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地図を片手に、自分の宝を探しに行こう -「コミュニティFMラジオ局アニラジ番組表」のお話-

 今年もやってきた、春の改編期。ご多分に漏れず、様々な番組が終わりたくさんの番組が始まる季節となりました。
 ずっと聴いている番組が今でも放送されている一方で、かつて聴いていた番組が今や記憶の向こう側ということもあったり、番組表を作っていると悲喜こもごもという言葉を思い出します。

 今年で「コミュニティFMラジオ局アニラジ番組表」を開設して3年。さらにその前の2017年頃から「南澤まひろ」名義でのTwitterアカウント側でも新しく発見した番組などを呟いていましたが、改めてBlogとして開設して3年が経過し、今回からHTMLリスト形式の番組表・Twitterタイムライン方式の時報に加えて「PDFファイル形式のタイムライン型番組表」を公開してみることにしました。

2023年版の2代目PDF版番組表の土曜日ページ。同時間帯で最大5番組まで表示可能に。
(クリックすると、直接PDF版へと飛ぶことが出来ます)

 各種ラジオ局で公開しているPDF形式の番組表に近い形になったものの、最大で同じ時間帯に6番組ほど放送していることもあり、通常の1週間分1ページではなく1日1ページにせざるを得なくなってしまいましたが、これまでのリスト形式とは異なり、視覚的に「この時間帯にはこの番組が放送されている」のがわかりやすくなってのではないかと思われます。

 これまでも何度かチャレンジしていたものの、先述の情報量的な問題もあって挫折していたのに今回どうして制作にこぎつけようとしたのか。今回は「番組表」についての軽い想い出も含めて記していきたいと思います。

■ 番組表は「宝の地図」

 アニラジが始まってラジオを意識して聴くようになった1993年。当時近所にあった書店では、春と秋になるとたくさんの「ラジオの番組表」が掲載されていた冊子が販売されていました。これは三才ブックスさんが発行している、そのものズバリ「ラジオ番組表」で、春秋の大きな改編期になると全国のAM/FMラジオ局の番組表をまとめているものです。

 埼玉住みでありながらもアニラジ番組に惹かれて兵庫県のラジオ関西を聴くようになり、他にもアニラジ番組はないのかと買って開いてみると、あるわあるわ、北は北海道から南は沖縄までたくさんのラジオ局の番組表。一局一局が全然違うデザインで、新番組やイチオシの番組などが視覚的にわかりやすく、どの局もリスナーに「番組表を見て、興味を持ってもらって、聴いてもらう」ことを意識した作りになっていました。

 ただ、アニラジ番組自体はまだ黎明期の1993年ということもあって数は少なく、文化放送以外では扱いも大きいものではなかったので探すのに一苦労。まさに、宝探しをしているかのような気分であり、アニメ「魔神英雄伝ワタル」で渡部クラマ役を演じられていた、山寺宏一さんが千葉県のbayfmで「オール電リク TOKYO BAY LINE 7300」(※1)を担当していることを知って聴くようになりました。その一方で、KBS京都で日高のり子さんと冨永みーなさんが担当されていた夜ワイド番組「はいぱぁナイト」(※2)を見つけても、東京の文化放送と周波数が隣接していることもあって、聴くことが出来ず悔しい思いをしたなんてこともあったり。

 時が流れてインターネット時代になり、テキストで作れば済むようになってからも、紙形式の番組表は引き続き各局で発行されていて、デジタル化しても画像ファイルやPDFファイルとして公開されています。それはコミュニティFMのラジオ局でも変わらず、季節ごとの「顔見せ」や「お披露目」のような意味合いを持っているのでしょう。

■局が多い故の、探すことの難しさ。それでも……

 自分が「もとラジ!」(※3)の「THE IDOLM@STER クリスマス曲特集」をきっかけとしてコミュニティFMのアニラジ番組を探し始めた2013年当初は「そんなにないのかな」と思っていたのですが、後に「全国アニラジ番組表」さんで公開されているコミュニティFMの番組表を見たところ、あるわあるわ、アニラジの数々。さらに、「コミュニテイFM大図鑑」さんで公開されている全局リストで各局へ飛んでみるともっと存在することがわかりました。

「これだけあると、全部の番組を網羅するのは難しいよな……」

 そう思いながらも、あまりもの数の多さに尻込みしてしまい触れることは出来ずにいて数年が経過。その頃、執筆していた小説内に登場する架空のコミュニティFMラジオ局の番組表を作る必要が出てきて「どうせだったら、実際のコミュニティFM版のアニラジ番組表も作ってしまおう」と手がけ始めた……のですが、

