運営についてのあれこれと、やりかたについて

この記事は某鯖アドベントカレンダーの一環として作成されています。

皆さん、イベントやってますか
ここで言う「やる」とは、

  • 一定期間でゲーム中に獲得したファンの総数を競う

  • DJイベントで来場者のテンションや心をつかむ選曲をする

とかそういう話でなく、
参加者を募って実施するイベントの主催、運営をやってらっしゃいますか?(リアル/配信問わず)
という意味です。

私はDJイベントの主催やレギュラーをさせていただくこともあるのですが、あんまり私自身が「こういうのやりたいぜ」という強い意志をもって始めたイベントは特にありません。
大概知り合いからの相談を受けつつ参加させていただき、運営から主催をやるかレギュラーをやるかしています。
とはいえ嫌々やっているのかというとそうでもなく、今やらせていただいているイベントはすべて楽しく大事にやっております。

  • 別に自分がやりたくて始めたわけでもないイベントになぜ労力を使うのか

  • 何が楽しいのか

なんかをこの記事では最終的にご理解いただけるといいなと思いつつ、
以下をお読みになった皆さんのうち一人でも、運営という形で何らかのイベントに参画してもらえるといいなと期待しております。

運営は何が楽しいのか(先に結論)

自分の身の丈で想像しないような結果や成果が実現できたりする
からです

主催と運営の違い(個人の見解です)

辞書的な意味はなんかもう辞書に任せるのですが、個人的な立ち回りとしては下記のような違いがあると思っています

主催:主体となって催す役割。イベントに際しては主体となる、また開催に対して責任を持つ必要があるが、必ずしも自ら動く必要はない
運営:営みをうまく運ぶ役割。イベントに際して主体である必要はないが、準備や開催にあたってのあれこれが滞りなく進むことに責任を持つ

大まかに言い換えれば、
・主催はしおりや台本の表紙とやることを決める必要があり、
・運営はスケジュールや各予定の中身を作る必要がある
という感じで表現すれば伝わりますでしょうか。
とはいえこれはきっちりと線引きできるわけではなく、全部を一人でやる人も居れば、細かくタスク単位で意思決定と実務を分担する場合もあります。(私の場合は後者がほぼほぼ100%です)

役割分担で結果的に主催のようなことをするなら、主催として一から私がやりたいことを決めてから始めるようなイベントが一つくらいはあっていいのかもしれません。
ただ、個人の事情として
・今のところやりたいことやビジョンがあるわけでもない
・普通に運営だけでも楽しい
という理由で、今関わっているイベントの主催や運営をやっています。

運営って何をするのか

先ほどの話に戻るんですが、運営である以上、自分の名前があるイベントはつつがなく事が運ぶように留意しています。
と言ってもそんなに難しいことをやっていなくて、

  • 先々の予定を考えながら、必要になりそうなことを洗い出す

  • 間に合う範囲で連絡したり相談する

  • 場合によっては自力で片を付ける

みたいなことをやっています。
これもまた個人の話で恐縮なんですが、私がイベントのブース運営だったりライブ配信の番組を作ったりしていた時期がありまして、そこそここういうスケジューリングと対応の経験が多いという事情があります。
そんな事情である程度手癖でやれる部分が多いんですね。

とはいえしばらく前に頑張ったイベントがありました。
その経験を踏まえつつ、皆さんに実際の内容が伝わるように詳細をお示ししてみようと思います。

具体例:30人くらいで廃校でイベントした話

実際のイベントについては後日正宗さんあたりが記事にしてくれると思うので、僕の方は運営に寄った内容を解説します。
正直細かいので次の見出しに飛ばしてもいいと思います。

簡単にイベントの概要を説明すると
群馬の廃校を利用した宿泊施設にDJ機材を持ち込み、仲間内でDJしたりバーベキューしたりを二泊三日で楽しむというイベントです。
運営にあたっては、下記のような条件から諸々を組み立てる必要があります。

  • 去年別の場所で同様のイベントを実施済

  • 参加者が県を跨ぐ移動が必要

  • DJ機材を持ち込むなど、必要に応じて個人以外の荷物運搬も必要

  • 食事はある程度自炊をすることになる

  • 酒類も任意に持ち込む必要がある

  • これらに必要な予算は、原則すべて参加者から集めた参加費で賄う

これらに対して、おおまかに下記のような手順で物事を決めました

  1. やりたいこと(≒予算)の規模を確定させる

  2. 規模から参加費を割り出し、募集する

  3. 予算の枠を見ながら、詳細を確定させる

やりたいこと(≒予算)の規模を確定させる

まず、大まかに決めごとのカテゴリを

  • スケジュール&管理

  • PA及びDJ機材

  • DJブースの運用&管理

  • 撮影&配信

  • 飲食

  • アクティビティ&レジャー

に割りました。
この割り方は前回実績を踏まえてタスクの規模や専門性、予算の運用などの負荷が偏らないように意図しつつ割ったものです。
そして上の役割のどれかを担当してもらうよ、ということを案内したうえで第一期の参加者を募集しました。

