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初めての個展を開きました。

大変お久しぶりです。亜沙モモカです。

先日、4/29~5/4の6日間で人生初めての個展を開催し、
記録として約6年ぶりにnoteの記事を書くことにしました。
ご興味ある方はお付き合いください。

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1.個展開催への想い

何故なのか分からないが、
このnoteを始めた(亜沙モモカの名前で創作活動を始めた)大学2回生、19の頃から
『25歳までに個展をやりたい』という漠然とした目標があった。

それまでに多くから評価される絵描きになっていたい、という願望もあったし、
単純に創作のモチベーションとしてなんとなく自分に課していたものなのかもしれない。

学生時代は一次創作の絵よりもどちらかというとファンアートや二次創作の方面に比重を置きがちで、(SNSで反応を得やすいという理由が大いにあると思う、)
オリジナルを追求することを蔑ろにしてきた。
「単純に趣味で絵を描く人間」になりたいのか、「作家としての絵描き」を目指すのか、
後者へとシフトし始めたのは即売会系のイベントにイラスト作家としての参加が増えてきた頃、大学4年〜社会人1年目くらいである。

新卒で運良くデザイナー兼イラストレーターのような職に就き、
(その業界では有名なメーカーで、デザインのクオリティは本当に高いと思う。)
売れるデザイン、イラストを勉強出来たのは自分にとってかなり良い経験になった。
自分の能力が至らず3年で辞めてしまったが、吸収したものは創作活動においても、現在の仕事においても、全部活きている。

その前職を辞めようと思ったきっかけも創作活動が絡んでくる訳で、
あまりにも残業が多く精神的にも疲弊してしまって絵を描く余裕が無くなったので退職した。
自分はこの会社でトップデザイナーになりたいわけでもないし、
(入社時に5年以内には辞めようと思っていたし、)
社風には馴染めていなかったし、
将来的にイラストレーター、イラスト作家として(商社向けのイラストレーターではなく)、やっていきたいという願望があったため、退職を迷うこともなかった。

自覚しているが、私は「夢を見ながら生きていく」しか、自分を保つ術がない。
現実が見えた途端にこのまま死んでいくのつまんない、嫌だ、となり
生きる意味を見失う。きっと皆そうなんだろうけど、いつだって自分を騙しながらなんとか生きている。

だから「25歳までに個展開催」は、
私がなんとか生きていくために自分で目の前にぶら下げていたニンジンなのだ。
25歳を迎えた2020年の2月、
感染症により世界が混乱しはじめていたにも関わらず、私は転職、上京、と次のステップにわくわくした気持ちでいっぱいだった。
自身が大変な状況になっていないから呑気でいられるのだが、健康には本当に感謝しなければならない。
住む環境が変わると、心はかなり健康になったのを感じた。

世の中はこんな状況だが、今やらないと、(私自身が)いつできるか分からない、このまま死んだら後悔する、だから今やるんだ!!!
という気持ちでギャラリーを探し始めた。

2.個展に向けての準備

「個展を開く」と言っても、私は有名な絵描きではない。
twitterのフォロワー200ちょい、インスタのフォロワー400足らず。
開催前から赤字なのは分かっているし、作品も1枚も売れないだろうというつもりで臨んだ。ほぼ自己満のためにやるのだ。

できるだけ無理なく借りられる、でも良いと思える場所、を探していたら高円寺のギャラリーに辿り着いた。
開催期間はGWにしよう(まとまった休みが取れるため)というのはなんとなく決めていて、枠が埋まらないうちに、去年の8月にはギャラリーを抑えた。
3月に上京して、東京の土地勘もよく分かっていないうちだったが、思い立ってからの行動が早いのは自分のいいところだと思っている。

場所はとりあえず抑えたので、次は作品作りと集客について考えねばならない。

まず展示のテーマ決め。
自分の作品を見返して、そもそも何を描きたいか?という部分で「女の子」以外のワードがはっきりしていなかったのでこれを機に自分の作品の方向性を定めることにした。

・アンニュイ
・不安定さ
・浮遊感
・エモーショナル
・夢の中

……自分が描きたいものをみつめて決定したのが、
今回の個展タイトルでありテーマの『所在浮明』である。

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【所在浮明】
人や物事が何処に居るのか分からなくなっている、
および、ふわふわと浮いて安定しない様子を表す造語。

「不明」を「浮明」としたのは、
存在として「無い」のではなく「浮いている」ニュアンスが伝われば良いなと思ってそれにした。

ここ数年で描いた作品はデジタルで色を着けているものが多く、せっかく展示するならアナログ作品がいいと思っている人間なので、
展示作品に統一感を出したいということもありドローイング以外は全て新規で描き起こすことにした。
この頃ちょうど短編小説を書く企画に参加していたこともあり、絵だけでなく文章(ポエム)も付けた作品にしたい(もともと絵+文の作品は好き)など、展示の方向性をかためていった。

