あなたの心臓は今、愛に包まれた鼓動を打っていますか


"What is your name? Speak Yourself"

これはBTS-RM(김남준)の2018年 国連でのスピーチの一説である。

わたしはこれを、未だに二回しか見たことがない。
たったの約六分半。けれど一時停止をしながら、涙を拭い、呼吸を整えて、時間をかけて。




さて、わたしはARMYになって約1ヶ月が経った。
まだまだ分からないこと、知らないことだらけで、ARMYになって出会った人達に助けられながら毎日を過ごしている。感謝しかない。いつもありがとう。

今回なぜ筆を執ったのか、明確な理由はない。
自分の気持ちを言語化することで、なんと言うか…語弊を恐れずに言うのならば、楽になりたい気持ちがあったんだと思う。そんな、noteである。

わたしはある日、Twitterにこんなことを書いた。

ナムさんがARMYに対して自分自身を愛してね、と言うのはもちろん本当にそう思っていると共に、自分に言い聞かせているのかな、と思うところがあって、わたしは今100%自分自身を愛することはできないんだけど、BTSに、RMに、김남준という人間に出会う前より自分を少し好きになれたよ。

勉強は嫌いだけど韓国語を勉強しようと思った。
たくさんあなたの写真を見たりあなたの声を聞いて、昨日よりあなたを好きになっていくことを幸せに感じられるようになった。
毎日の通勤が少し楽しくなった。
人との出会いもあった。
すごく辛い環境から抜け出せた。
本当に本当に毎日が奇跡みたいだよ。

わたしはナムさんがARMYに思うように、ナムさんがナムさん自身を愛して欲しいから、あなたと同じ言語で、あるいは違う言語で、たくさん愛を伝えたいなと思う。
世の中には言語が違っても、いっぱい素敵で綺麗な言葉があることがいつかナムさんに届きますように!

BTSに出会い、色んな曲やインタビュー等に触れる中で、김남준が言う「自分自身を愛そう」というメッセージが、わたしの人生の中で一番重くのしかかった。
というより、これほど重い「自分自身を愛そう」という言葉を聞いたことがなかった。
わたしが自分自身に言い聞かせているかのような、そんな気分になったからだ。
だから泣きながら書いた。突然夜に、堰を切ったように感情が溢れ出し、書いた。


「9歳か10歳で僕の心臓は止まった」

この記事のタイトルの由来である、この一文。
彼がこの一文をどんな気持ちで書いたのか。当時の彼の辛さは計り知れない。
しかし自分に置き換えることはできる。


少し自分の話をさせて欲しい。
理由は省くが、わたしは小さい頃から自分が愛されていないと感じていて、愛されていたとしてもそれは『一番』ではないと感じていた。
それ故に自分を好きになる、愛するなんてことはしたことがなかった。発想がなかった。
「誰かを愛したいならまず自分を愛せ」なんて言葉は、響かなかった。そんなことできたらやってるんだよ、と。
だけど人に愛されたい欲望があって、だからこそわたしは自分で自負するほどのナイーブな性格になってしまった。
さっぱりした部分もあるが、基本的に声色や顔色、言い方等、他人の一挙一動に対して人一倍恐怖を抱きながら生きていた。
好きな人に嫌われたくない、悪意を向けられたくない。
人間にとって当たり前の感情だろうが、わたしにはそれが全てだと思えてしまう瞬間がたくさんあった。
歳を取るにつれマシになったが、25歳を越えるまで、わたしの感情の中心は確実に他人だった。自己肯定感なんてものは持ち合わせていなかった。
それらが完全になくなったわけではなくて、これを書いている今も、恥ずかしい、引かれないかという不安が心にチラついている。
更にわたしは上に書いたような気持ちを人に悟られることが怖かった。だから気が強い人を装った弱い人間になった。そのせいでたくさんの人を傷つけた。自分を否定されることが怖くて、人を否定した。
本当に生きづらかった。自分のことを好きと言ってくれる人の言葉を信用できなかった。
必死に自分に言い聞かせながら、少しずつ少しずつ人への恐怖や自己肯定感の低さを克服しながら生きてきた。
それは今でも変わらない。昔よりマシになったというだけである。
寧ろ『愛する、愛される』という点について、最近まで自分がいた環境の中で、自分にそんな価値ない、やっぱり許されないんだなと考えることが増えていた。


