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第11期 JPML WRCリーグ ベスト8 B卓 自戦記

皆様こんにちは、日本一髪の長い麻雀プロ・森田未来(もりたみらい)です。

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7/21に行われた自身初の放送対局、JPML WRCリーグ ベスト8の自戦記を書かせていただくべく、筆をとりました。

対戦相手は、荒正義プロ・客野直プロ・笠原拓樹プロの3名。

私と同期で、まだプロ入り2年程の若手選手である笠原拓樹プロ。

連盟史上初のグランドスラムを達成した麻雀界のレジェンド・荒正義プロ。

ベスト16では役満を和了り、いつも多くのタイトル戦を勝ち進む、愛猫家で知られる鳳凰位戦Aリーガーの客野直プロ。

猫を飼っている人は何故こうも例外なく皆さん強いのだろう。その謎を解き明かしに、私は某所の配信対局用のスタジオへ向かったのでした🐈

よろしくお願いします🙇‍♂️

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(髪マジで長いな……)

・東1局

記念すべき最初の配牌はこちら

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ドラは8pで、チャンタや789の三色に育ってくれればかなりの勝負手になるが、決して和了しやすい手ではないので、高打点は逃さないけど極力スリムな進行をしよう、などと考えていました。

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その後ドラを引き入れるも、1枚目の發からポンをしている上家の荒プロの手出し5pを見てちょっと引き気味に打4m。(これ一牌足りないけど、2mをもう一枚ツモって来る所です)

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次巡7sを持ってきて結構撤退。打2m。

私の2mの対子落としを見て解説の藤島プロは少し困惑していましたが、1sか9mが重なるか78mを引かない限りは立直ドラ1愚形になってしまうので、高打点ルートを残しながら撤退の構えでした。

ちなみに荒プロは一向聴で、47sの受けはしっかり残っていました。この段階でリリースしておかないと、自身の手が勝負手になった時に放銃していたかもしれません。

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この局は客野プロの25sの立直に対してチーして3,900の聴牌をとった笠原プロが2,000点の放銃。

・東2局

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迎えた親番は悪くは無いけど凡庸な配牌。

一発や裏ドラのあるWRCルールなので、とりあえず立直を目指してオタ風の南から切り出す。

配牌が良いと役牌から切り出しますが、それ以外だと鳴かれたくない順番にオタ風は南→西→北と切り出していきます。1巡目が一番鳴かれづらいんです。

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ほらね!!!!!(南家の客野プロが第一ツモで南を対子にしましたが、このくらいの配牌からならどちらにせよ1枚目の南は鳴かなそうってのは置いておいて)

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その後下家の客野プロが2枚目の南をポンするも、ドラの4sを2枚引いてやる気の森田。4sは勿論、7s7mも仕掛ける気でいます。

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さらに客野プロに1sのポンと対面の笠原プロに白の仕掛けが入るも、完全にやる気の権化となった森田は、攻め返す為の安全牌の發を置いて打8s。これが笠原プロに2,600の放銃。

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あえて声を大にして言おう。

ぴえん🥺

・東3局

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第一ツモでドラの9pを引くも、イマイチな配牌。

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9巡目で戦えそうな手に進化。

後々全員に危険そうな3m5mのカンチャンを払ったけど、ドラの9p切って受け入れMAXにしても良かったかも?コレは何度観てもわからないので誰か教えて下さい。

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10巡目にドラ9pを切り立直を打った笠原プロの1人聴牌で流局。

・東4局1本場

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一盃口か七対子かな?

打西。

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嬉しすぎる7s引き。

一盃口か七対子かな!!?

打6p。

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5m引いて一応七対子の聴牌。6m単騎。

北家の客野プロが北を仕掛けてドラ表示牌の打1sなど、早そうではあるが、良さそうな単騎は全部立直する気でいます。

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いっけぇぇぇぇ!!!

七対子では無いが、4sを暗刻にして打5m。4-7mの立直。

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北ポンで聴牌していた客野プロが、カンチャン2つ鳴いて聴牌した笠原プロに、私の立直の現物の5sで2,900は3,200の放銃。

この立直棒で私は25,400点の4着目。笠原プロはコツコツと37,800点まで点棒を稼ぐ。森田ちょっとピンチ

・東4局2本場

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ドラが8mで、ここまでの対局の中では悪くない配牌が来ました。

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七対子の一向聴から6sを引いて選択。タンヤオを視野に入れて打9pとしたけど、この手がタンヤオになるには爬虫類が哺乳類に進化するくらいの年月がかかりそうなので、手牌変化考えて打6pの方が良さそう。七対子ルートを残してドラの8mでもいいかも。

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爬虫類は哺乳類に進化しました(タンヤオになりました)。

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しかしそこまで手は進まず、6巡目に9pじゃなく6pを切っていれば14巡目に聴牌していましたが、流局間際にやっとの思いで聴牌。

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片和了りの聴牌仕掛けを入れていた笠原プロと私の2人聴牌で流局。

・東4局3本場

ちょっと笠原プロ親番長くないですか??

