短歌|小佐野彈
赤と金のフォルクローレ
白樺の匂ひをのせて流れ来る川のほとりに朽ちゆく赤旗(せつき)
少年の金にかがやく指の毛を護らむがため編まれしミトン
悩ましき赤に染まれるダウガヴァを悩ましき頬さらして渡れ!
はらからは互ひに涙拭ひつつ見上げたりけむ女神の像を
負の遺産ことごとく背負ひてなほ光る生誕大聖堂の丸屋根
さて、僕も(そしておまへも)罪人だ。嗚呼、燃やしたし金の丸屋根
永遠に終はらない冬「俺たちはさういふ国で生きて来たのさ」
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