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夫への怒りのポイントカードを精算した話

こんにちは、京野です。

今回は私が夫に対する怒りのポイントカードを精算したお話です。

スクリーンタイムがやばい

最近、私のスクリーンタイムがまずいことになっている。
このところ常時スマホのスクリーンを見ている自分には気付いていた。

先日夫に「最近スマホ見過ぎじゃない?」と指摘され、さらに「スクリーンタイム確認してみたら?」と畳み掛けられ、逃げ場を失った私は恐る恐るスクリーンタイムを確認した。

開いてみると、週の平均9時間!

平均的な就業時間を超えている。私は絶句した。

気付いてはいたけど、こうやって数字で事実を突きつけられると言い訳できない。

しかしこのとき、夫に何か言い返さないと気がすまない自分を発見した
事実としてスクリーンタイムがやばい私がいるのだけど、同時に怒っている自分がいることに気づいたのである。


内省癖の落とし穴

ところで私は、人とのコミュニケーションにおいて悲しいことや嫌なことがあったとき、それを一度持ち帰って内省する癖がある。

自分の感情を一度持ち帰って冷静に分析し、自分に問題があるなと思えば反省し、相手を巻き込んで再発防止策を打つ必要があるなら再度ディスカッションを申し込む。ずっとそうやってきた。

その場で怒りに任せて相手に言葉を浴びせるのは危険だと思っているし、泣いたからと言って何かが解決するわけじゃない。
心の奥底に、世間でよくある「これだから女は感情論で物を言う」という決めつけに反論したい気持ちもあった。

確かに、自分の感情をすぐに表に出さず持ち帰れば、その場で怒りに任せて喧嘩にならずに済む。感情論で相手を罵倒して後悔することもない。

しかし気持ちを持ち帰って冷静に分析して、後日相手に話を持ちかけた頃には、相手が「そんなことあったけ」とピンとこないという場合もある。

感情の波が来たとき、咄嗟に蓋をして自分の感情を悟られないように注意を払うので、相手にはそのとき起こった問題が見えにくいためだ。


過去の怒り

その日も夫にスクリーンタイムを指摘されたときの感情を持ち帰り、一人で考えていた。この気持はなんだろう、と。

そしてふと、私は過去に持ち帰った怒りを持ち出しているのだと気づいた。


それは、私が妊娠していた2018年の話だ。

破水して病院に向かい、そのまま出産入院となったとき、出産に立ち会う予定だった夫は病室でずっとスマホの画面を見ていた。

夫が出産に立ち会っているのは事実。確かに目の前にいらっしゃる。どうせ生まれるまで暇なんだから何をしていても同じ。理屈はそうだ。

だけど初めての出産で不安でいっぱいな私の気持ちにもっと寄り添ってもらいたかった。

バランスボールの上で前駆陣痛をやり過ごしながら、私はただただ悲しかった。

その後、結局本陣痛が来るまで丸一日かかり、夫は会社を休んで立ち会いを続けてくれた。表面上は。
しかし実際はずっとスマホを触っており、私が「休めば」と言っても眠らず(漫画を読んでいた)、いざ陣痛が来たときには起きてこなかった。


私はこのことをずっと根に持っているのだと気付いた。

過去にスマホをずっと見ていて私の気持ちを踏みにじった夫に、私のスマホのスクリーンタイムについてとやかく言われたくない、と感じたのだ。


夫婦の暗黒期の予感

このとき思い出したのがこの記事である。

いや、この記事を読んでいたからこそ、自分の怒りを認識することができたと言ったほうが正しいかもしれない。

これまで私は、人に対して怒りを感じてはいけないと思っていた。
怒るのは自分の心が狭いから、自分に欠陥があるから、と帰着させていた。

けれど彼女の記事を読んでから、自分の怒りを認めてあげることはとても重要なことに思えた。

そして夫婦間の小さな怒りを放っておいてはいけないと思った。
そのときにはやり過ごせるかもしれない小さな違和感を蓄積させてはいけない、と。


気づけば件の記事のリンクを夫に送信していた。

ふと、隣に立つ夫に対して、自分がなんの感情も抱いていないことに気づいた。
愛情があるわけでもなかった。憎悪を抱いているわけでもなかった。
ただ、無感情だった。
心が動かないのだ。
息子の父親。育児のパートナー。
夫はそういう存在ではあったし、実際に助けられていた。
だが、夫個人への感情は、すっかり抜け落ちてしまっていた。
もしも今、自分に特定のパートナーがいなかったとして。
夫に何か特別な感情を抱くかと言われれば、否、だった。

私は、夫に対して無感情になることを恐れていた。


気持ちを打ち明けてみた

夫は「どういうこと?」と聞いてきた。

私は思い切って、その日のうちに自分の気持ちを打ち明けてみた。

スクリーンタイムのことを言われた時、不愉快な気持ちになったこと。
それは過去のことを根に持って怒っているからなのだということ。

案の定、夫は過去の話に「そうだったっけ」と首を傾げたが、その時のことを謝ってくれた。

さらに私はスマホを見てしまう背景を慮ってほしかったのだということを伝えた。

これまでスマホを見る暇なんてなかった、ずっと自分の時間なんてほとんどなかった。
それが息子が1歳を過ぎて、最近少しずつ自分の時間が取れるようになってきて嬉しいのだということ。
母親コミュニティに参加したり、アウトプットしたいのだということ。
毎日ワンオペで何かをしていないと不安な気持ちも分かって欲しいのだということ。

スクリーンタイムのことを頭ごなしに責めるのではなく「毎日育児大変だよね、自分の時間欲しいよね、不安でスマホで何か情報収集したくなる気持ち分かるよ」と寄り添ってほしかったのだ。


女の怒りはポイントカード式

誰かが「女の怒りはポイントカード式」だと言った。
怒りを溜め続けて最後の一押しで爆発する。けれど相手はなぜそのひとつのことでそんなに怒っているのか分からない、という話。

私は今回、過去の怒りに気付いてそれを打ち明けることで怒りのポイントカードを精算することができた。

今回私は、このまま怒りを溜め続けていたら、きっと別の形で仕返しをしてしまい、相手にはその理由が伝わらず関係が拗れて夫婦の暗黒期に突入する予感があった。

夫にはその場で気づけないこともあるから、悲しいことや嫌なことがあったらなるべくその場で教えて欲しいと言われた。


鉄は熱いうちに打て

私は先に書いたように、悲しいことや嫌なことがあったとき、自分の感情に咄嗟に蓋をしてきた。

しかし今回のことで、相手によっては悲しい気持ちになったよ、不快な気持ちになったよ、ということをその場で伝えても良いんじゃないかと思った。

これはなにも感情的になるということではなく、自分の気持ちを冷静に伝える行為だ。

特に、夫婦や家族など信頼できる相手には、その気持ちがそこにあるうちに精算する方が良いのではないかと思ったりしている。

毎日顔を合わせる相手なので早く問題を解決した方が精神的に健全だし、時間が経ってから記憶ベースで話を進めると厄介なこともあるからだ。

夫のように、あとで言われてもいまいちピンとこない場合もあるし、そもそも人間は都合の良いことしか覚えていないので、言った言わない論争になりやすい。

<すぐに感情を共有するメリット>
・早く解決できる
・事実関係の誤解が生じにくい

相手に自分の気持を伝えることはとても勇気のいることだけど、私は今回取り返しがつかなくなる前に怒りのポイントカードを精算できて良かったと思っている。

(スクリーンタイムは減らしたいと思います。)


では、また。


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