そんな時に彼らに出会った。
最初はただ流行りの曲のMVを見てみようなんて、そんな気持ちだった。
ナムさんを好きになったのも、顔が好きだったから。
YouTubeのおすすめにRun BTS!の日本語字幕付きが流れてきた。見た。面白かった。
少しずつ興味が出て色々と調べることが多くなった。
ナムさんは頭が良いけど抜けているところが多いことを知った。
国連のスピーチの記事をたまたま見た。
文字を途中まで見て、泣いた。
動画を見た。泣いた。約六分半のそれを二十分くらいかけて見た。なぜか涙が止まらなかった。
胸が締め付けられてどうしようもなかった。
それを見終えた後、なぜこんなにも涙が出て辛いのか考えた。

そして一つの答えが出た。
きっとわたしには、受け取るものが多すぎる。
わたしはまだ、김남준が伝えたいメッセージを全て受け止められるキャパシティがない。自己愛に溢れた人間ではないから。

「Love myself, Love yourself」
彼はこの言葉をどんな気持ちで言ったのだろう。


「Love Youeselfツアーを通して、僕は自分自身を愛することがわかり始めた気がします。
僕は自分の愛し方など何も知りませんでした。だけど、みなさんが大きな愛で、そしてツイートや手紙など、さまざまなことを通して僕に教えてくれました。
みなさんの教えや励ましによって、僕は自分を愛することを学んでいきました。

あなた自身を愛するってどういうことですか?自分自身を愛するってどういうことですか?
僕にはわかりません。
誰が自分自身を愛する方法を定義できるのでしょうか?それが僕たちの使命です。
僕たちの使命は、私たち自身を愛する僕たちなりの方法を見つけて、定義することです。
意図していたわけではありませんが、僕は自分自身を愛するために、みなさんを利用していた気がします。

なので、一つだけ言います。ぜひ僕を利用してください。ぜひBTSを使ってください。あなた自身を愛するために。
なぜならみなさんが毎日、僕たちに僕たち自身を愛することを教えてくれるからです」

▽引用
https://kpop-net.com/2019/04/10/post-306/



こんなことを言ってしまったら本当に失礼かもしれないが、彼とわたしは似ている。
きっと彼も自分の愛し方が分からず、本当に苦しんだのだと思う。
曲にしろコメントにしろ、彼が紡ぎ出す身に余るくらいの素敵な言葉たちは、彼自身に言い聞かせている、わたしはそう感じている。
自分を愛せないことの辛さがわかるから、自分を愛してと伝えている。

それに気づいた時、本当に驚いた。
BTSは世界的なグループで人気も高く、たくさんの人に愛されている。
そんなグループの一員であるRM-김남준は、誰かに愛されいて当然なのだから。
そんな彼でも自分に自信を持てず、自分を愛せず、頭が良い故に自分を愛する方法が分からず苦しんでいた。恐らくそれは今も襲ってくる時があるだろう。

だけどそんな時、彼はきっと自分を愛していいのだと、自分をこうやって愛せばいいのだと、世界中のARMYの言葉から答えを得ている。
彼が自分を愛する為に必要なものとしてARMYという存在は大きい。わたしはその一員になれたことを心から嬉しく思う。


前述したように、わたしはBTSを好きになってから100%にはなっていないけれど、自分を少し好きになれた。
頑張ろうと思えることが増えたし、楽しみも増えた。友達も増えた。
彼の言葉を借りるならば、わたしはBTSを利用した。
だからこそ、感謝という言葉で収まりきらない気持ちで溢れている。

彼はわたしがわたしを愛せるように、彼の言葉で本当にたくさんの愛をくれる。
だからわたしは彼が彼を愛せるように、わたしの言葉でたくさんの愛を伝えたい。
彼が知らない、分からない言葉でもいい。知らなくても世界中には綺麗で愛のある言葉がたくさんあって、その数だけあなたは愛されているのだと、彼に届くように。


キム・ナムジュンさんへ。
あなたの心臓は今、愛に包まれた鼓動を打っていますか?

김남준 씨께
지금 당신의 마음은 사랑에 싸여 고동을 치고 있습니까?

Dear Namjoon,
Is your heart beating in love now?


わたしは今、少しずつ、あなたのおかけで愛に包まれた鼓動を打ち始めています。
本当に大好きです。愛しています。ありがとう。
わたしはあなたの笑顔が大好きです。叶うならば、いつも笑顔で健康に。幸せでありますように。



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