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万葉集を楽しむ1

水鏡に現れる面影

我が妻は
いたく恋ひらし
飲む水に
影さへ見えて
よに忘られず

(若倭部身麻呂)

水を飲む時は、器あるいは手ですくう。
ふっとその水を見ると、そこには妻の影が映っていた。ああ、そうか、妻はわたしのことを思っているからこういう水鏡に映るのだなあ。
だから男の方も、妻のことが忘れられない。
人が人を思うと水鏡や夢に現れる。
自分の妻がわたしをいとしく思い、わたしもいとしく思っています・・・・・
と人前で公言する人が今の日本人にどれほどいるだろうか。
万葉びとは、今のイタリア人のような個性を持った人びとだったのかもしれない。

わたしの妻は、
たいそうわたしを恋い慕っているらしい・・・・・
飲む水に影さえ見えて、
どうしても忘れられない一。

万葉集の世界は
なんて素敵なんでしょうか、、、♡♡

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