2022年3月に修士の学位を得ました。
修士課程の2年間について、振り返るためのブログです。4つに分けて書きました。

①まさかずっとオンライン形式になるとは予想もつかなかった

2020年4月から修士生活が始まったのですが、幕開けはCOVID-19の世界的流行からでした。
4月にオンラインで同期会をしたときには「2年間のうちいつかは全員が対面で集まれると嬉しいですね」なんて言っていたのですが、結局、学位記授与式の日に修了する人が全員集合した以外、そういった機会がないままに2年間終わったんだなあという感じです。

2020年度後半からは対面形式も復活し、大学に赴いて研究することも多くなったので、いつしか学部時代と変わらない感覚には戻っていましたが、【感染拡大予防】の6文字に未だに注意を払う日々が続いているんだなとしみじみ思います。

②オンラインで学びを生み、オンラインで学びに触れる

大学院の授業、学部の授業のTAを通じて、オンラインでの高等教育に触れることとなりました。ゲスト・ティーチャーを呼ぶのに互いに都合がよいこと、授業外のインフォーマルなコミュニケーションがとりにくいこと、見えたことはたくさんあったと思います。これを機に全てがオンライン形式にシフトすることはないにしても、対面形式以外の学びのあり方が今後増えていくんだろうな、という感覚です。

一方で、学部2年のときから続けている学習塾でのアルバイトも大きく様変わりしたなと思いました。「教える」「通う」ことの意味が相対化されたのかなと。そういえば2020年の4~5月は休職扱いでしたし、2020年の秋頃からは、内部生限定のコンテンツ作りを手伝い続けて今日まで来ているという感じです。(単位が難しいですが1500問前後のコンテンツに関わりました。)

時間をかけて理解したいな、とか、紙面に書かれている静的な解説だけでは理解できないとか、質問を先生にしたときに返ってくる「いつも頑張っているね」みたいな励ましとか、そういったことにつながっていれば嬉しいなと思いながらやっています。

③オンライン上のコミュニティーのはなし

教育に関連して、2つのオンライン上のコミュニティーにお世話になっています。

1つは、塾の先生と学校の先生をつなぐコミュニティー。お互いの環境の違い、立場の違いを超えて、「教育」を見つめなおす機会となっていて学びが深いです。
もう1つは、全国的に、いや海外にいる日本人まで含めて、しかもさまざまなかたちで「教育」に関わる人とのコミュニティー。ひょんなことで誘われましたが、こちらも「日本の中だけでも、こんなにいろんな学びのあり方があるのか」と学びが深いコミュニティーです。

学部時代は、中学生、高校生、小学生、公立の学校、私立の学校、集団塾、個別指導塾、関東、関西、そのほかと、いろんな子どもを見ていた日々でしたが、
修士時代は、教育を「する」側に関していろんな先生方の話を聞くことができた貴重な時間だったなと思います。

④「教育」に対して考えることは変わったのか

根幹の部分はこの2年を通じても変わらないままなのかな、と思います。
「最後に『これでよかった。』と思ってもらえるように、できることが何かを考えることから教育は始まるのではないか。」ということです。
細かいことを言葉にするのは難しいのですが、子どもが何を感じるかに耳を澄ませていくことの重要性なのかな、と思います。

変わった部分もあるかもしれません。
関わっている大人に「見てもらえている」と子どもが思うことの大事さは、年々深く理解できている気もします。
「私はあなたのこと、見ているんだよ。」も細かいニュアンスが伝わりづらくて、おそらく読んでくださっている方の認識とズレてしまう部分もあるかもしれません。

個人の信条ですが、自分のために頑張っていない子どもはいない、と信じています。
どんな形であっても、どんな程度であっても、頑張ることが大事だし、自分もそうしなければいけないという信念は日本の教育が生み出しているマインドだと思います。
でも、実際は結果が出る人にしか承認が与えられなかったり、もともとできる人が頑張ることの魅力を感じやすい環境にも、公教育私教育問わずなっているのかもしれないです。
1人1人には頑張っている「過程」があるはずで、それは、大人が直接見ていなくても、子どもの行動のどこかに滲み出ている。
それをいかにキャッチしようとし、そしてそのことの素晴らしさを認め、そしてそこではじめて「頑張っているね」とか「見ているよ」といったニュアンスのことを伝えてあげられるか。

といった意味での「見ているよ」が大事なのかな、と思う今日この頃です。


(最後に)


2020年代に入って、技術の進歩が加速していくなかで、我々が無意識でいると、時間の流れも感情の流れも速くて薄いものになりかねない。
ベンヤミンの天使の絵のように、風に流されながらも過去の方向を向き続けることで、「生きている」という形跡を残し続けたい。
まだまだ自分自身成長できるところが多いですし、まだまだいろんなことができるようになりたいですし、こんな自分ですが、今後もよろしくお願いします。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

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