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Tim Hensonの話。

どの時代にもギターヒーローっているんですよね。
私がもう少し若い時はテクの凄さからジョン・ペトルーシなんかが憧れの人でしたが、最近はニューメタル、特にKornにハマって既に何年も経ってしまったので、ペトルーシではなくてリズム・リフメインのMunky/Headが憧れのギタリストだったりします。しかしそんな彼ら二人の源流をたどると結局スティーヴ・ヴァイだったりして、ヴァイの師匠はサトリアーニですから、これでG3が完成するわけですね。懐かしい話です。

さて、音楽がサブスクになり、SNSの発達によって文化の分散が起きてから、例えば昔のビッグなバンド、例えばクイーンだとか、メタリカだとか、凄い存在っていうのが出て来なくなって、代わりに百人も二百人も名もなき上手い人が動画を挙げる時代になりましたね。
まあ、私は知らない時代ですが昔ならみんな『8時だヨ!全員集合』を視聴率50%以上とかで見ていたけれど、今なら同じ視聴率は取れないですよね。そんな感じです。時代は変わりました。
ですがそんな中でさらに異次元をいくギタリストがいたりします。
それが彼、Tim Hensonです。


本名Timothy Henson、2010年からプログレ・インストバンドであるPolyphiaに所属したギタリストです。当時16歳の若さながらその才能を選出されてメンバーとなりました。見ての通りいわゆるゴリゴリのメタラーという感じのルックスでもなく若々しくイケてるので女性人気も高い事で知られています。アコースティック、エレクトリック問わず、サムピングを駆使した奏法や随所にライトハンド、ハーモニクスを散りばめたサウンドメイキングが特徴的です。フュージョン的でもメタル的でもあるサウンドの散りばめ方からは様々なアーティストの影響を感じさせますが、そんな彼が今注目を集めるのはこれだけ埋没するアーティストが多い中で、それをも凌駕する圧倒的、再現不可能なレベルに到達しつつあるその技量は外せないでしょう。

・Polyphiaは総じて『歌いやすさ』を重視している。

本人が動画内でも言っていますが一にも二にも『歌える曲』に対する考えを述べていますよね。実際Polyphiaは確かにソロ部分は難解だったり早かったりするソロが入りがちではあるのですが大局的には何となく歌えるものが多いです。基本的にはある特定のモチーフやリフを繰り返していて、その中でこまごまとソロを弾いている感じです。そのあたりはフュージョンの香りもしますね。しかしフュージョンよりも反復性が高いだけに分かりやすく、変拍子が入っていても気にならないフレージングなどをしていて、プログレメタルなんだけれどポップスでもあるという面白い立場にあります。
勿論英語圏と日本では人間としての物理的な発声とその機構が違うので、歌いやすさが少し違う所もあると思いますが、概ね聞きやすいと思います。
また、動画内で彼が言っている通り好みだというハーモニック・マイナースケールを使ったフレージングも特徴的です。

・シグネイチャーモデルがで、出ますよ。

Ibanezからシグネイチャーモデルが出ます。

今までPlaying Godなどで使用されていたTOD10Nは存在していたのですが、エレキであるTOD10も今回で発売となります。Fishmanの専用PUを搭載した3ボイスのギターとなっていて、Polyphiaならではのシングルコイルに似た音から太いリードサウンドまで出せるようです。

・簡単なまとめ。

特に新アルバムで次元上昇を果たしたPolyphiaですが、G.O.A.TやO.D.の時までならまだコピー可能だったレベルでも今回は流石に部分的にしかコピーできないという人が多いイメージです。彼がどこまで行き、ギターヒーローとしての人気を得ていくか、楽しみですね。




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