GID・FtM ホルモン療法経過(2年4ヶ月)

性同一性障害・女性から男性へ。ガイドラインに基づく身体的治療、アンドロゲン製剤投与の経過。
使用: エナルモンデポー筋注125mg/14~23日
開始: 2016年4月 20歳0ヶ月
現在: 2018年8月 22歳4ヶ月

「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン(第4版)」一部改訂のお知らせ(2017.5.20)|公益社団法人 日本精神神経学会
ところでこのガイドライン、なんというか、とても読みづらいのは何故なんですかね。
性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン(第4版) - Google ドキュメント
こうして自分用にインデントしたりマーカー引いたやつでもまだ読みづらい。そのうち読みやすく直して、先生のところに持ち込んだろうか。

これは前回の。これに付け足していく感じで今回分を書いていく。

まずは体格など。

乳房切除をしたら漏斗胸気味なことが判明し、不服なので胸筋を鍛えている。いや、鍛えようとしている。知識なし器具なしの自宅自重トレだと、上腕や背中にばかり付くので、なかなか難しい。あんまり肩が太いのは好みじゃない。背中も服が張り付く(筋肉が押し上げる)から嫌だし。
でも、あーこれたぶん胸肉、って感じの物体が形成されてきている。筋肉なので柔くない。脂肪じゃないので温かい。

尻。男女の尻の差、ご存知ですか。

今ものすごいざっくり描きましたけども。段が違うんすよ。この2段目をね、やっつけられないかとね、ちまちま頑張っている。1.5くらいにはなっている。

あ、ちょっと下着の話していいですか。変わりゆく尻の形に完全対応できるパンツの話。そもそも覆わなきゃいい、つまりTバックのことなんですが。
割とマジでおすすめします。パンツ、ズレるでしょ。うざったいでしょ。しかもレディースのは当たるし、メンズのは余るし、なんかイラッとするでしょ。
そこでメンズのTバック。これもまあ余るんだけど、余るのって本来欲しいところよりちょい前じゃん? それをこう、和服の帯のように前下がりの後ろ上がりに履くことによって、ポジションと腰回りのフィット感を同時に解決。巷が騒ぐ、睾丸が体温で生殖機能がーってのも、我々と無縁の話ですし。

……「我々」言ったけども、実際これ読んでてFtMでホル後SRS前の人っているのか。というか、これ読んでる人いるのか。まあいいや。

前腕。バイトを辞めたらまた腕時計が回るようになってしまったので、鍛えている。プランクを肘でなく手首でやるのが楽でいい。肌に血管が透けるようになって見栄えもいい。

外腹斜筋。盛り上げて腸骨に乗せたくて奮闘しているが歩みは遅い。

しっかし、この暑さでワークアウトがまー捗らないこと捗らないこと。

さて、他。

外見。もっぱら男子中学生扱いを受ける。背丈と顔つきはどうしようもない。ニートなのも幼さに拍車を掛けていることだろう。

ニキビ。顔は結構収まってきている。が、背中が鹿の子模様になっている。入院中の清拭でもぎょっとされた。あと尻が。座るとちょうど当たる場所とかにできると泣ける。

肺活量。こいつも鍛えておかないとやばい。なにせ、声が出せない。
そもそも低い声というのは聞き取りづらいので声量を要する。そして、女声のような上に抜く、ヘッド - ミドルボイスで発声すると、酷く幼い声に聞こえる。なので男声、声帯を閉じて喉から下へと響かせるチェストボイスとしなければいけないんだが、未だに体得できない。たまにしか上手くいかない。
最もこれは、短期ホルモン剤であることや、投与開始からまだ2年ということも関係しているかと思うが。
あと、低い声って威圧感あって、周囲に不機嫌だと思われていないか若干心配になる。自分でも出してて「あれ今私不機嫌……?」ってなる。

そう、声。数回声変わりを迎えている。あるとき風邪を引いたかのように声が掠れて出なくなり、それが治ったとき、声域が少し下がっている。今もちょうど、その出ないタイミングだ。

咽頭、喉仏。大きさを増し、随分と存在感を放つようになった。ああこれは、たしかにリンゴだなあ、って感じがする。うつ伏せで顎上げて寝られなくなった。頬付けすると寝違えるのに。

体毛。じわじわと濃くなっている。月経困難だった頃からの習慣を引いて、アンダーを剃っているんだが、そろそろ臍の上が危ない。腿の付け根はすでに呑まれた。

月経。……来ている。時折。来るというか、不正出血か。特にここ数週間は夏バテだか風邪だか知らんが不調がヤバくてストレスがマッハで出血もマッハ。
先月「ネビドが安くなったんでどうですか!」と長期ホルモン剤を勧められたところにハッパをかけるかのようにこれ。何が悲しくて尿道と肛門の間、認識身体における亜空間へタンポンを収める羽目に。月経困難に苛まれたかつての日々でさえ、入らなくて苦しみぬいたというのに。

