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神とお産と人の営みと…④

痛みを受け入れる…!?

お産が怖すぎるゆえに前向きにお産に向かうため、つるすっぽん!を目指して日々を過ごすやさぐれ妊婦。

そんなこんななみのりんだけど。
やっぱり怖いもんは怖い。

マタニティブルーの時よりはマシだけど、それでも気持ちは揺れ動いていた。
ちゃんと出る?
お腹が大きくなって爪先しか見えなくなるって物理状態までいくのに、股から?

いやー…物理的におかしくない?
みのりんの頭の中は5ヶ月も過ぎてくるとそんなことをぐるぐる考えるようになっていた。

そんな時に立て続けにみのりんの元へとメッセンジャーとなって届けられたメッセージがある。
それは『痛みを受け入れる』ということ。

たっつんがマンガでヤクザが言ってたんだけど、『痛みは感じるもの』って言ってたよ、と。
すぐにこれはメッセージだと気付いた。
その前にみのりんも参考にしているソフロロジー式のお産を選んだ方の投稿で『痛くないわけではない。でも、陣痛の波を感じ、もっと強く!もっと来い!と思っている自分がいた』というような文章も読んでいたから。

何度も繰り返し自分に届く似たようなメッセージ。
そして聞こえるイザナミのおばあちゃんの声。

『痛みを受け入れるのだ。』

やさぐれ妊婦は盛大に口をへの時に曲げて『はぁ~?』とやさぐれた。
見えない世界へのメッセージに対してこの態度である(笑)

やさぐれ妊婦は本当にやさぐれている。

痛いのは嫌だっつってんだろ!

だーかーら。
痛いの嫌だって言ってんだろ!
やさぐれても日々を頑張って過ごしている私の原動力の1つはマジでそれだった。

それなのに『痛みを受け入れる』って、ほんとに『はぁ~?』案件だった。
私にとって。

『良いか?
痛みは感じるもの。
受け入れるものなのだ。』

イザナミのおばあちゃんはやれやれと言った様子でお話しする。
ちゃんと段階踏んだんだけどな~まだ納得出来ないか~やれやれ感が隠すことなく滲み出ている。

知ってる。
ちゃーんと段階踏んだことも知ってる。
その上で受け入れざるを得ないとこまできたところでそういう風にもってくの…なんか…ずるい!!
毎回思うけど、ずるいんだ!
北風と太陽の太陽か!!

『お前の体に備わった産む力を信じろ。
その発現の1つが痛みという形で来ることもあるが、その正体は子宮の伸縮による命の胎動だ。
それを感じて体の変化の波を感じ、受け入れることで受け取り、受け流す。
より感じ、より受け入れることでお産を軽くする。
拒むことは反発なのだ。
痛みを拒み反発することはより痛みと苦しみを増し長引かせる。

分かるな?
イザナミのおばあちゃんの腕組み、の後ろでハラハラしてるイザナギのおじいちゃん、のそのまた後ろでハラハラしているみんな。

なんだこれ、教育的指導を受けている兄弟を遠くから見守る兄弟みたいなその感じはなんだ。

それでもやさぐれ妊婦はやさぐれた(笑)

『まぁ、本当は分かっておるじゃろ。
それに準備は万全じゃ。
痛みは極力少ないであろ。
肉体と精神ががどのような状態にあるかが1番重要だ。
お前は良くやっている。』

よしよしした後に解説終了。
イザナミのおばあちゃんはいつもみたいにやさぐれ妊婦を後ろからきゅっと抱き締めた。
く、くぅ~…!くぁ~…!!

(全部受け入れざるを得ない状況にやさぐれ妊婦は悶えた。)

俺のかあちゃんすげぇだろ。

そんなぶすくれるやさぐれ妊婦みのりんの元へとやってきたのは何かと騒がしい親戚のおっちゃん枠に収まっているスサノオのおいちゃんだった。

『俺のかあちゃん、すげぇだろ。』

家族全員が揃うことを切実に願っていたスサノオのおっちゃん。
初めて会った頃は騒がしい上に振り回されたけど、今はすごく落ち着いたいいおっちゃんになっている。

『まぁ、ちっと違うかもしれねぇが聞いてくれや。
ちびっこ、お前はもう波を感じて受け入れ、受け流すってことを体験済みだ。
嫌な記憶だとは思うけどよ、ちっと思い出してみてくれや。
あれ程荒れた海の波を感じては呼吸で受け流し、耐え抜いたことを。』

海…?
呼吸…?
受け流…。
ああああああああああ!!!!!

お腹の人がお腹に入るか入らないかの時に屋久島から鹿児島港に帰る最中に体験した条件付き出港で荒れた海を渡った忌まわしき体験…!!

荒れた波は止めてくれなかったくせに呼吸で波を受け流すことを伝授してくれたのはスサノオのおいちゃんだった。
おかげでみのりんは…揺れるフェリーの中でも平気でマンガを読んだりするたっつんが2回もリバースしている横でじっと横たわり、船の上下(海の波)を感じては呼吸で受け流し続けて酔わなかった。(しこたま疲れたけど。)

『思い出したな!
話はちっと違うが…あんな感じだ!!
『だいぶちっげぇよ!!!』

心の底から叫びながらも、悔しいかな。
みのりんの体には波を感じて受け流す呼吸のリズムや、波の感じ方等をきちんと覚えていた。
あのお産バージョンってことか…!

荒れた海を4時間かけて越えたあの恐怖体験!!
※しんどかったけど、確かに酔わなかった。

『なっはっはっは!
俺のかあちゃんすげぇだろ。
計画的なんだぜいっつも。』

 やさぐれ妊婦絶句。

もう最近は計画的に確実に任務遂行するこの人たちを『神さマフィア』(手段は選ばぬ!)と一部界隈で呼んでいるけど。
表のドンはイザナギのじっちゃんと見せかけて黒幕は絶対にイザナミのおばあちゃんだ!!!

この人が黄泉の国に行かずにずっといたら天岩戸伝説は無かったかもしれない。
神とお産と人の営みを感じてはハチャメチャに進むやさぐれ妊婦の日々は続く。

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見えない世界の媒介人みのりん
リアルな見えない世界の体験を綴ろうと思っています。自分が感じた感覚をそのままに。私の大切にしたい世界が伝わることを願って。見えない世界も大切にしたいと思う方はサポートしてくれると嬉しいです。

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