2017年に作った初代PDF版番組表。「目に優しく緑色で」と作った結果、とっちらかることに……

「同時間帯に放送されている番組が多い」「放送されている時間に偏りがある」「放送時間と番組名以外の情報を取捨選択する必要がある」と四苦八苦。ご覧のとおりデザインを含めて非常にゴチャついた番組表となり、表に出せるものではなく挫折してしまいました。

 それでも番組表を諦めることは出来ず、2020年4月には公開していない一部の局を除いたほぼ全局の番組表を再度巡回して、HTML版を作成して公開。以来改編期ごとに更新を続け、Twitterの時報型番組表を公開。そして今回、デザイン等を見直したPDF版の公開へとこぎ着けたのです。

 番組表づくりをどうしても諦めきれなかったのは、コミュニティFMで放送されていた好きなアニラジ番組がひっそりと終わってしまったから。好きなアニメなどを語られていたり、ラジオドラマや朗読などもあってバラエティ豊かだったのが、突然の放送終了。もちろんパーソナリティさんや放送局の事情もあるとは思うのですが「もっとたくさんの人が知って聴いていれば、もっと続いてたのでは」という後悔をどうしても拭い去ることが出来ませんでした。

 コミュニティFMの番組は、どうしても放送局の持つ性質や規模からして「地元密着型」で広げるにもなかなか難しいところがあり、少し前には「コミュニティFMのアニラジ番組はどれもUSEN440で放送されているものの再送出」と誤解されているツイートを見かけたこともありました。そんな中で「どうにかして『こういう番組がある』って知る機会を広げることは出来ないか」と思い、今日へと至った次第です。

 もしかしたら、全部は確認しきれていないかもしれません。もしかしたら、アニラジ番組とは違う番組もあるのかもしれません。それでも不定期的にアニメの話題を扱っていたり、パーソナリティさん・スタッフさんの趣味としてアニメソングを集中的に流していたりしたら、それを特徴として放送しているとも判断して「アニラジ」として掲載させていただいています。

 まだ作り始めたばかりなので至らない点もあるとは思いますが、この番組表をきっかけとして好き番組に出会えることが出来たらいいなと。また、もし「こうしたほうがいいのでは」など御意見などがありましたら、お教えいただけますと幸いです。

※1「オール電リク TOKYO BAY LINE 7300」
 1991年4月から千葉県の県域FM局・bayfmで月~金曜日に放送されていた、電話リクエストを中心とした音楽番組。「BAY LINE 7300」としては2009年3月で幕を閉じ。以降「BAY LINE GO!GO!」「The BAY☆LINE」と引き継がれ、2022年3月に終了。
 放送開始当初から2020年3月まで水曜日を担当されていた山寺宏一さん(「バズーカ山寺」名義)自身が「GAP SYSTEM」というコント+ボーカルCDシリーズを出されていたこともあり、CD発売前後にはよく山寺さんの曲がかかっていました。
 また、「BAY LINE 7300」時代には松風雅也さん、「BAY LINE GO!GO!」「The BAY☆LINE」時代には森久保祥太郎さんもパーソナリティを担当されていました。

※2「はいぱぁナイト」
 1989年4月から1996年3月まで京都府の県域AM局・KBS京都放送で放送されていた、夜ワイド番組。放送開始当初から1994年3月まで冨永みーなさん、1989年10月から放送終了まで日高のり子さん、1994年4月から1995年3月まで山寺宏一さんがパーソナリティを担当されていました。本文中のとおり、関東からは周波数の関係上どうしても聴くことが出来ず……
 日高さんはその後、後番組の「ハイヤングKYOTO」でも1997年9素月まで番組を担当されていました。

※3「もとラジ!」
 2011年11から神奈川県小田原市のコミュニティFM局「FMおだわら」で放送されているアニメソング中心の番組。基本的にトーク少なめ、曲多めで30分可能な限り、作品やアーティストなどをテーマにしてみっちりと楽曲をかけるのが特徴で「TIGER & BUNNY」「THE IDOLM@STER」「遊佐浩二さん」「渡部チェルさん(作曲家)」などの特集が恒例になっていたり。
 時々「ずっと同じ楽曲のバージョン違いをかけ続ける」というユニークな特集もあり、30分間「ハッピー☆マテリアル」(アニメ「魔法先生ネギま!」第1期OP)、30分間「生存本能ヴァルキュリア」(ゲーム「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT STAGE」プレイアブル楽曲)をかけ続けた時には、Twitterのタイムラインが非常に湧いていました。


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