月経の話。

タイトル通りの話をします。憚ってません。






月経中の外出が怖いのは、衣服や座面を汚してしまう(かもしれない)から、というのももちろんあるが、一番の要因は「私が出血の状態を目視以外で把握できないこと」にある。
どうやら、私の内臓感覚…というか、下腹周りの認識能力は、ひどく低いらしい。気がついたら膀胱が痛いほどに漏らす寸前になっている、ということがよくある。私の認識身体(言い回しはなんでもいいが、自己が認識する身体、くらいの意)に含まれている膀胱でこれなのだから、含まれていない女性器の把握がそれほどお粗末になるかは想像に難くないだろう。
たしかに、刺すような、締め付けるような痛み、じわりと溢れていく経血、ずるりと零れていく於血、湿度を増していくナプキン、それぞれを認識することはできるのだが、それらの情報から量を導けない。月経3日目、座っているところにぎょっとするほどの塊と温度が滑り落ちていって、顔を引きつらせて細心の注意を払いゆっくりと腰を浮かせ、膝立ちで恐る恐るパンツを覗き込んだところ充分に白いナプキンと対面して拍子抜けする、なんてのは日常茶飯事だ。だが、油断して汚した物は数知れずなので、目視確認を怠るわけにはいかない。外出先でもバスタオルを尻に敷ければいいのだが。
更に言うと、「月経 コントロール 方法」などと調べると出てくる、女性器周辺の筋肉を上手いこと締めたりして出血量を管理する、という手法が、私にはちんぷんかんぷんだ。そんなところに随意筋があるとは全く認識できないからだ。しなやかに揺れ動く猫の尻尾を見せられて「お前もやってみろ」と言われた気分、といえば分かりやすいだろうか。
ただ問題は、たしかに私の認識身体に尻尾はないのだが、物理身体(実際の身体、くらいの意)にはしっかりと尻尾があるということだ。そこが難しい。
まあ、これの説明が簡単だったなら私はもう少し生きやすい。

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