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紙面上グローバル進路相談生中継!

私立小学校を辞めてすぐに国内ボーディングスクールに進学しようと思うのですが、、、と言う相談を保護者から受けました。以下はそのやり取りです。

状況
その学校はもともと都内にある女子校。生徒数減少で法人が変わり女子校から共学になった小中高一貫校。中高は女子校の時に比べ生徒が集まり出した印象があるが、小学校はまだのようだ。
入学時の説明会では担任2人体制を取ると言われていたが、入学時17人いた先生がすでに7人も辞めて1人体制がやっとになっている。年配の先生が多く辞めて若手の先生が多くなり質が維持できるのか心配になっている。月2回実施すると言っていた土曜授業も保護者に何の説明もなく急に実施しないと連絡があった。

学校の事が不安になり、今年開校した海外系のボーディングスクールに変えようと思うのですが、いかがでしょうか?一体学校で何が起こっていると思いますか?他の私立小学校でも先生が辞める事はあるのですか?このままの状況が続いたら学校はどうなってしまうのですか?と言う相談でした。

状況の推測的解説
今回のケースで先生が辞めた主な理由
想像するに法人が変わったばかりと言う事で学校改革の途上にある事が予想される。その際特に年配の先生はその改革について行けず辞める事は珍しくない。
現在日本の教育自体が変化の真っ只中。一方的に学習指導要領の内容を教える事から、生徒主体の探究的双方向的学習に移行しつつある。このスキルは寿司屋がフレンチに変わる程先生にとっては全く別のスキルと言える。改革の工程でスキルの入れ替えが必要となり、理解ができない、もしくは自分のやって来た事にプライドのあるベテランの先生は適応出来ずに辞める事は珍しくない。

もう一つはマネージメントの問題。マネージメントが機能していなかったから生徒数が減ってM&Aをせざるを得ない状況になったとしたら、さぞかし昔の法人は楽だったでしょう。しかし法人が変わってマネージメントがしっかりしたとすれば、今までの甘えは許されない。ただでさえ忙しい教育現場にあってさらにやる事が増えると心身ともに辛くなるのは当たり前と言えます。

また、学校の体質は特に古い。日本のビジネスのマネージメントも欧米に比べたら古いが学校はもっと古い。職員会議は会議ではなく伝達式と揶揄される様に、管理職からの上位下達の世界だ。一般企業の様にしっかりと事業計画を策定し、方針を示し、部下や従業員と対話をしながらプロジェクトや改革を進めて行くのとは違い、ほぼ命令に近い。これまでずっとやって来た事を否定され説明もされずにお寿司やさんからフレンチに変わりますと言われたら、誰でも頭では理解は出来ても心が付いて行くまい。
生徒が減り法人が変わり、やる事が激増したら誰でも辞めたくはなる。急で長い登山もお互い理解し合って励まし合いながら登ればなんとかなるだろうが、ルートも示されずあとどれくらい登れば良いのかも教えたくれず、疲れて休んでいても置いていかれる様では誰でも不安になって辞めて行くだろう。

他の小学校でも先生が辞める事は普通にあります。今回のケースでは多分に改革の途上で先生が辞めている可能性があります。マネージメントの不備もあるのですが、学校としては改革をしなければ今後生き残って行けませんから、やり方は別として良い方向に向かわせようとしている筈です。
しかし、昨今の先生不足、特に小学校の教員の成り手は激減しており、今後新しい先生が採用できるかどうかは不明です。先生も最近はグローバル教育や探究学習など先進的な取り組みをしている学校に集まります。またその学校の状況は人伝に伝わります。必ずしも改革をぶち上げたらからと言って法人の思惑通り生徒が集まるクオリティーにまで学校がなれるかは不明。このままの状況が続けば生徒が減り経営が行き詰まり最後は閉校もしくはM&Aです。法人が変わって立ち直った学校は沢山ありますし、そういった学校はM&Aをしたがっています。

アドバイス
ですが、すぐに転校に向けて行動を取るのも拙速だと思います。新しい学校もまたこのまま開校の理想が実現できるとも限りません。1年経てば見えてくるものがあると思います。
如何でしょうか、ボーディングスクールの入学は来年の8月です。受験は4月でも間に合います。準備は進めつつも現在の小学校が良い方向に変化していくのか見極めてみてはどうでしょうか?お母様も保護者会として学校の中に入っているとのことですから、何が起こっているか良く解ると思います。