弁理士試験体験記⑤ ~気をつけていたこと~

弁理士試験の勉強全般で「気をつけていたこと」「結果として良かったこと」を記載します。
なお、模範的な受験生とはいえない考え方もある点もあるとは思います。


「気をつけていたこと」


■ 試験に合格することを意識して勉強すること

弁理士試験の勉強は「知財の知識を深める」ことよりも、「弁理士試験で合格点を取る」ことを第一に勉強していました。
1年でも早いタイミングで弁理士試験に合格し、「知的財産の知識を深める」という勉強は合格した後に頑張ろうというスタンスでした。


■ 過去問中心に勉強すること

「弁理士試験で合格点を取る」ということで考えると、過去問の頻出論点は絶対に解けるようにすることが大事だと思っています。
もちろん、過去問だけでは対応できない問題もありますが、過去問の論点をしっかりと潰せば、満点は取れなくても、合格点には到達できるのではないかと思って勉強を進めていました。


■ 教材を増やしすぎないこと

色々な教材に手を出して消化不良になるよりは、教材を絞って、その教材はしっかりと理解しようということを心がけていました。
単純に、費用面から教材を増やせなかったという理由もあります。


■ 講義を繰り返し見る・聞くこと

教材を絞って勉強していたので、講義は何度も繰り返すようにしていました。
弁理士試験は音声だけでも勉強しやすいと思うので、家事や単純作業をしながら講義音声を聞くようにしていました。


■ 分からないところで悩みすぎないようにすること

特に入門講座のときは分からないところがあっても、ドンドン先に進んだ方が良いと思います。
入門講座のときに分からなくても、試験当日までに分かっていれば問題ない!という考えの方が勉強に対するモチベーションが下がりにくかったです。
また、弁理士試験に合格するという観点からは、最悪しっかりと理解できていない点があっても、点数が取れる程度に暗記しておけばそれで十分という考えでした。


■ 体調管理をしっかりする

勉強期間が長期間にわたる資格試験なので、体調があまり良くないときは無理せず勉強は休むようにしていました。



「結果として良かったこと」


■ 特許法を中心に勉強すること

私は、特許法にかなりの時間を割いて勉強していました。
以下の点で良かったと考えています。
・ 短答式試験と論文式試験は、特実の点数配分が大きいこと。
・ 論文式試験と口述試験は特実が最初の科目であり、特実が出来ると試験当日のメンタル維持がしやすいこと。
・ 特許法の知識で意匠法もカバーできる論点が多いこと。
特に令和3年度の論文式と口述の意匠は、意匠特有の論点というよりは特許法と共通する論点が多かったと思います。


■ 短答式試験に合格した年に、論文式試験に合格できたこと

以下の点から良かったです。
・ 論文式、口述試験でも短答式試験の論点を思い出しながら回答することが多かったこと。
特に口述試験の特実は、出願公開がテーマであり、ここ最近の過去問になかった論点でした。短答免除だったら中々思い出せなかったかも、という問題も多かったです。
・ メンタル面から有利なこと。
論文式試験のときは、「初めての受験なんだし、受かればラッキー」と思っていました。また、口述試験のときには「最悪ダメでも来年度は口述試験だけ受ければいい」と思っていました。気持ちの余裕があることで、落ち着いて問題文を読めた点もあったように思います。

短答式試験が免除で、論文式試験の勉強を中心に行っている方でも、たまに短答式試験の論点を勉強される方が良いのではないかと思います。
これから短答式試験の合格を目指す方は、その年度中に最終合格する!という気持ちで勉強を進められた方が良いと思います。


■ 社内教育で人に説明する機会があったこと

弁理士試験勉強期間中に、業務の中で開発部門に向けた社内教育を行う機会も多かったです。
開発部門という知的財産をあまり知らない人たちに分かりやすく説明するためには、先ずは自分がしっかりと知的財産制度を理解しておく必要があります。
弁理士試験の範囲と重複する部分は人に説明することによって、しっかりと定着していたように思います。

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