椿屋四重奏二十周年によってあの頃の自分に再会した話。

2023年6月24日。
テレビを眺めながら二週に一度の日本酒での晩酌を楽しんでいた土曜の夜、ふと見たTwitter(この時はまだXじゃなかったよね?)のトレンドに上がっていた"椿屋四重奏"の文字。



まじか!!!


やばいやばいやばいこんなの見に行きたいに決まってる、でも東京の会場は?人見記念講堂??キャパ2000ちょい???あー望み薄いーーでも見たいーーーと思いながらまずは音源を引っ張り出してきて聴いた。

てか円盤だとこれしか持ってなかったんだ…(しかも旦那のだし)

先行から一般までチャレンジを試みるもやはり撃沈。しかし配信されることが決まって歓喜。「会場に足は運べずとも、これだけは絶対に見なくては」と、コロナ渦で配信ライブが一気に広まったときですら一切課金しなかったのに珍しく購入した。



椿屋四重奏を知ったのは大学のバンドサークル時代。1個下の後輩が好きなバンドとして挙げていてCDを貸してくれた。「荒っぽさ・激しさと美しさが共存した音だなー」というのが感想だったように思う。
そのCD「薔薇とダイヤモンド」のレコ発ツアーで回ってくるということでチケットを取った。

半券はちゃんと取っておくタイプ。てかチケ代安っ!


さて配信を見た話に戻そう。

「プロローグ」って本当に幕開けにふさわしすぎる曲。キラキラしてて、これから起きることへの期待が掻き立てられるというか。
からの「幻惑」の激しさ!ギャップ!!だがそれがいい!!!
「だいたいどの曲も聞いたことあるなー」って思ったらそうだった、「RED BEST」はパソコンのiTunesに入ってるし、ツイログ遡ったら「CARNIVAL」もレンタルしてMDで聞いてたっぽい。
解散から12年経っていても声がほぼ変わらない中田さんに感心したり、「りょうちんはなんでそんなキリン柄のお衣装…?」と思いながら見進めていくうちにどんどんと記憶が蘇ってきた。



「林檎ちゃん(椎名林檎嬢ね)のようにギターを弾いて歌ってみたい!」くらいの憧れでサークルに入ったはいいもののバンドサウンドにそんなに馴染みがなくて、先輩や同期がコピーしているバンドのCDを借りて聴き漁って少しでも知ろう、世界を広げようとしていた大学1年生。
教員免許取得のために他の人よりも授業を取っていたからバイトは週2だけ。そのバイト代は服を買うかライブのチケット代に。だんだんとライブハウスの空気、温度や湿度、音の大きさにも慣れていった。
そして前述の椿屋のライブに行った2005年の秋。
この日のライブの記憶って中田さんが第二ボタンまで外した白シャツ着てたことと、真ん中よりちょい下手寄りの4,5列目くらいで見てたな、くらいしかないんだけど、実は前日にロストバージンしたんですよ。付き合ってもない人と関係を持って。(人生における一大イベントだから流石にこの記憶は間違っていないぞ)
曲の中の世界で繰り広げられていることが自分の身にも実感を持って迫ってきたというか。見える世界、それこそ聴こえてくる音が今までと違うというか、「知ってしまった」「わたしもそっち側の人間になってしまった」的な。
その相手、付き合ってないっていうか、わたしは好きで、一度振られたんだけど、その後もあっちが「会いたい」って言ったらホイホイ行ってしまうようなまぁ都合の良い関係だったんですわ。"好き"って気持ちが簡単に消えるわけでもないしね。求められてるんなら差し出しますよ、状態。
そんな間にも他の女の子と話したり仲良さげにしている様子を見たり気配を感じ取っては勝手に嫉妬して狂いそうになったり、家に帰れば独り泣いたり。ちょうどそんな日々の真っ只中に椿屋のライブを観、曲を聴き続けていたんだった…
まぁそんなすったもんだあった男が、先の「深紅なる肖像」の持ち主である旦那なんですけどね!!!!!(はい丸く収まった)(ちなみに旦那はNHK-FMの「ミュージックスクエア」で「小春日和」がエンディングで流れてるのを聴いて気になってCDを買ったんだとさ)(この話もセフレ状態だった期間に聞いてるんだけどさ←)

「恋わずらい」と「不時着」はDateFMで椿屋のライブ告知のCMで使われてたよね確か。テレビなし・ラジオがお友達だった仙台での一人暮らし時代。ライブももちろん行きたかったけど、薄給サービス業でチケ代捻出するのも希望休を勝ち取るのも難しくて、「いつかまた」とチャンスを窺っていた。…からの2011年始の解散の報。本当に絶望した。
あ、ちなみに配信を見る前に下記のnoteを読んでいたので「恋わずらい」はわたしの中ですっかり「えっちが過ぎる曲」として上書きされてしまった。



改めて、音楽ってすごいなと。めちゃめちゃざっくりで陳腐な言い方だけど。
思い出や当時の気持ち、良いものも悪いものもぜーんぶくっついてて、引っ張ってくることができるんだもの。

そしてできればデータでなくて、円盤がそこに在ってほしい、所持していたい派なのだと今回の出来事で実感した。もちろんいつでもどこでも聞けるサブスクはありがたいけど、歌詞カードを眺めながら、アーティストが「これがベスト」と考えたであろう曲順で、スピーカーからの音に耳を傾けるという行為が、思っていた以上にわたしにとっては重要だったようだ。

…ってことで配信を見た後に買い集めちゃったよね。

なんだかんだ一番好きなのは「TOKYO CITY RHAPSODY」な気がする


話があっちこっち行って申し訳ないが、配信を見た感想に戻る。
アンコールで登場したのはオリジナルメンバーのたかしげさん。
公演の直後に上がったレポートで「オリジナルメンバー3人揃ったよ」っていうのは知っていたんだけれど、「群青」のイントロ聴いて思ったね、

鳴りが違うんだわ。



サポートの隅さんのベースが悪いってことではなくて、この音圧とか音の繋ぎというか運指?に"椿屋四重奏"を感じて、奏者による違いをまざまざを見せつけられた気分だったのよね。

ということでびったびたに?ひったひたに椿屋の音に満たされ、潤い、懐古し、ちょっと胸が疼いたりしつつ、わたしの亡霊も成仏された(中田さんのMCでの表現拝借w)のでした。

とりあえず…

Blu-ray/DVDリリース待ってます!!!(切実)


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ミキティ
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