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会社員のストックビジネス的な働き方について考える

ちきりんさんが Voicy を始められたということで聴いてみたところ、「ストックビジネス」について語られていまして、その内容が個人的に大変興味深いな〜と思ったので今回はこの話から考えたことを書いてみたいと思います。


ストックというのは溜めておくっていうことなので、コンテンツビジネスっていうのはつまり、自分のコンテンツを資産として蓄積して、そこになんらかの付加価値をつけてビジネスをするっていうことです。

たとえば、アフィリエイトブログを整備して過去の同じ記事から何度も同じ商品が売れるように設計する、なんていうのはストックビジネスで、私も今はほとんど更新していないブログから、今も定期的にものが売れていたりします。

一度記事を書いたらそのコンテンツが勝手に稼いでくれるモデルはとても生産性が高いですよね。

その反対がフローで、日々流れていくものを指します。
典型的なのが Twitter で、ほとんどの人が日々最新の情報を垂れ流しているだけで、過去の自分のツイートを蓄積データとして意識している人ってほとんどいないと思います。

だけどちきりんさんは Twitter さえストックとして捉えていると言うからちょっとびっくりしました。
なるほど、どんなコンテンツも自分の捉え方次第なのかもしれません。


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ちきりんさんは、個人のコンテンツビジネスについてお話されていたのですが、これは会社員の働き方としても応用することができると思います。


ストックビジネスと聞いて私が最初に思い出したのが、10年以上前、今の会社に入社したときに言われたことです。

それは、

一度やったことはアセットにして手放せ
同じことをせず常に頭を使う仕事にシフトしろ

ということなんですよね。


システムの世界では日々新しい技術が生み出されています。

エンジニアは日々勉強が大変といえますが、逆に新しい分野はちょっと勉強すればすぐに第一人者になることができたりもします。


会社には部門ごとに予算というものがあって、社員はその予算を使って技術研修を受けることができるわけですが、全員が受けられるだけの余裕はありません。

そこで会社は、概して若くて優秀な社員に、これから流行りそうな技術、あるいは既に案件として持ち上がっている新しい技術の研修に行かせます。
「研修で学んだ技術で、新しい案件をリードしてくれよ!」という期待を込めて。

そして、研修を受けさせてもらった社員は、研修で学んだ技術を使ってプロジェクトを遂行します。

「初案件」というのは、業界で注目されていたりもしてプレッシャーも大きいです。そしてだいたい問題がつきもので、本当にいろいろなトラブルが発生します。

それでもなんとかサービスインを迎えプロジェクトが完遂すると、その時点でひとつの「型」ができます。

それが「成功事例」というやつです。


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私が勤めている会社では「アセット開発」が盛んです。
初案件の「成功事例」ができると、それをアセットとして開発し、登録しておきます。

アセットというのは、「この型ならうまくいく!」というパッケージのようなものです。
いわゆる雛形を作ってコピーを横展開できるようにするわけです。
しかもこの雛形を使えば失敗しないはずだよ、というお墨付き。

システムの世界でいうと、パラメーターシートやプログラム、構成図、設計時の考慮点などを資料としてまとめたものがこれにあたります。
これを社内の有識者のレビューを受けて「アセット」として社員誰もが見られる場所に登録しておくんです。

次に同じような案件を担当する人はこのアセットを参照することができ、初案件で遭遇した失敗を回避することができます。

このように、うちの会社ではさまざまな事例を「アセットとして登録して社員で共有しよう」という文化が染み付いています。


このように「社員にアセット文化が染み付いている」ということを会社全体で見てみるとどうでしょう。

優秀な社員にアセットを開発させ、ぶっちゃけあまり優秀でない社員や新人にその型を横展開させる。
優秀な社員はアセット開発をしたらさっさとその案件を離れ、次の新しい技術を習得する。

こういうサイクルが回っているわけですが、これってアセットに働いてもらう、つまり、会社全体としてストックビジネスをしているといえます。


これはどういうことかというと、うちの会社で活躍しようと思ったら、誰かが作ったアセットで案件を回す人ではなく、アセット開発をする側の人間にならないといけないということなんですね。

なぜなら、それが会社にとって価値のある人間だからです。

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