ここから、自分と時間との戦いがはじまる。


実際にギャラリーを下見に行ったのが11月頭で、
それから何作品描かねばならないのか、額選びを図面上でサイズを照らし合わせながら行い、ネット通販で額と紙、パネルなどを注文した。
いつまでに何枚仕上げなければならない、という制作の計画まで全部立てる。
A型なので(?)計画は完璧にしておきたいし、締め切りがないと心配。
なによりイメージが出来ていないと手が動かないのだ。

大学の講義で「展示計画」というような授業があり、
主に展示するときの搬入、作品設置計画のやり方を学んでいた。
クセのある教授だったためか履修者が少なかったのだが、当時からいつか個展をやりたいと思っていたので履修しておいて本当に役に立った。

制作期間はだいたい昨年12月〜3月の4ヶ月程度で、大小あるが31枚の作品を仕上げた。
加えて、4月に入ってからキャプションやグッズの作成をしながらドローイング作品も増やしていき、50作品は並べられたと思う。
無事にギャラリーの壁を埋めることが出来て安心した。

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3.弱小絵描きによる集客

先述の通り、私にはフォロワーが少ない。
SNS以外に絵描きの繋がりも無い。
DMのハガキを作って設置しに行って、でもそこまで効果はないだろうなと踏んでいた。
今までフォロワーを増やすムーブをしてこなかった自分へのツケが回ってきたというか、もっと本気で創作活動していればな…と思った点である。

一次創作の世界は、「共通の好きなもの」でフォロワーが増やせないシビアな世界だと思っていて、いわゆる神絵師と呼ばれるような人たちであれば拡散されて支持を得ることは容易いが、私のような「絵の技術<作風の好み」でファンを獲得しようとしている絵描きはとにかく発信して人目に触れる機会を増やさねばならない。
今回の展示も、「利益を出す」よりも「周知を図る」の目的の方が大きかった。

自分の展示に興味がありそうな友達や知り合いには声をかけて、SNSでの宣伝と、DMの設置で、
まあ20人くらい見にきてくれればいいかな…(超弱気)くらいに思っていたが、実際に見に来てくれたのは6日間で56名。
高円寺という場所も良かったようで、散歩の途中でふらっとギャラリーに立ち寄ってくれる人が多い。
想定の倍以上の人たちに自分の作品を見てもらえて、それだけでもやった意味はあったなと思った。(ハードル設定が低いけれど、笑)

とある出版社や、某広告代理店の方がたまたま立ち寄ってくださる、というようなこともあり、それがお仕事に繋がるかは別としても、活動していないと得られないきっかけや縁だよなと思うこともあった。

DMハガキ効果の実際のところは把握しきれていないが、
DMを見て来てくれた人もいたし、展示を見に来るまでには至らなかったがそれを見てインスタをフォローしてくれた人もいた。
全く効果が無かったわけでもないので、その点は良かったなと思う。

個展期間前〜会期中は割とtwitterとインスタは動かしていたつもりだが、
それまでにSNSでの宣伝があまり出来ていなかったかな、、と反省はしている。
制作しながらの広報活動、1人でやるの大変だなと実感しました。
企業という組織で分業できる「会社」のありがたみを感じた。
宣伝の必要が無いくらいの強い絵描きを目指します…!

所在浮明DM

4.他人の協力で成り立った展示

個展を企画した約8ヶ月前、
準備はもちろんだが、搬入・搬出も全て一人で行う予定だった。
まず友達がいないとか、そういう問題はあるが、
脳内シミュレーションでは、当然「一人で出来る」と思っているから企画しているのである。

初日、図々しくも仲良くなってまだ日が浅い友人に展示の搬入手伝いをお願いしたら手伝ってもらえることになり、本当に、かなり助かった。(というか一人だったら設置が全く間に合っていなかった)

最終日、最後に見に来てくださった、一度ご挨拶したことがあるだけのフォロワーさんが撤収作業を自ら手伝ってくださって、申し訳なくも頼もしく、本当に助かった。

見に来てくれた友人、知人、フォロワーさんたちがお花やお菓子の差し入れをたくさんくださって、個展を盛り上げてくれた。

1枚も売れないかもしれない、と思っていた原画も買ってくださる方がいて、
ドローイングやグッズもたくさんの人に買ってもらえて、
遠いところからわざわざ見に来てくださる人たちがいて、
たまたま立ち寄ってくれた人にもグッズや作品を買っていただけることがあって、
お世話になっているフォロワーさんにもはじめましてすることが出来て、
夜ご飯をご馳走していただけることもあって、
twitter上で作品を見て、個展の情報を拡散してくださる皆さんがいて。

リスナーがいるから成り立つラジオだし、
観客がいるから成り立つライブだし、
来場者がいるから成り立つ展示なんだなと、強く実感しました。

『所在浮明』に関わってくださった皆さまに、本当に本当に感謝しています。
改めて、ありがとうございました。

自分としては、私の初個展は成功です。


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展示した額装原画や、ドローイング、グッズの販売可能なものを
BOOTH通販に登録いたしました。
もしよかったら覗いてみてください。



いつかまた個展を開けるよう、作品づくりを続けていきますので
今後とも見守っていていただけると嬉しいです。



2021.05.09   亜沙モモカ

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