本格的に病む前に異動するためのテクニック

昔、同じ課の人が、配属されて3か月で鬱で出勤できなくなって、代わりに私がそこに配属された。その係だけ別の階にいて、その階には他の職員が誰もいないという特殊な環境で、しかもメンバーも癖のある人が多く、これはあの人が病んだのもわかるなとすぐに思った。「異動させてほしい」と訴え続けても異動できず、とうとう病んで、涙がボロボロ出て止まらなくなったり、毎日頭が重くて辛い状態で、家から出かけられない日も出てきた。
ある日、課長との面談の中で、「メンタルクリニックに通って薬を飲んでいます」と言ったら、初めて課長が何かメモして、直後に異動になった。

配属されてから異動するまで、どのぐらいだったのだろうと記録を見たら、2年半。
結構早くから異動を希望していたはずなのにひどすぎる…。
この年月の長さを見て、あの当時私がもっと強く訴え続ければ、何とかなったのだろうか、自分の訴え方が足りなかったのだろうかと、自分を責める気持ちになった。
当時の私は今よりもずっと遠慮深かった。どのぐらいの言い方をしていたのかわからない。でも無理だという事は言っていたはず。私としては、精いっぱいの対応をしていた。それを今から責めてもどうにもならない。

<あの頃の私に教えたい事>
本格的に病んでからでは遅いので、そうなる前に誇張してでも訴えること。メンタルの状況は浮き沈みがあるので、元気な時に面談をすると、苦痛を訴える事が嘘を言っているように思えるかもしれない。でもそんな心配は無用だ。家でボロボロ泣いている時のメンタルは、元気に職場で話している時とは違って当たり前。そして、必要なのは正確に状況を伝える事ではない。なんとしてでもその環境から逃げる事なのだ。
・本格的に病んでからでは遅いので、誇張して辛さを訴える・休む日を意図的に増やして、課長に「病休者が出るかも」と危機感を感じさせる・メンタルクリニックに早めに行って、課長にアピール。薬は飲まなくて良い。
・カウンセリングで相談する。・異動が必要だという診断書を書いてもらう
・メンタルクリニック1軒目が、病休に消極的で「病休になるのは物理的に出勤できなくなった時」と言われた。(後に別の心療内科で話したら、「それは昭和の精神科の考え方で、今はそんな事をしていたら自殺を防げないので、早めに病休を取らせるのが普通だ」と言われた。当時はそうとは知らず、その病院に通い続けていたが、精神科こそ複数の病院に行くのが大事。ただし、病院を変えると言うと、前の病院で書類を書いてもらわないといけなくて、その見立てに次の病院の医師が引きずられてしまう。だから前の病院には何も言わずに、普通の初診で行くのが良い。)
この工夫をすれば、本格的に病む前に逃げられた。
あの時の私と同じ思いをしている人がいたら、伝えたい。

今私は当時の自分がこのように対処できなかった事を責める気持ちになっている。辛い。でも、こんな知識が当時の私にあるはずがない。その後の苦労の中で知ってきた事だから。当時の私がそこまでできないのは当たり前。自分をいたわろう。その時できることを精いっぱいした。
当時の知識では太刀打ちできず、病んで安定剤メイラックスを飲むことになったし、それをやめる時の離脱作用で、その後対人緊張に悩まされたりもした。辛かったね、私。今みたいな知識がない中で、よくがんばったよ。

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