猫とフクロウの真夜中の冒険
月夜の晩に、フクロウが猫を訪ねてきました。
「久しぶりに出かけないか」
誘われた猫は少しためらいました。
何しろ飼い主は「絶対外へ出てはだめ」と言って
猫を外へ出そうとしなかったからです。
永らく室内飼いされた猫は
外の世界が少しばかり怖くなっていました。
猫は友達のフクロウをガッカリさせたくなかったので
「あんまり遅くならないならね」
と、窓をそっと開けて夜の空へ出かけることにしました。
フクロウの背中に乗るのは久しぶりです。
「爪を立てたら痛いよ。」
と言われて慌てて猫は爪を引っ込めました。
「今夜は魔法の夜だからね。」
森の動物たちも
ただ静かに月を眺めていました。
フクロウはすっかり月に心を奪われましたが
隣の猫がソワソワしているのに気がつきました。
ああ、そうか。
飼い主のことが気になるんだね。
「また誘ってもいいかい」
フクロウは恐る恐る聞きました。
もちろんさ、と猫は答えました。
でも、フクロウは
朝になれば
この魔法が消えることを知っていました。
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