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ディズニー曲屈指の名作 東京ディズニーランド25thテーマソング「"魔法の鍵" ~The Dream Goes On」

"魔法の鍵" ~The Dream Goes On という曲がある。東京ディズニーランド25thテーマソング。John Kavanaughによって作詞作曲された楽曲を、石井竜也&高杉さと美が歌唱。日本語作詞・プロデュースも石井竜也が行った。2008年の曲だから、もう14年も前の曲になる。

この曲は思い出深くてね。僕自身も好きだけど、次女もこの曲を気に入ってね。2度波がやってきた曲なんだ。そして、ディズニー好きの僕の中でもナンバーワンソングと言っていい。ディズニーを代表するA Dream is a Wish Your Heart Makes(シンデレラ)、Some Day My Prince Will Came(白雪姫)の2曲より好きな曲だ。

もともとはね、石井竜也がディズニーを歌うことなんて猛反対だったのよ。石井竜也が嫌いなわけじゃない。むしろ大好きなアーティストでその実力は十分に知っている。米米クラブのシングル曲の8割は歌えるだろうし、少しマニアックなSUBWAY BLUESだって歌える。好きな曲は「ホテルくちびる」って程度には米米のファンだ。

ディズニーも米米も好き。高杉さと美の超高品質な歌唱力も知っている。ただ、石井竜也のあの灰汁の強さはディズニーの世界観と混じり合わないのではないかと思っていたのだよ。ところがこれが全く違った。
彼の圧倒的な歌唱力は当然のことながら、石井竜也の日本語詞がグサグサと心を突いてくる。

"寂しくなった時は この国を思い出してどんなときにも 君を癒して 輝きの溢れる場所へ"

全く世界観を崩さないどころか、ディズニーファンの一番敏感な場所に触れるような歌詞。子供が聞いても深い感情移入が存在するだろうし、大人の色気すらも漂う。そして大サビでは完全に心を鷲掴みにしてくる。

"終わりはないよ 夢よ覚めないで 魔法よ解けないで"

高杉、石井の両者が交互に輪唱のように力強く畳み掛けてくるこの大サビは、パークから出たくない人の心境そのもの。共感しかない。よくクルマを運転しながら聞いているんだけどさ。この楽曲に、特に大サビの部分に真正面から向き合ってしまうと、四十も半ばのいい歳したオッサンが泣きそうになるわけよ。いや、もうちょっとだけ泣いてるの。

この大サビは知らない人にも聴いてほしいな。盛り上げ方が半端じゃない。この曲そのものがディズニーの世界観に引き込んでくれる魔法と言ってもいい。2人の超人的な歌唱力が歌を魔法に引き上げてるの。

僕は音楽のことはわからないよ。専門的な分析はできないけれど、毎回サビの歌い方が異なるこの曲の複雑性は、中毒に繋がる要素だと感じる。くり返されるはずのサビが毎度違うことによって全く飽きが来ないのだ。5分ほどの短い曲でありながら抑揚が激しく、一切の無駄がない。聴けば瞬時にディズニーリゾートでの体験が記憶から引き出される。これは名曲としか言いようがないし、東京ディズニーランド25thのテーマとして、極めてオプティマイズされた楽曲と言える。

日本語作詞も凄いけれど、John Kavanaughの楽曲制作も流石のひとことだ。歌唱も文句のつけようがない。ディズニーの世界観を一切崩さず、持ち味も出している石井竜也、不純物の一切ない完全透明な声の高杉さと美(どうでも良いけど彼女はavexから出るべきシンガーではないと感じる。)、関わる人全員が完璧な仕事をこなしたのだ。

どっぷりと仕事に浸かった日の夜には、こんな曲がよく合うのさ。今夜もこれを聴いて寝ようと思う。聴いたことが無い人は、騙されたと思ってちょっと聴いてみてよ。

ところで、ディズニーのブランド戦略なんかを分析したビジネス書なんかがよく売れているらしい。なんて下品な本なんだろうと思う。高級ホテルのリネン室を見るような気分になるよ。そんな裏側のことなど考えずにもっと陶酔できる場所であってほしいね。

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