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「オウチで温泉」桜田温泉・山芳園で潤い補給

執筆/石井宏子(温泉ビューティ研究家・旅行作家)

まさか、世界がこんな状況になるとは・・・。温泉に行きたい、旅に出たい。のんびり深呼吸してリラックスしたい。でも、今は、わたしも旅取材を休止して、家で過ごしています。ああ。家に温泉があったらなあ。「そうだ!いいことがある」。これまでも、年末年始など家で過ごす時のごほうびに、自宅へ温泉を取り寄せて年越し温泉風呂を楽しんでいたことを思い出しました。そう。テーマは「オウチで温泉」。自宅にお取り寄せできる温泉シリーズをいくつかご紹介していきます。

今回は、肌も心もしっとり潤う、うっとり美肌湯の温泉です。静岡県・桜田温泉 山芳園は、伊豆半島の南、松崎の近くにある一軒宿の温泉です。これは、名物の貸切大露天風呂。なんと、20畳もの広さの岩風呂で、深さが60センチ~1メートル、たっぷりと注がれる源泉かけ流しの湯はおよそ31トンという贅沢過ぎる貸切温泉です。ふわりふわりと深い温泉を立って歩けば、気分は宇宙遊泳、自分の体が地上の1/10程の軽さに感じてリラックスできます。

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内湯のヒノキ風呂は温泉の新鮮さを実感できる場所。ほら。まるで表面張力のように温泉の密度を感じませんか?新鮮な温泉は入るとぎゅっと包まれるような重みを感じます。泉質は、ナトリウム・カルシウムー硫酸塩泉、pH8.6のアルカリ性。硫酸塩泉は、水分を肌へと運びしっとりと保湿。実は、この宿は温泉の使い方に大変こだわりをもっています。敷地に湧く自家源泉を新鮮な状態で湯船へ大量に注ぐ方法はないかと試行錯誤し、72度以上ある源泉を独自の冷却装置を開発して「空気に触れさせず」「水を加えず」「湯が湧き上がる圧力も抜かない」、つまり、温泉の新鮮さが劣化する3つの要因を一切行わずに、湧き上がる源泉脈から湯船へ直行させているのです。つまり、生きている地球直結の、出来立てほやほやの化粧水に入れちゃうような幸せが味わえるというわけです。

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松崎町や下田のエリアは蔵の街並みが有名。山芳園も漆喰の蔵造りの雰囲気が楽しめます。

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お気に入りのサービスがあります。チェックインの時に、カラフルなタオルから好きな色を選べて、いきなり、なんだかテンションがあがってしまうのです。ガーゼタイプのタオルは使いやすくてすぐ乾く。選んだタオルは持ち帰れるので、帰ってからも愛用しています。

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ぜひ、味わいたいのが、金目鯛の姿煮。桜田スタンダード5000のコースを選ぶとついてきます。食事コースのバリエーションが豊富で予約時にカスタマイズできるのも楽しみです。

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宿の前には源泉スタンドがあります。新鮮な湧きたての温泉をくむことができるのですが、これを宅配温泉でお取り寄せすることができます。

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10リットルと、20リットルがあり、段ボールの中はポリ袋タンクになっているので、注ぎ口にバルブを取り付けて好きな量を出すことができます。わたしは、これを自宅のお風呂の湯船にドンとのせて注いで入ります。そのまま手ですくって洗顔したり、フェイスシートにひたしてパックしたり。湯船の中は、加水の状態になりますが、100リットルのお湯に対して2リットルくらい注ぐと、お湯の肌触りが柔らかくなって、体の芯まで温まります。

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桜田温泉は「飲泉」といって、飲むこともできる温泉です。成分たっぷりのミネラルウオーター「療養飲泉」としてボトリングされたものは、長期保存できます。噛みしめるようにゆっくり少しずつ飲むのがコツ。内臓を活性化して体の中からじんわり温まってきます。

Data
桜田温泉 山芳園
http://sakurada-onsen.com/

石井宏子(温泉ビューティ研究家・旅行作家)
温泉ビューティ®研究家・旅行作家。年間200日を国内外の旅で費やす。雑誌や新聞などに旅コラムを書き、テレビ・ラジオにも出演。温泉や食、自然環境を通じて美しくなるビューティツーリズムを研究。温泉ウエルネスの企画や研修も行う。著書「全国ごほうびひとり旅温泉手帖」(世界文化社)「感動の温泉宿100」(文藝春秋)など。日本温泉気候物理医学会会員、日本温泉科学会会員、温泉入浴指導員、日本旅のペンクラブ理事。
公式HP: http://www.onsenbeauty.com

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