GLI保護者勉強会

10月25日(日曜日)主催する英会話スクールで保護者勉強会を行いました。その時の内容です。



世界が変わるので、教育も変わらないといけないと言うお話を事例を変えてご紹介しています。
教育で身につけるべき資質は時代的なるものと普遍的なるものがある。
普遍的なるものとは、愛や正義、自由、平和などのいつの時代も変わらず必要となる知識や資質のこと。
普遍的なるものとは、時代によって変化する資質。例えば、江戸時代や明治時代は読み書き算盤ができれば仕事を得やすかった。
昭和は学歴。東大を筆頭にどれだけ偏差値の高い大学を出ているかで、就職が決まった。
そして今、世界が大きく変わり始めた現代では、AIに負けない人間にしかできないTASKをこなせる能力(コンピテンシー)にシフトしつつある。
絶対確実にやってくる未来はglobal化とtechnology化社会。2050年を想定した社会(添付映像)は何も手を打たなければ統計学的にはほぼ確実に到来する。


今日本で行われている教育改革はまさにこうした人材を育成する為に行われている。が、なかなか実現しないのは、長らくの受験型教育から探求型の教育へのシフトの難しさを示している。主な理由は学校経営者の意識がまだまだ受験型での合格実績を出す事から離れられないこと、教員側、すなわち教える側の能力が追いついていない事にあると考える。何故なら、料理に例えるなら、今まで数十年に渡り和食を作ってきた職人さんに、あしたからフレンチにするからよろしく!
と言っているようなものだからだと思う。その準備をするにはなにぶん学校は忙しすぎる。
しかし今変わらなければ、日本は衰退の一途をたどることになる。平成元年の世界株価時価総額ランキングではtop50に日本企業が32社入り、Top5を日本企業が占めていたが、30年経った一昨年はなんとトヨタ自動車1社しかランクインしていない。top5はご存知、アメリカのGAFAである。そしてAppleの総額には日本のtop10の企業の株価を合わせても叶わない。
何故こんなことになったのか?要因は様々にあるだろうが、その1つはやはり教育だろう。30年前と、いやもっと言えば受験戦争という言葉が生まれた頃から変わらない教育。日本の中だけで、日本人とだけ生きていくことしか想定されていない教育に大きな原因があると言えるだろう。
今度こそは変わらざるを得ない。然もなくば人口激減社会、超少子高齢化社会と他にも多くの課題を抱える日本はこれ以上持たない。

幸い入試が変わりつつたる。探求学習を想定した入試制度である総合型選抜がその象徴だ。ことに大学入試はAO入試を総合型選抜と名称を固定し、国公立も定員の30%は総合型選抜とするよう目標が示されている。早慶は半数以上の定員を総合型にする事をすでに発表していて、既にそのように動いている。
つまり今後早慶レベルの大学に入りたければ、一般型の勉強をしていても合格できない、と言う事になる。参考資料を見れば一目瞭然!事例で示した香川大学経済学部はなんと、提出書類10点・面接60点・小論文(社会的課題)60点で合否が決まる。もちろん面接の受け答えは昔のような、部活を頑張りましたとか、生徒会活動を頑張りましたでは通らない。それなりの探究学習の経験と成果が想定されているが、探究学習とつながる入試スタイルであり、将来につながる受験と言える。
週刊ダイヤモンド8・15では理系学部の序列の変化を示している。情報系の学部がダントツ人気で、この辺も時代の変化(technology社会の到来)を示している
と言える。有名学部ならどこでもいい、と言う昔の価値観では今や大学に行っても就職は覚束ない。理系文系の分け方もすでに時代遅れの考え方で、理系教科が苦手だから文系学部を選ぶ、と言う進路選択は、自分の人生を狭める結果になりかねない事を理解したい。
留学ジャーナルは以前は語学学校の特集ばかりのイメージで長らく購読していなかったが、普通の高校生だった学生たちが留学を目指す特集は、誰でもきっかけ次第で自分の世界を変えられる、と言う証明が載っている。冒頭の小川さんは大阪のいわゆる普通の高校から世界最難関のミネルバ大学に合格したのだが、そのきっかけは先生との出会い。きっかけ次第で人は誰でも普通から特別になれる。
ダメな子なんて一人もいない。だからこそ学ぶことの楽しさを伝え、どんどん広い世界にチャレンジして欲しいと思える特集です。
最後の推薦図書は池上彰さんの「何故僕らは働くのか」
これは子供本人に読ませるのも良いが、ぜひ保護者の方に読んで頂きたい本だ。
こうしたこと(あえて隠します)を保護者が理解して子供の教育に当たらないと、昔の竹槍戦法で子供を教育して、お子さんが30歳35歳になった時に戸惑う結果となりかねない。

繰り返しになりますが、時代は確実に変わります。
2045年にはAIが人間の知能を越える(シンギュラリティー)と言われています。暗記はAIの得意技です。今ある職業の半数以上が失われます。テクノロジーを駆使して世界の課題解決やあったらいいなの創造が主な仕事となっているでしょう。
世界はもっともっと繋がり、世界中の人たちと交わる生活は確実に訪れます。逆に日本人とだけ日本の中だけで一生を終えることは有り得ないことも容易に想像できます。
石炭はもはや日常生生活では使いません。自動運転はもう直ぐです。お店から定員さんがいなくなる日も、銀行の店舗もなくなるでしょう。お札など貨幣もなくなるでしょう。都心の大学に地方からでも参加できるようになるでしょう。東京にて、いや軽井沢あたりにいて南アフリカの仕事をこなす時代がやってくるでしょう。リモートワークで子育てが田舎で出来る様になりおじいちゃんおばあちゃんと暮らせる日が戻るでしょう。
その時に豊かな人生を送るために必要な資質とは何なのか?
そのイメージを保護者がしっかり持って、お子様の未来を正しく導いて欲しいと思います。それは点数だけでは無いはずです。