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「桃山天下人の100年」展 東京国立博物館

雨降る土曜日の夜、東博の「桃山天下人の100年」展に出掛けた。

同時代を彩る200点余の出品物の中、見入ったのは等伯の国宝≪楓図壁貼付≫(10年前やはり東博の「没後400年長谷川等伯」展でも見たはずだけど)。中央に楓、向かって右には濃密な秋草、同左には一転金箔の空間と、この画面処理、緻密綿密な計算に基づいているんだろう、それでいて見る者の気持ちをスッと動かす。これぞプロ。

能登から上洛して保守本流の狩野永徳の向こうを張り、桃山画壇の雄に昇り詰めた等伯、サラリーマン的にも興味深いキャリア展開(永徳の国宝《檜図屏風》が等伯の10m手前に展示されていて、文字通りライバルしのぎをけずるの感)。

とまあ、久し振りに日本美術を楽しんだけれど、自国の美術を見るのに1人2,400円の入場料、お土産物屋さんのようなミュージアムショップ、少し的外れな感染対策等々、運営の方はもう少し工夫があってもと思った次第(すみません)。

上野の東京国立博物館で、11月29日まで。日時事前予約制です。展示期間が8つに分かれ出品作品が入れ替わります。