そう思いながら配牌を取る。

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結構良いじゃないの!!

中1枚目からでも仕掛ける気満々です。

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混一色か小三元かって所でドラ面子完成。

小三元の可能性は残して打8p。

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すぐに白が鳴けて1-4p聴牌。

結構和了れそうだなーって思ってた1-4pは山に4枚。

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全部吸収されて、荒プロ・客野プロ・私の3人聴牌。

家に帰ってから、客野プロが効率落としてまで4p止めて重ねて聴牌しているのを観て震えました

これは凄かった。

・南1局4本場

一度も和了できないまま南入。

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まだまだ僅差なので焦ってはいませんが、中々手が入りません。

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8巡目に客野プロから立直が入るも、こちらはまだこの有様。ドラ引きと123の三色だけ逃さない様にとか思っていたけど撤退です。手牌構成に他家の安全牌が多かったので変に安全牌かかえたりはしませんでしたがオリ切れそうです。

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客野プロの立直後に間4sを仕掛けて聴牌した笠原プロの500-1,000は900-1,400+供託1のツモ和了。でかい。

・南2局

1回戦目最後の親番が回ってきました。

ここでなんとかひと和了りして下位争いから抜け出し、あわよくばトップまで迫りたい。

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渾身のサイコロ振りからの…

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……いいじゃないの☺️☺️

三色まで視野に入れて、役牌の白から切り出し。

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2枚枯れの間7sは聴牌とは言いません。

打8s聴牌外しで、567の三色か萬子の多面待ちへの変化をみる。

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オラァぁぁぁぁ!!!!立直ぃぃぃぃぃ!!!!(9mフリテン)

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しっかりカメラ目線の6mをキャッチ。裏ドラは乗らず1,300allで本日初和了。めでたい。

・南2局1本場

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連荘しての親番1本場、配牌は26点くらい。

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8s9sが対子になるも、上家の荒プロが第一打7sから全部ツモ切り。絶対早いやつやん。

三元牌を残しながら受け気味の打6p。

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11巡目、荒プロからの手出し5s。もうこの6sとか無闇に切れる牌ではありません。2枚枯れの中を選択。

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14巡目に荒プロから立直が飛んできたが、發を引き入れて四暗刻の一向聴。

四暗刻一向聴とは言え、9p8s9sはそれぞれ1枚ずつ河に置いてあるので押してもあまり成就しなさそう。荒プロの河には8pが置かれている+自身で3p暗刻なのでワンチャンスの5pは比較的押しやすいが、6sまで押すのは見合ってないので打9pで迂回。

伝説効率なんて知らん。勝つ為に夢は見ません。

5p押しちゃうとポン聴取って6s切るケースが一気に増えるので。ちなみに荒プロは1-4-5p待ち。

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5pが重なり、6sが通ったので9sをポンして聴牌をとる。

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次巡5pツモ。対々和・三暗刻・役牌、4,000allの一本場で4,100all。嬉しすぎる和了。

・南2局2本場

ちょっと森田プロ親番長いですね。髪も長いけど。

まだまだ頑張ります。

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一躍トップ目の森田、678の三色が見えるまぁまぁな配牌。形だけ見ると28点くらいだけど、三色補正で39点くらい。

一枚しかない字牌の西切り。

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ドラの2mを引いて……タンヤオかなぁ。間5pの受け入れが無くなるけど打1p。

もう一枚ドラ2m引いて、仕掛けてもタンヤオ三色ドラドラの満貫ルートを残したい。

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8巡目に笠原プロから立直を受けてこの形。9mを安全牌と入れ替えていてよかった。撤退です。

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上家の荒プロが筋の8p、ワンチャンスの9mと切ってきている。

押しているか手詰まっているかのどちらかなので、ドラが対子になったとは言え現物を増やさない+荒プロのケアもしながらベタオリ。索子と萬子の2プッシュはキツいです。

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手詰まっていた荒プロから8sが打ち出されて、笠原プロ3,900は4,500の出和了。

