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神とお産と人の営みと…②

子宮は内から開く!?

今回のお話もあくまで医師免許もなく、看護士でもないボディーケアセラピスト歴10年のみのりんと東洋医学を趣味で嗜むたっつんの考察としてお腹の人がやってきてからのことを書いてます。

痛みのないつるすっぽんなお産を目指して日々を過ごすやさぐれ妊婦のみのりん。
そんなみのりんにやっと声が届いたとばかりにイザナミのおばあちゃんは色んな話をしてくれる。

その一つが『子宮は内から開く』ということ。

私たちはどうしたって外の世界にいるから外側から子宮を開こうと考え勝ち。
だけど、産まれてくる命のタイミングで子宮が伸縮を始め、内側から開いていく…らしい。

もちろんこれも医学的に証明された話ではない。

『子宮の構造は命を抱き、抱かれた命を外の世界から守り育てる為にある。外側からの働きかけで開くのは難しい。内から開くのだ。外からこじ開けるものではない。』
(これは男性の皆様にも言いたいことらしいよ!)

イザナミのおばあちゃんの話を聞いて、さっそくみのりんは自分の中にあったお産のプロセスの捉え方を変えた。

陣痛とは言わず、内側から子宮を開く子宮の伸縮。
この伸縮に合わせて呼吸をすることで痛みなく、子宮口パッカーン☆なのだと。

『子宮を柔らかく伸縮させるために今から体作りじゃ!』

イザナミ式お産術…私には何が1番難しいかって食べるものを選ぶことだった(笑)
なにせ住んでいる場所から直接買い付けに行くには難しいものがたくさん。

ここで大活躍したのはパートナーたっつんだった。

柔らかな体を作るたつみのり食事法

ここで東洋医学を趣味で嗜んでいたたっつんの知識と感覚が冴え渡る。

私の体を作っているのは日々の食事…たっつんはみのりんの呼吸法と股関節ストレッチに合わせて食事面を整え出した。

ここでも後ろの見えない方々が色々と指示を出してくれて『これ、みのりん専用食料ね!』というものが発注され山のように積み上がった。

見えない方々がオススメするのは自然な流れでのお産…そういうことでたつみのりが参考にしたのは自然分娩を目指す情報だった。

消化分解の難しい油と糖だと体に溜まりやすく、体が冷えれば体の中で固まる。
なので、まずは添加物と砂糖を控えて過ごすことにした。

お産が怖すぎるみのりん。
何だってする。(笑)

元々たっつんのおかげでえぇ調味料は揃えられ、砂糖が家にない生活には慣れている。
どうしても甘いものがほしい時はメープルシロップで甘さをとった。

極めつけは自然塩で作られた種まで食べられる梅干し。
なんでも取り寄せるために送料という物理面にぶち当たっていたら鼓膜が痛くなるほどに『買って!!!』と叫ばれたらしい。

イザナミのおばあちゃんだろうか…???

『で、300個買ったから1日3粒食べてっつん!』
『…酸味で体を柔らかくするってことなのか???』

後ろの見えない方々の考えはわからない。
けれども、どれも出来ないことじゃないから乗ってみよう。

幸せに包まれて産まれる幸帽児

さて、色んな調べものに明け暮れるたっつん。
なにせ彼はみのりんのお腹に人が入ったことがきっかけでお産のプロセスを初めて知るようなものだった。

お腹に人がいると分かった時のみのりんの荒れっぷりも誰よりも近くで見ていたし、誰よりも八つ当たりされていた男である。

今では1番のサポーターとして環境を整えてくれている。
そんなたっつんがとある日みのりんに教えてくれた。

『ねぇねぇ、幸帽児って知ってる?』
『こーぼーじ?…そういうお寺なら知ってる。』

幸帽児…羊膜を被ったまま産まれてくる子のことをそう呼ぶらしい。
羊膜に包まれているので母子ともに体に傷がつくことも感染症の心配も少ない。
何よりお産にかかる時間も短い。

最後の情報にみのりんは食いついた(笑)

母の実家が畜産農家だったみのりんは動物が羊膜に包まれたまま産まれてくるのを知っていた。
べしゃっと叩きつけられるように地面に産み落とされても羊膜と中の羊水が衝撃を吸収して産まれてきた子供はぴんぴんしている。

遥か昔、人間も動物であることを考えれば…もしかしたら羊膜を被ったまま産まれてくる方が主流な時代もあったのかもしれない。
きっと食べているものの栄養状態も今とは違うし、安定して供給されることがない食料で胎児の大きさは小さい。
医療設備も整わず、お産に長い時間もかけられずにいたくらい…遠い遠い昔の人の営みのイメージだ。

今、幸帽児が産まれてくる確率は80000人に1人。
今まで知らなかった存在を知って、また1人、人の命の営みに想いを馳せた。

昔と今、どちらの時代がいいとか優れているとか、今を生きる私には関係ない。
お腹の人の産まれようとする力に産む方の私が出来る限り添ってサポートするだけ。

私だけでなく、パートナーたっつんも手探りで考えながら出来る限りのサポートをしてくれる。
たっつんだけでなく、周囲の家族全員が摩訶不思議なたつみのりのお腹の人との過ごし方を受け入れて応援してくれてる。

幸せを被って産まれてきても産まれてこなくてもお腹の人はきっと世界に歓迎されるだろう。
きっと産まれてくる命は全て世界に存在を肯定されて、歓迎されて産まれてくる。

お腹の人の声、神々の声、人の営みと社会の構造、いろんなものが絡み合った中で私は命の営みを感じた。
神と人の営みが交わる不思議なやさぐれ妊婦の日々は続く。

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