……あー、うん。ちょっとばかりシモい話をしても? この下、1ブロック分。今の話とも関連して、それから生殖器と、心理的影響を語る上で、まあ避けようはあるんだが、避けないほうがよさそうなネタがあって。


生殖器。外観、DSD(性分化疾患)の中間型によく似ている。裸で立って脚を閉じて鏡に向かうと、肥大した大陰唇が陰嚢に、小陰唇が包皮に、陰核が陰茎に見える。ごく小さいが。陰核は、ぎりぎり"梳ける"程度のボリュームになっている。前回のnoteでは、「露出して乾燥して延々痛い」と言ったが、もう痛くない。唇のような、肌と粘膜の間の質感に落ち着いている。形状も、「あー、落書きでよく見るやつ」って感じになっている。陰核亀頭って発生学的には陰茎で、陰茎亀頭は小陰唇に相当するはずなんだけど、分化後に投与された性ホルモン氏は細かいことは気にしない質のようだ。(実際、陰嚢に相当するのは大陰唇だけど、睾丸インプラントは肥大した小陰唇を用いるし。用いれるほどに肥大するし。してるし。)181012訂正: 用いませぬ。インプラントは大陰唇。小陰唇は尿道延長や陰茎形成に回すらしい。
心理的影響。物理身体に対する受容が高まり、所在感のみを有していたこの身体の、所有感を獲得しつつある。いわゆる、「別の性別になれたら何をする?」という、馬鹿馬鹿しい(そう、今までは憎悪にも似た嫌悪を抱いていたこの設問を、「けっ、下らねえ」と評せるほどに精神的余裕が生じているのだ!)仮定が、仮定でない状況にある――そういう状況であると、理解が変容している。
で、何やるかって、ヤると相場は決まってる。
生憎というか幸いというか当然というか、私は処女で童貞で。パートナーもなくて。しかしアンドロゲン投与の副作用には性欲亢進が含まれ。SRS(性別適合手術)についてフラフラ調べていたら、摘出は膣式が最も創部が少ないけど、FtMは膣管が狭小だから適応が困難で云々、という記述を見かけ。へえ狭いんだ、と、まさぐってみたわけだ。
性的興奮と勃起のメカニズムは解剖学的男女共に共通で、陰茎海綿体 - 陰核海綿体と、尿道海綿体・尿道球 - 前庭球の充血によって起こり、男性のそれは陰茎を交接可能な硬度とし、女性のそれは大前庭腺を圧迫して分泌液を――ええいめんどくせえ、要は梳くと濡れるんだよ。でこうして濡れてりゃ指くらい入るんじゃねってなったんだよ。
で、うん、狭かった。……膣がじゃなくて、処女膜が。「は? 開口これだけ? バカじゃないの?」ってツッコんだよ。いや確かに指突っ込んでたけどさ。そうじゃなくて。こりゃ出血も無駄に長引くしタンポン入らないのも当然っすわって感じで。それで、なんかこう、熾火となっていた怒り的な、積年の恨み的なものも追加されて、1週間くらいかけて破き切った。
そういうわけで、タンポンは物理的にも心理的にも入れられるようになっているんだが、そのためにやったわけじゃねえ。帰れ。
……ついでだからもうちょい話を続けると、自己が抱く性的イメージはゲイのネコだ。なので「下腹に異物が入る」まで抽象度を上げると、結構な塩梅となる。物理 - 認識身体間において、確かに膣は亜空間と化しているが、膣の開口によって肛門が後方へずれているので、双方の感覚が合致する箇所は皆無だ。
故に、"この身体"で自慰ができるようになっても、好奇心の他に満ち足りるものはない。「性欲を持て余す」とは正にこのことだ。


――はい。済みましてございます。
で、エナルモンデポーを14日で打つのと、ネビドを3ヶ月で打つのを比べると、年5000円しか違わないんだよね。手間と安定を加味すれば釣りが来る額ではなかろうか。なので、次回のクリニックで切り替えてみる予定だ。

その頃には夏も終わるし、健康診断もあるし、この不正出血、どうにかなってくれれば……いいな……。

もうね、まじで無理。まじで体調がやばい。休むことに集中する気力すら失っている。このnoteも、何か打ち込もう、吐き出そうと思って書いたものだ。しかし不調からは逃れたいので、フローに入ることで認知しない方向に入っている。しかしこれは利息付きで跳ね返ってくるのでよろしくない。

しかし焦りもやばいんだ。22歳の最終学歴高校中退の発達障害持ちの引きニートを、社会的経済的に自立させ、戸籍性別変更まで導く。私には手に有り余るクエストだ。しかし、為さねばならない。

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