・南3局

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あまり無理はしたくないけど局消化はしたい南3局。

ある程度まとまった手牌なので、僅差の2着目につけている南家の笠原プロに鳴かれる前にダブ南をリリース。

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しかし無情にも笠原プロから4巡目立直。

撤退だぁぁぁぁぁ🏃‍♂️🏃‍♂️

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仕掛けて12,000の聴牌を入れた客野プロから3sの出和了り。

なんと裏裏で8,000点。ぐぬぬ。

・南4局

トップを捲られ、迎えたオーラス。

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3,400点差なので、トップまで700-1,300か3,900って所に中暗刻🀄️🀄️🀄️

3着に落ちる事はほとんどないので、結構頑張る予定です。

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8巡目に笠原プロから立直。4sが早いので頑張って3sをプッシュして一向聴。

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9pはなぁ………。ドラまたぎの牌で平和などを放銃すると、立直・平和・ドラ・裏の12,000とかになりかねないので、ここは一旦回って打1m。

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タンヤオドラ3の5-6-7-8pの聴牌をした荒プロの立直宣言牌の3pで笠原プロの3,900の和了。ぐぬぬ。

・南4局1本場

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7,300点差となり、満貫級の手が欲しい森田に役牌とドラの対子が訪れる…!!!

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白を暗刻にして打3m。

役牌をもう一種類重ねて、仕掛けても満貫にする予定だったが、これは流石に字牌を切った方が良さそう。一枚枯れの西切って目一杯に行けよ森田。

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そうこうしている内に、下家の客野プロの捨て牌がヤバい感じに。明らかな変則手で、トイトイか索子の混一色模様。

しかしこの一向聴はもう全部行きます。南と發は共に一枚枯れ。打南。

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客野プロに南をポンされたが、7sをプッシュ。跳満打っても2着だしな!!行け行け森田!!!

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この7sも客野プロからポンが入るが、代わりに打ち出されたドラの4sに森田が元気よくポン!!!

打發。

4-7mで8,000点の聴牌。

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役ありの聴牌となった荒プロから7mを出和了り。8,000は8,300の和了で再逆転のトップで一回戦終了。


・最後に

このトップはめちゃくちゃ嬉しかったです。

麻雀打ってて今までで、一番嬉しかった。

麻雀好きで、私が幼い頃からMONDOなどの対局番組をよく観戦していた父。

その頃からよくお見かけしていた荒正義プロ。

幼い頃から漠然と「カッコイイ人達だなぁ」といった憧れを抱いていたこの舞台で、レジェンドと言われるプロと同卓してのトップ。

1半荘の勝負なら誰もが勝つ事も負ける事もあるのが麻雀ですが。

なんならこのリードを得た後の3半荘で、私は敗退しました。

勝ち上がった客野プロと笠原プロには、決勝でも頑張って欲しいです。本当に強かったです。


-----反省点は腐るほどあります。

普段赤アリ麻雀や東風の麻雀を打っている事もあり、相手の速度感を誤認して手を狭めた場面も沢山ありました。

手順をミスって、より高い手を和了れるチャンスも不意にしました。

それでも、自分を信じて、最後の最後まで勝ち抜ける為に麻雀を打ちました。

結局敗退した私でしたが、やはり特にこの最初の1半荘は、一生忘れられない、かけがえの無いない対局になりました。

2・3・4回戦も沢山書きたい事はあります。

見返してみたら、10巡目に山に8枚いるリャンメン待ち聴牌をしたのに、流局間際に跳満をツモられた局面なんてのもありました。

10巡目に単純リャンメンが8枚山なんて、しかもそれが和了れないなんて。

でもそれが麻雀です。

私の挑戦はまだ始まったばかりです。

このWRCリーグにまた挑戦したいし、他のタイトル戦や全てのプロ対局、更には毎月200半荘打っている全ての麻雀において、これまで以上の熱意を持って挑んでいきたいと思います。

最後になりますが、藤島プロ・優月プロの御二方の実況と解説、様々な思考を拾っていただき、ありがとうございます。

そして、対局をご覧いただいたファンの皆様、本当にありがとうございます。

皆様のおかげで私達麻雀プロは活動をする事ができています。

私自身もっと精進し、皆様に、感動や明日への活力を与えられる打ち手になりたいと思います。いや、近い内に必ずなります。


今後とも宜しくお願い致します。

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