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田舎移住の落とし穴!?

田舎に移住の落とし穴!?  必見”田舎暮らしの教科書”


移住は不都合と不条理の宝庫である。
自分が想定するメリットよりもデメリットが必ず上回るのが都会に対する地方であり、田舎である。
今回は田舎に移住を考えている人に向けてです。
『田舎暮らしの教科書』(著者 “清泉亮”)を要約しました。

移住を考えている人は絶対に読んだ方が良いです。

ここまで最悪な想定をしていれば、ある程度想定内で済むはずです。
最悪の状況を理解すること、想定することに勝る成功への王道はない!


お金の話

地方の自治体にとっては人口減少で不足している税源を確保する方策としての移住者の受け入れがあります。
つまり税収確保というやむなき経済事情があることを、移住希望者はきもに命じておかなくてはなりません。
住民税を含めた税金は都会のほうが安く、人口の少ない地方では高くなるのが基本的な前提です。
年収がほとんどないものにとっては、田舎暮らしは課税額も少なく理想です。しかし、副業やまとまった収入があるものにとっては、都会よりたくさんの額を課税される恐れがあります。
この著者の体験では、人口1000人未満の集落に住民票を移したとたん、健康保険料が東京都内の約5倍になったとのこと。
場所によるところではあるが財源が乏しい自治体では、極めて高い負担がかかってくるのである。
これには対策がないわけでもない。
もし老後の移住者などで子供が都会にいるなら、住民票は都会に住む子供の住所におくこと。
あるいは自宅がまだ都市圏に残っていれば住民票を置いておくのが良いです。


人間関係


アジア地域の部族社会でのヒエラルキーを想像すればよい。
行政の実質トップがその地域のトップではないということ。地域の“長”がいるのです。
あらゆる人が縁戚だという感覚で接することが大事。
血が濃いかどうかではなく、集落はことごとく親戚関係です。
著者は田舎暮らしをする鉄則を7つかかげています。
① 移住人気と安住しやすさは必ずしも一致しない
移住希望者が誤解しがちなのが移住地人気ランキングである。
移住しても定住しない。これが今日までの大きな流れとなっている。
移住を決心し、いざ引っ越すと次は定住するというフェーズに入ってきます。
移住人気地が定住人気地であるかは別なのである。
② 集落移住ならばまずは“借住”から!
集落での飛び込み購入ほど危険なものはないのである。
集落は極めて相互監視の強い場所である。
都会ではもはや失われた濃密な人間関係にあこがれる人も多いでしょう。
しかし、何がきっかけで村八分になるかわからないという覚悟が必要です。
いつでもその場を離れられる“賃貸移住”が気楽なのです。
③ 改築、新築は住みながら
地方における大工仕事は農家のオフシーズンのとき。
手抜きが極めてごく当たり前に行われているのが実態である。
とにかく住みながら建てること、業者の仕事に目を馴らすこと、信頼できる業者を探すこと。
購入を考えるなら、賃貸で暮らしながら進めていくことが一番であります。
④ 挨拶の菓子折を配る順序
挨拶の順番が集落移住ではとにかく決定的です。
“下の者”から挨拶している姿が、集落有力者に見られれば厄介なことに‥
対策として先に移住してきた人がいればそこに尋ねるのもよし、区長などに教えてもらうのも良いでしょう。
⑤ 収入にかかわらず、必ず副業を持て
昨今はインターネットさえ通じていればどこでも仕事が可能になってきています。
年齢を増してもスキルとして重宝される翻訳家やデザイナーといった職種の人々は田舎暮らしも成功している人が多いとのこと。
都会から離れた場所でも仕事ができることはとても有利です。
また保母さん、学校の先生なども歓迎されます。
教育といった面では、選択肢が少ないゆえに公立教育の質は高いのです。
ピンからキリまで名ばかりの私立校の送り込む都会と違ったところです。
⑥ 納得できるホームドクターをまず確保
地方ではお年寄りに優しいクリニックがいい病院、いい医者ということが少なくありません。
都市圏のうるさい患者に揉まれた経験を経て地元、地方で開業している医師を選ぶことがおすすめである。
⑦ 人間関係に行き詰まったら、即“転住”
田舎暮らしは気軽な旅の延長であってほしい。
好ましいと思う場所を転々と移り住めば良いのです。
居詰まりになったら、どんどん引っ越そう!

この本では、移住とは最悪の状況を常に頭に入れることが大事だといっています。
地方の人間は決して都会の人間を尊敬もしていないし、快くも思っていない。
ここが出発点であり、大前提であると。
ここまで私は田舎の人間はそこまで根性ひねくれているのか??
そういった疑問を抱きました。
この本の最後に書かれているその理由に納得しました。
話題に欠き取りつく島がなくなると移住者は風光明媚さを褒める。
しかし、それに地元住民が心を打たれることはない。
それは“開拓の苦労”にある。
この日本列島に田園風景が広がるのは戦前から開墾し続けてきたからである。
土地の者の血と汗、その結果としての風景にほかならないのだ。
その歴史を直視せず顧みないうちは、決して受け入れらることはないであろう。
移住者はそこに敬意を払うことから始まるのである。


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