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今度は空から海を越える

会社員卒業!

会社に勤めて、宮崎の管理地を任された生活はとても楽しいものだった。

毎日が除草作業を繰り返すような日々で、日本全国に別荘や管理地を持っている会社さんだから屋久島にある別荘に連れていってもらったりもして、普段は出来ないようなこともたくさん体験させてもらえた。

屋久島のクリスタル峠。

そして、屋久島からの帰りのフェリーが揺れに揺れて滅多にしない神頼みをするという…。
海の男スサノオおいちゃんが波は止めてくれないけど、波の揺れを逃がす呼吸を教えてくれました。

いや、波を止めてくれ(笑)

マジで怖いし気持ち悪かった。

が、しかし。

山での除草作業だったり、本社の方が来たときは基本的に休むことが出来ずにずっと出社していたりで体調を崩し始めていた。

自分なりに体と相談しながら作業を進めても、それは体力がない・作業が遅いというように目に映るようで、会社側との感覚のズレも擦り合わせが難しいと思い始め。

私たちは自分達が1番大切にしていることを主軸にした決断をした。

会社員でも自営でもたつみのりらしく生きる。
どんな生き方をしていてもたつみのりらしく生きれない時はその生き方を止めよう。

会社の方々は多くのことを実現してきた方々だったけど、実現のさせ方がたつみのりとは真反対だった。
そんなやり方もあるんだねぇ~ってお互いに出来れば良かったけど、それも難しい。

お互いのやり方でお互いに不協和音が出るなら、お互いがお互いであるために『さようなら』をしよう。

たつみのりは会社を卒業することに決めた。

迫られる退去

『会社を辞めたいと思っています。』

2人で本社の方にそうお伝えしたその日、一気に事態は動き出すことになった。

『会社を辞めるつもりの人にいてもらっても何だから昨日付けで退社にするよ。
今住んでるところは社宅でもう会社員でもない人が居るのはおかしいんだから自分達が宮崎にいる今週の日曜くらいまでには出てくれる?』
※この日は水曜日

わお、唐突。

すごく突っ込むところが多すぎるくらいの言い分だったけれど、実際に感情が反応したのは一瞬で、その後は事態を外側から見てた。

これは移動することを急かされている。
そんな風に感じた。

(こんな早急に移動を迫られるってことは…
なんかあるな。)

何があるのかは分からないけれど、これはどうやら一刻も早く早急にここから移動することをすすめられていて、きっと宮崎でやることは全て終わったんだろう。

本社の方に早急に家を片付けて退去するように指示された後に入った郵便局でいきなり手渡されたものに思わず笑ってしまった。

宮崎からの感謝が届いた。

この一連の出来事を読んでイラッとする出来事に感じるかもしれないけれど、たぶん全て順調なんだと思う。

あれ?もしかして?

そこからは急ピッチで荷物をまとめたり、移動先を決めることになった。

なにせこのご時世でそれぞれの家の事情もある。
退去することになった日まで時間もそんなにある訳じゃないから、新しい家を探して契約…なんて無理だった。

2人で相談の上、一旦生活の拠点をみのりんの実家がある山形に移すことになった。

『楽しかったねぇ~、宮崎』
『住みやすかったねぇ~』

荷物をまとめるたっつんを眺めながらみのりんは自分の荷物だけは必死にまとめていく。
(こういうのはたっつんの方が上手なのだ。)

住んだことのない温暖な気候と、まったりゆったりおおらかな宮崎の人々。

こういうことがなかったらずっと穏やかに暮らしていきたいな。
そんな風に思える所だった。

思えばイザナミのおばあちゃんをお迎えに来たって感じじゃないか。

家族は一緒がいい。
いつもスサノオのおいちゃんがそう言っていたように私は家族のいる山形に戻ることになったのかもしれない。

最後はここからたつみのりはまた旅に出た。

会社員をしながら宮崎にいたたつみのりは九州を回ったり、気になる所に自由に行けていたわけではなかった。

また今度、宮崎に来ることがあったら『また行こう』『今度は行ってみたい』そんな場所がたくさんある。

今度は旅行しに来よう。
2021年12月半ば、たつみのりはそう決めて空からまた旅に出た。

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リアルな見えない世界の体験を綴ろうと思っています。自分が感じた感覚をそのままに。私の大切にしたい世界が伝わることを願って。見えない世界も大切にしたいと思う方はサポートしてくれると嬉しいです。