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エッセイ『3人を生きる』

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一卵性三つ子として生まれた著者が、三つ子として生まれる腹の中から20歳までの、三つ子の一人の視点から書かれた記録です。特殊な環境、「私」として存在することへの葛藤・焦り、三つ子と… もっと読む
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2018年12月の記事一覧

3人を生きる-アナタの知らない三つ子の話- vol.19 三つ子再び

 相変わらず、私は、特に評価を求めるわけでもなく、執筆活動を続けたり、アクセサリーを作ったりして、自分の生活を充実させていた。 充実している中、三女が手を挙げた。 「起業しようよ」  唐突過ぎて、最初、何を言っているのか分からなかった。  折角、三つ子に生まれてきたんだし、何か三つ子でやりたい、というのは、三つ子の中でも話してはいたし、周りからも面白そうだと提案されていた。  しかし、そうきたか。 「起業って言ったって何をするの?」  疑問であった。3人共、モノ作り