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技術系派遣社員の戦い方

ここでの「派遣」は、派遣会社に「登録」している人じゃなく、「正社員」として雇用されている「技術系の職種」の人を指す。その戦い方について、少し書いていこうと思う。

戦うとは

戦うとは何に対して、どういう勝利を指すのか?であるが、上位概念で翻訳すると、所属の会社に貢献するということであり、そのためには他者より秀でて売上を上げ、それができれば権限を持てて(出世)、さらに大きく会社を動かしていけるための戦い方である。これを前提に書いていく。

上記以外に、派遣先(大手企業)の正社員になる、引き抜かれる、というサクセスストーリーを指す人もいると思う。今回はそれには触れないが、数パーセントのレベルで居るのは間違いない。それには的のど真ん中を射抜くような戦略があることに加え、技術力とコミュニケーション力が、派遣先の会社の正社員以上にある人、とだけ伝えておこう。

成果を上げる

出世には、基本は成果(売り上げ)だ、と思う。なので技術系で出世はやや難しい、金額だけで言うと営業の方がイージーな業界なのだ。
請求単価(自分の時給)を上げる活動をやる(数値化して説明できる)ことから、派遣先企業の上位層の困りごとを聞いて対応し、チーム化・請負化して業務拡大していくことが挙げられる。

つまり、個人のレベルアップからチームで売り上げ総数を上げていく、ということだ。一人で技術を磨き、特許やDXによるコスト大幅減の功績もあっても、継続して売り上げを作れる状況になることが条件となる。個人の技術力を上げる、つまり請求単価を上げるだけでは、頭打ちになるということだ。
もちろん業界によっては、請求単価が1万円を軽々超えるプロフェッショナルとして存在することもできるし、それを目指してもよい。派遣会社(自社)で出世する以外に、自分のキャリア(独立や転職を含む)が明確にあって、組織にもある程度貢献できていれば出世は重要ではない、という層もいると思う。

話を元に戻して、派遣会社の普通のステップだと、客から任せられる仕事の量や領域を増やし、下を育成することから始まる。さらに人やお金を動かせるようになるには、複数の部下を見る役職付きへのルートを、まずは自分の会社で調べよう。

部下育成以外の筋力

自社貢献が売り上げ+部下育成だが、仕事は基本客先なので、その客先の政治にもかかわらざるを得ない。顧客折衝(無理を押し返す力、上位者との情報収集、関連会社との調整なども含む)、営業力(顧客事業の理解と伴走・提案力)も重要な要素ともなる。

単独派遣であれば、自社のリーダー陣の働きぶりを近くであまり見れないので、よくわからん!と思う人は、自らイベントなどに参加して情報収集することも頭に入れておいた方がよい。

言い方がよくないが、体力勝負のどぶ板っぽいことや、情報収集のために靴をぺろぺろすることもある。あなたが、その時切れるカードならば、やればいい。(なんか見た。出世に執着する人たちはどこでもいるのだ。)

自社以外に客先もなんて、やることいっぱいやん!とか、逆にウチとそんな変わらんわ!と思われるかもだが、派遣業でそこそこまでくれば、自分の会社のように「人を雇って増やして稼ぐ」「全ステークホルダーとの付き合い方」などの1から10までを、お給料もらいながらできるともいえる。

この業界の出世街道をどう見るかは、あなたのキャリア次第だ。

上手くいかないこともある

とはいえ配属される会社やチームのガチャはある。(それを避けるには、入る前のリサーチや準備が必須で、その理由はこちらに書いてある)

チーム化できるような仕事がじゃんじゃんある業務じゃないよ!とか、景気やトレンドの状況とか、年齢とか色んな条件があるよ!という意見もある。また、ようやくチーム化できても、顧客の無茶ぶりや、部下の内乱が起こったり、エース社員の転職や引き抜き、やっと迎え入れた人が急に来なくなったりもあるのだ。プロジェクトの終了や、会社の合併や統廃合もあるだろう。
派遣は自分のコントロール下に無いことが多い。上記のような泣きっ面に蜂のような時は、不確定要素を味方につける思考や、中・長期目線を持つなどの「なんとかなるやろ」的な図太さがあるといい。

最後に

派遣社員の出世には、普通の会社の戦い方とは違った筋力がいるよ、ということと、色んなことを経験できるので面白いかもね、ということを書いてみた。まぁ、事業の上流じゃないところから、野心を持って売上作るだけでも大変だが、なんだかんだ言って最後は人間力(巻き込み力+慕われ力+包容力)なのかなとは思う。

普通の企業の社員の地獄もあるが、派遣業の地獄もあるし、その逆もある。つい比較して羨んだり、あるべき姿を見間違えたりしちゃうが、所属の違いでやるべきことや戦い方が違うのだ。その中で、キャリアと経験を作る思考が重要に思う。

何度も言うが、気軽に何らかの仕事を斡旋してくれるだろう、という考えだけで派遣業界に入るのはやめた方がいい。あなたのキャリアに沿って、リサーチと戦略を少しでも立てて行動することが、盾にも槍にもなることを忘れないでほしい。

そんな中で派遣を選んだのなら、なんだかなと思うことも、独特な戦い方も、いい経験に変えていってほしい。

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