弁理士試験体験記⑭ ~論文本試験~

令和3年度弁理士試験の論文試験の再現答案構成や答案作成のときに気をつけていたことを記載します。

1.論文試験の得点

【得点】
得点の平均:66.0点
特許・実用:129点
意匠:72点
商標:63点

合格に必要な点数が平均54点であることを考えると、どの科目も高得点といえる点数が取れたと思っています。自分としては、商標→特実→意匠の順番で出来たと思っていましたが、結果としては逆でした。


2.再現答案構成


本当は、試験後すぐに再現答案を作成しようと思い、途中までは再現答案を作成していました。ただ、再現答案作成を断念してしまったため、途中からは答案構成のみになっています。再現答案の箇所も、論文答案作成の型が全く定まっていなかったこともあり、上手く答案を再現できているかは怪しいです。
記憶のある範囲での積極的な間違いとしては、特実Ⅰ設問2(2)の根拠条文ミスだけです。


3.科目別の振り返り


■ 特許・実案Ⅰ

記載量としては、4ページ目まで入っていたはずです。
設問1は、かなり丁寧に答案を作成しました。問題文に「特許法上の根拠条文の規定を必要な範囲で引用した上で」と記載があったため、根拠条文の条文番号をしっかりと記載し、条文の言葉をそのまま使用するように心がけていました。
設問2はほとんど条文を書き写す感じで答案を書いていたと思います。PCT49条は、該当する条文さえ見つけてしまえば記載できる!と考えたため、必死に条文を探してなんとか見つけ出しました。


■ 特許・実案Ⅱ

記載量は3ページ目の終わりくらいまでだったと思います。
特許・実案Ⅰで半分以上の時間を使ってしまっていたため、答案構成もあまりまともに行わずに答案を記載していました。
設問3は、条文を書き写しただけに近かったです。


■ 意匠

記載量は4ページ目の終わりまでみっちり記載しました。
問題Ⅰで3ページ目の半分まで、残りが問題Ⅱといった記載量でした。
問題Ⅰをかなり丁寧に書きすぎてしまったため、問題Ⅱは省略しながら記載しました。答案用紙のスペースさえあれば、問題Ⅱはもう少し記載量を増やせたとは思います。


■ 商標

記載量は、3ページの終わりか4ページ目の頭くらいまでだったと思います。
問題Ⅰで1ページまるまる、残りが問題Ⅱといった記載量でした。
問題Ⅰは、8割くらいは関係する条文をただ書き写した感じでした。同日出願のときにくじで決める趣旨についても触れました。くじ引きについての趣旨を書いた理由としては、特許や意匠にはない商標法特有の制度に触れた方が良いかなと思ったためです。
問題Ⅱ(2)は、問題文に最も妥当なものという記載があったため、53条の2の審判のみを記載しました。当てはめは、主体、客体、時期、手続、効果と全てかなりしっかり記載しました。


4.気をつけていたこと

答案作成の上で、気をつけていたことを記載します。


■ 読みやすい答案になっているか

基本的なことかもしれませんが、文字を丁寧に記載することや一文を長くしすぎないことを気をつけていました。


■ 知財に詳しくない人が読んでも理解できるか

採点するのは弁理士の先生方ですが、私は知財について詳しくない人が読んでもある程度理解できるような答案を目指していました。具体的には、基本的なことから説明を始めること、問題文の状況と、条文や判例の対応関係を分かりやすく記載すること等を心がけていました。


■ 条文の言葉をそのまま使う

条文を上手く省略して書けなかったこともあるのですが、条文の文言をそのまま答案に使用するようにしていました。条文をただ写しただけに近い設問もかなり多かったと思います。


■ 根拠条文の条文番号をこまめに記載する

条文番号はこまめに記載するようにしていました。項と号も記載が落ちないように気をつけていました。


5.まとめ

論文本試験についてまとめました。私の答案は全体的に条文をそのまま写している箇所がかなり多いと思います。論文試験では法文集が貸与されるため、よく分からない問題や上手く文章をまとめられない問題があっても、とりあえず条文の言葉を使って何かしら書いてみるということが得点に繋がるのかもしれません。


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