滞中
14.スノウリバース
―U-SIDEコーナー―
1. 君はいい子(アコースティック)
2. mouth to mouse(sent you)
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15.シグナルABC
16.ラディアルナイトチェイサー
17.I wanna believe、夜を行く
18.Micro Paradiso!
―アンコール―
1. 五分後のスターダスト
2. さわれない歌
3. ラブソングは突然に~What is the name of that mystery?~

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