昔話 - The emotionally nomal.-

……。その未熟な覚悟で、「“増田とは関わりたくない。”」と直接言わせてしまうほどにまで人を深く深く追いやってしまったことがある。
「“犯人を推理で追い詰めて、みすみす自殺させちまう探偵は…、殺人者とかわんねーよ…。”」というシルバーブレットによる説話と共に、今後万一記憶喪失になったとしても覚えておきたい話のうちに数えられる。


なんか……、飲みに行きたなってきたな。姉貴の結婚式以来、酒は控えてるが……、それとも真夜中に考え事してるせいで錯覚に陥ってるだけのことなんか……。その真偽は不明や。不明屋半人前右衛門透明……、か何かや。


……。『お姉ちゃん』にでも会いに行こうかな。
この街へ平成年間に帰ってきてもう長いぞ、あいつも。
知ってるか否かまでは知らんが、俺へ最後の一押ししてきた奴やからな。
あいつがいてたから、俺は平成21年06月24日午後21時00分に、ある場所へ行けた。
そして……、令和06年01月18日午後18時00過ぎには、ごめんなさいしか最初に言えやんかった。


つまらん話やな、覚えてくれてへんかっても別にいいよと明確に言える話や。
しかし、思い出すにもなかなか難儀な話でもある。記憶と記録ありきでの話なわけやからな。


これを読んでいるのが、どこの誰なのか。それが一切不明でも……、俺としては全く関係ない。
傲れる者も久しからず、ただ春の夜の夢の如し。猛き者も終には滅びぬ、ひとえに風の前の塵に同じ。


一乗山の鐘の音に、祇園精舎の鐘の音。
よう鳴る鐘に、よう鳴る腹。
あいつらが、どんな腹でいてたとしても、俺は、あいつらとの約束を必ず守る。
心に誓った約束を反故にするかもしれやんと思うんなら、それは君らの思い過ごしや。
その固く誓ったあの約束を反故にするにしても少なくとも俺からすべきことではないし、そもそも俺には到底ようせん真似や。


この丸3年間でまた関わりを持ちたくなってくれたかもなどとは微塵も思ってないが……、俺が真剣に生きてることぐらいは理解してもらえたんちゃうかとは思ってる。
しかしまだたった3年強か……、まだまだ先は程遠し。要努力や、そのための努力を俺は惜しまん。
それしてもらえるんなら俺は今すぐにでも何もかも全て放り出したっていい。
そのぐらい、俺の中では非常に情けない出来事やった。






今を懸命に、かつ賢明に生きる、どこかの誰かへ。
あなたの宿願が叶いますように。
そして、つらく悲しい出来事に苛まれているのであれば……、その苦しみが、できるだけ早くに消えますように。

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