財布を持たないというご提案 ①

財布をなくした日

友人と普段は行かない街へ飲みに行った。
1件目は私が支払い、財布をバッグに閉まった。
2件目は友人が出してくれた。

帰り際の違和感、財布がなかった。

そもそもわたしの財布は時代に逆行した長財布で、さっき絶対に1件目のレジで取り出している。
今ないということはきっと、バッグとコートの隙間に滑り込ませて閉まった気になり落下させたのだと悟った。

店と店の間を引き返しながら探したがそこらには見当たらない。
1件目の目の前まで行ったが、既に閉まっていた。

帰り際駅前の交番に届けをだし、駅員さんにも問い合わせたが届いていなかった。

友達がお金を貸してくれようとしたが、辛うじて私はsuicaはカードで持っていたので残金千円ちょっとを確認してその申し出を断ってその日は別れた。

気分よく飲んでいたのと、友人が優しく寄り添ってくれたのもありあまり絶望していない。
少ししょんぼりしつつ、なるようになるさ、と横になった。

お財布なし生活2日目

目が覚めて、お酒も抜けていることを確認しながら布団の中でごろごろ過ごし、まともに動いたのは16時頃。
それは、昨日の1件目の開店時間。

おそらく私なりに現実から目を背けたかったのだろう。
そこからやったことと言えば

  • 1件目への問い合わせ

  • 2件目への問い合わせ

  • JRへの問い合わせ

  • 東京メトロへの問い合わせ

  • メインクレカの停止と再発行

  • その他クレカの停止と再発行

  • 銀行キャッシュカードの停止と再発行

  • デビットカードの停止と再発行

おびただしい数の対応。
その他にもポイントカードの再発行もした気がする。
マイナンバーカードは問い合わせたら、悪用される心配はないと言われ鵜呑みにして対応は何もせずだし、他にも免許証や保険証も同時に失っている状態だ。
ことの重大さを噛みしめ、現実と向き合う時間だった。

当時の私は連絡や申請回りでの疲労が見られるが、

ものの4分で切り替えをし、

有言実行し始めた。

この頃はまだ、「言うて3日くらいで返ってくるんちゃいますのん」と思っていたと思う。

つづく

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