山形で作られる最高品質のニット、ホテル仕様のレザースリッパ、ファッション性も注目されているメッセンジャー向けのプロユースバッグ、ギフトに最適なアロマポット...2018.11.2(10)
シャツやカットソーの上に1枚薄手のアウターを羽織る。
ニットに袖を通し始める。
秋が深まっていくこの季節はファッションを楽しむのにもっとも自由な季節だ。
普段着ないようなかたちの服を着たくなったり、合わせたことのない服どうしでコーディネートしてみたり。
そんな時に思うのは、どんな服を着て、合わせ方をするかで人は自分の性格まで変えられるということ。
例えば、細身のパンツばかり履いてきた僕がワイドパンツを履くようになったとき。
シャツもそれに合わせて少し大きめのものを選んだら、普段よりもずいぶんゆったりとしたシルエットになった。
はじめはいつもと違う着心地や慣れない格好をしている気恥ずかしさでそわそわしてしまっていたけれど、着慣れてくると、ゆったりとしたシルエットの服は自分が強くなったような気分にしてくれることに気づいた。
いつもより少し体が大きく見えるようになったからだろうか。
深いポケットに両手をつっこんで、肩で風をきって歩きたくなる。これまでほとんど履いてこなかったワイドパンツは、自分をそんな気分にさせてくれることを知った。
ファッションには「コスプレ」という側面が少なからずあると思う。
スーツを着て、ネクタイをぎゅっと締めるとスイッチが切り替わったように仕事へのやる気が出る、という人は多いはずだ。
普段着にもそういう効果は少なからずあって、繊細な服を着ればそれを傷めないように動作はいつもより丁寧に、ゆっくりになるだろう。
仮装をした人たちが普段抑えている感情をあらわにしてハロウィンを楽しむように、個性的な格好をすれば少し解放的な気分になったり、逆に排他的な気分になるかもしれない。
僕はファストファッションの洋服も好きだけど、そういったブランドが唯一持っていないものがその「コスプレ感」だと思う。
大多数の人に着られる、社会基盤のような規模のブランドになってくると、それを着ることによる気分の高揚や変化がなくなってしまう。
その分、社会に自然に溶け込める順応性の高さや安心感が魅力的なところではあるけれど。
『服と暮らし』で紹介しているようなブランドやアイテムの持つ、良い塩梅の「コスプレ感」は、平凡でありきたりな日常を少しだけ持ち上げてくれるような効果がある。
これは服が好きだという人にはきっと理解してもらえる気持ちだと思う。
それでは、ここからは今週の『服と暮らし』です。
この記事が皆さんのよりよい暮らしの参考になれば幸いです。
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