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Day_52★私の人生の転機とダウンシフト

人生に大きな変化が訪れたとき。
あるいは人生の折り返し地点に立ったとき。
多くの人はこれまでの生き方や価値観を見直し、新しい人生を歩み始めることでしょう。私もそのひとりでした。

夫の転勤で転職することになり、私自身の収入が半減したのです。
同じ会社で同じ仕事をして階段を上っていける夫が、羨ましく、また恨めしく思えたものです。

そのころ、私が大きな影響を受けたのが、高坂 勝さんの『減速して生きる: ダウンシフターズ』でした。

その後、夫は慢性骨髄性白血病に罹患し、一生抗がん剤(グリベック)を飲み続けなければならないことになりました。
まさに「泣きっ面に蜂」という状況でしたが、この時期に高坂さんの本が心のガイドブックとなり、私を支えてくれました。

※その後、新しい本も出版されています。ご紹介まで。

ダウンシフトとは?

「ダウンシフト」とは、経済的な成功や物質的な豊かさを追求するのではなく、自分自身の価値観に基づいたシンプルで持続可能な生き方を選び、生活のペースを意識的に落としていくことです。
高坂さんはキャリアのピークを迎えた後、自分のペースで生活を再構築し、心の豊かさを追求する方法をこの本で語っています。
私は、高坂さんが実際に行った手法というよりは、その考え方に感銘を受け、強く影響されました。

私は思い切って自分の人生をダウンシフトしようと決意しました。

まず、生命保険の営業職で収入が多かった時期を「人生の中の特別な時期」と考えることにしました。
そして、経済的な成功や物質的な豊かさを追求する気持ちを刺激する生命保険の営業の世界から離れることにしました。

これによって出費が自然に減り、生活のペースをダウンシフトすることが出来ました。

収入が減ったことによって貯蓄のペースが落ち、自分のために使えるお金が減ったので、がっかりする気持ちになりましたが、一過性のものでした。

私はたまたまコールセンターの研修を受けたことがあったので、次の仕事としてコールセンターのオペレーターを選びました。
当たり前のことですが、出勤時間中はずっと拘束され、時間の対価を得る働き方です。
経済的な成功や物質的な豊かさを追求する気持ちを刺激することがないという意味では希望道理でしたが、時間が経つとすこしばかり退屈に感じるようになってしまいました。

ダウンシフトは段階的に進めるのも、アリ。

私の場合、急激なシフトダウンは現実的ではありませんでした。
まだ、ある程度の定期的な収入が必要な時期(学費の為)でしたし、自営業を始めるような勇気も手腕もない。
そのため、まずは職業的なストレスからの解放を優先して、ひとつ、シフトダウン。

現在の働き方を変えたいという気持ちも生まれてきたので、次は自由な時間を手にするためのシフトダウンを考える時期が来たかな、と思っているところです。
2段階、3段階と、自分に合うシフトダウンをしながら臨機応変に生きていくのも「アリ」だと私は思います。

経済的な無理をしない生き方の大切さ

これからの人生、年金生活になったら、暮らしもコンパクトになることでしょう。

人は「大きな変化」に強い不安やプレッシャーを感じます。
でも、この変化の時期に自分の意思でダウンシフトすることで、自分自身で人生をコントロールできているという実感が得られるのではないでしょうか。

高坂さんは著書の中で、消費を見直し、働き方について考え直し、コミュニティとのつながりを大切にして、自然と共生できる暮らしを提唱しています。
まるで「青い鳥」のように、それらは経済的な豊かさにではなく、自らの感性を見つめることで見つかるもののようにも思えてきます。

終わりに

もしかすると、経済的な豊かさを求めて成長していくときのほうが、ある意味では楽なのかもしれません。
ダウンシフトには決断が必要だし、自分で選択することに責任を負う必要がありますし、実を言えば、見栄やプライドとの戦いは、少しばかり辛かった。

それでも、シフトダウンという考え方に出会い、それを実行したことで、私は自分にとって本当に大切なものを見失わずに済みました。
経済的な成功や物質的な豊かさを追求する場所から離れ、自分のペースで生活をシンプルにする選択をしたことで、平穏な毎日を送ることが出来るようになりました。

あの時の決断が、今の私を支えてくれています。これからも、自分自身の価値観を大切にし、シンプルで持続可能な生き方を続けていきたいと思います。
人生のハンドルは自分で握りつづけたい、鼻歌でも歌いながら。それが私の幸せだから。

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