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元初まりの話2

うを

うをというのは、
人間の顔をして、肌は鱗のない、人間のような肌をしたうをである。
(みは白蛇)
うをとみを発見されて、これが夫婦の雛型によかろう、というのでお呼びになったら、真直ぐに泳いで来た。この真直ぐというのが一すじ心です。
神さまは、真直ぐで一本調子のものがお好きなのです。二筋や三筋になったり、ぐねぐね曲がったものは、お嫌いなのです。

おふでさきの中に

ちかみちもよくもこふまんないよふに
たゝ゛一すじのほんみちにでよ
(5号30)

とお誌しになっています。
一本調子というのは、近道もしない、欲を道連れにしない、高慢も道連れにしない、純真な素直な一すじ心。これが神さまが喜んでお受け取りくださる心です。

だから、一つのお願いをかけたら、ほかのものは全部捨ててしまうのだ、という決心が肝心です。
(腹痛をたすけていただきたい。けれども好きな酒は毎日飲むし、おしるこも食べたい、煙草も絶対にやめません。)というようなお願いでは一すじ心とは言えません。どうでも、一つのご守護をいただこうとすると、ほかのものは皆なげうってしまおう、というのが一すじ心です。

「この度人間というものをこしらえたいと思うが、その雛型になってもらいたい」と仰せになると、初めはいやいやと、首を横に振っていた。(まだ、ものは言えません。) けれども、ここで断られると人間の創造ができませんから「一番初めに産みおろす子どもに数だけ年数が経ったなら、元の屋敷に連れ帰って、神として拝をさす」と、陽気ぐらしの喜びをお説きになって、うをとみが首を縦に振って納得をした。

そうして、うをには月様、みには日様がお入り込みになるのです。食べてしまわれるのではないのです。この二つ(うをとみ)は、食べるのではなく入り込まれるのです。

うをというものは、鯛でも鰹でも鯉でも、元気のよい時は大層威勢がよい。けれども、一たん岩に鼻をぶつけたりしますと、一ぺんにまいってしまって、おなかを上に向けてあっぷあっぷする。

このうをが男の材料なのです。ですから亭主というものは、ふだん景気のよい時はいいんですけれども、ちょっと何か困ったことがあると、すぐもうあっぷあっぷ言ってるでしょう。
男というものは、平素は元気はいいのです。でもそれがあっぷあっぷ言うている時には、なるべくあっぷあっぷ言わんように助けてやらんといけません。あっぷあっぷ言うた時にいじめてはいけません。だから材料がうをだから、ふだん威張っているのだ。あっぷあっぷするのは、材料がうをだからしようがないのだ。と思ってやらなければいけません。
男というものは大体そういう、よく言えばあっさりしているのですが、まいる時は簡単にまいってしまう。それはもう持って生まれた性分なのです。

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