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<経営変革①・・・今こそ「組織図」と「予算」を見直してみると、「企業体質」が変わるかも!!>

(はじめに)
「経営変革」テーマで書こうとすると、どうしても「重く・べき論」的になってしまうのが僕の悪いクセなので、できるだけ体験ふまえて書いてみることにします。(ただ、そもそもこういう時期にこの手のネタばかりでは、つまんないなと思ったりもしています。でも、書き始めたからにはちゃんと書きます。苦笑)

今日のテーマをズバリ一言で書くと:
僕の経験からいくと、業績がイマイチだったり、どんよりした会社は大体の場合「組織図と予算」がブラックボックス化している、あるいは複雑でわかりにくいという特徴があります。
ということです。

アフターコロナで企業変革が求められる中、何をどう変えればいいのか?
その意基本となるのは何か?ヒントになれば幸いです。

(組織図について)
「組織図は会社の体質を表すスケッチである」と感じるようになったのは、
上場目指し始めたころに幹事証券会社の方々から何度も何度も口酸っぱく言われたからかもしれません。

例えば、、、、、、
 ⅰ)やたらと兼務が多い (特定の人に仕事が集まっている)
 ⅱ)管理職と一般職の比率がいびつ(中小企業なのに、やたらと肩書者が
   多い)
 ⅲ)業務・仕事単位で組織が構成されず、人に仕事が紐づいている
   (これはこの人しかできないから・・・みたいなことが残っている)
 ⅳ)階層が複雑で、階層ごとの職務責任・権限が不明確になっている
 ⅴ)重点部門に人員が配置されていない(○○強化と言いながら・・苦笑)
などなど上げるときりがありません。
一番強烈に言われたのが「神村さんは、全ての兼務を外してください!!」でした。
「組織単位に責任と権限を明確にして、それを判断できる形にしてください・・・・・・」

これを言われたときに、「いったい自分は何をすればいいのか・」と戸惑うくらいでした。
最前線でやりながら、会社全体の細部にまでわたって目を行き届かせ、意思決定に関与していくのが経営者のあるべき姿だと思っていた僕にとっては、かなり衝撃的でもあり、自身の意識改革の始まりでした。

しかし、このスタイルを身につけることで、以後いろんな組織を見た時に「組織の目詰まり」とか「新陳代謝・活力のなさ」の原因が「組織図の構成」にあることがすぐにわかるようになったのです!!

なぜなら、意思決定のプロセスと機関が表され、自分の未来はこの組織図のどこにあるのか・・・・・など
社員にとって最も明快な”スケッチ”が組織図に表れているからです。
そこが曖昧であれば、活力が落ちるのは当然のことになります。

(予算について)
そして、もう一つ「会社の体質」を表すのが「予算」です。
組織図がスケッチであるとすれば、「予算は健康診断表」みたいなものと言っていいかもしれません。
身長・体重・体脂肪・血糖値・コレステロール・・・・・などなどのように、会社の内部の状態を数値で表すのが「予算」です。これはまさに会社の体質を決める大きな要素です。

30代後半の時に、徹底的に言われたのが「正しく予算を作りなさい」でした。

「正しい予算」とは何でしょう?本当に苦労しました。

★理想の形
ⅰ)正しい構成比 (利益率、人件費率など会社の大事な指標を「黄金律
  化」し全体に可視化する)
ⅱ)投資領域がはっきりわかる予算(会社の力点、未来を見せる、削られな
  い予算)
ⅲ)バッファーを持った予算(リスク予備費としてのヘッジを設ける)
★誰がどう作る
ⅰ)事業責任者が作る
ⅱ)第三四半期開始ころに作成し始め、最終四半期開始時にはほぼ原案決め
  る
ⅲ)予算作成能力を、実務遂行能力と同等評価する

この基本を順守してきちんと予算を作れるようになるまで、3年くらいはかかったか気がします。
支店長をやっているころから毎年作っていて、だんだんできるようになっていきました。

不思議なもので、きちんと予算を作ることができるようになると、業績もしっかりついてくることが分かりました。

ある意味で、僕は企業規模が小さかった段階から「組織図と予算」について徹底的に叩き込まれたこともあり、ここをきちんとすれば企業は必ず成長する、裏を返せば「成長していない企業」はここに問題があると思うようになりました。(そういう意味で、当時の創業者・上司から多くのことを学ばせていただき本当に感謝しています。)

(今日のまとめ)
●体質を変えなければ何も変わらない
組織に対する一次的なショック療法や、インセンティブ的なモチベーション・マネジメントでは会社に変化は起きても、変革は起きません
多くの経営者が間違えるのが、「体質」を変えずに「行動や思考」を変えさせようとすることです。

もし、社員に思いが行き届かない、どうも行動変革が起きない、決めた通りにならない・・・・なあと悩む経営者・リーダーがいらっしゃれば、社員を云々論ずるより、自社(組織)の組織図と予算を見直してみたほうがよいと思います。
■変えれるものがあれば間髪入れずにやればいい。(大半のものは変えらえます。変えられないと思っているのは経営者だけというケースも多々あります。)
■来年度まで・・・・・と言っているうちに企業はどんどん衰退しますから、素早く処置するのが一番いいと思いますよ。

●体質を変えるのは経営者
企業体質を決めるは経営者です。

スピード感のある会社、厳しい会社、ぬるい会社、楽しい会社、成長志向の会社、堅実な会社・・・・会社は人格と同じく個性の塊であり、千差万別です。

良し悪しの問題ではなく、ある意味で経営者自身の生き方の投影だと思うのです。「変革」は決して目的ではありません。どんな会社にしたいのかという思いを実現するための手段にすぎません。
そしてそれは、強烈なリーダーシップやパワーで推し進めなくても、
きちんとセオリー通りにやれば経営変革は意外に容易にできるものなのだと信じています。

できるかできないかではなくて、やるかやらないかの問題だと言ってもいいかもしれません。まさに、ダイエット・健康な体作りと同じではないでしょうか?
ニューノーマルな社会を迎え、企業の新しい形を作る大チャンスだからこそ、「組織図と予算」この2つを見つめ直してみてはいかがでしょうか?

(次回は「行動・思考」の変化をまとめて記します)
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