そして締め切り後、フォームの回答を参考にすでに決まっていた運営で任意にメンバーを振りました。
一次参加者はかならず何らかの役割を担当しているようにして、各担当が中心となって予算と内容を決めてもらうことにしました。

これにより、特定の担当者が全部の予算を見るという地獄が回避されることになりました。
具体的にはDJ機材だけでも30程度の機材・部品数、20万程度の予算でして、ここにさらに食品や酒類の購入まで管理するとなると、かなりの負荷になることが想像いただけると思います。
これらを役割に応じて予算を振り、予算の中で整合性が取れていればいいとすることで、負荷の集中を防ぐことができました。

大まかにここでの私の役割は全体的には各役割の予算進捗と内容がどの程度妥当かを確認する程度です。
ただ、DJ機材やPA機材に関してはある程度業者との交渉や配線含めた知見が必要だったために主体的に機材規模や機種選定をやっています。

規模から参加費を割り出し、募集する

ある程度情報が集まってくると、予算がそう変動しなさそうだなというラインがわかってきます。
このくらいでもう一度募集をかけ、参加費がある程度見通せる状況であれば参加できるというメンバーを集めます。

予算の枠を見ながら、詳細を確定させる

参加者の増減に応じて予算額を変えたり、
予算枠として確保していた規模の消化予定を確認して必要であれば他の用途に振り向けたりと、予算の精度を上げていきます。

ただし、イベントの食費に関しては当日購入される内容も多いので、最終的には清算時にしか確定しないだろうということも一定許容していました。
反対にDJブースなどは発注段階で予算が確定していなければおかしいので、
ここは当日までに確実に追い込んでいます。

※なお、ちゃんとした仕事であれば予算の付け替えは場合により何らかの問題となる可能性があります。今回の予算の目的は参加費の枠内でなるべく楽しく運営することだったので許してもらえている内容です。

この例をまとめると

振り返ってみると、

  • 業務・タスクの適切な切り出し

  • 切り出した各役割の進捗確認と適宜の判断

  • 専門的な内容に対してのコミット

くらいしかやってません。
大部分は参加者各位が各自で検討、計算してくれたり準備してくれていたりと、個々人の頑張りによってイベントが成立しています。

運営は何が楽しいのか(詳細)

色々長々書いたのですが、運営をちゃんとやれば下記のようなメリットがありました。

  • 一人がめちゃくちゃ頑張るストレスから解放される

  • 一人で出せないパフォーマンスが人数分負荷を分散して実現できる

似たようなこと書いてんなという感じなんですけど、ちょっとだけ違いがあるつもりで書いています。

前者は特に、主催が抱えがちな課題を意図しています。
イベントというのは大なり小なり決め事があり、これらを主催が全部解決するのは難しいんだけど、ちゃんと運営されれば主催そこまで決めなくていいね、というメリットを指しています。

後者は人数規模に応じて発生する課題を意図していて、規模の大きなイベントになればなるほど、全体の意思決定や方針の共有、進行の負荷が上がります。
これもちゃんと運営されれば適切な規模でタスクが分散しますし、人数規模が膨れてもそこまで個々人の負荷が上がらないしちゃんと実現しますね、というメリットを指しています。

ビジネス的な表現をするなら、

  • 前者は0→1の時に発生する課題に対するメリット

  • 後者は1→10の時に発生する課題に対するメリット

という感じになります。
主催として優秀な人なら割と前者はやれるんですが、後者は結構運営としての能力も必要になります。
これが目に見えて成果になると、

  • イベントの当初に考えてなかった規模や質のことがなぜか実現している

  • すごい成果を達成したのにそんなに疲労感がない

など、雑にレベルが上がっていて物理でも殴れるようになったみたいな感覚になります。
ゲームでは何かとレベルを多めに上げて雑に勝てるようにしがちな僕としてはとてもスタイルに近くて楽しいんですね。

そんなわけで、運営は楽しいですよというお話でした。
イベントではビジョンがあって色んなアイデアを出していく人が目につきがちですが、運営するという行為も楽しいものなので興味が出てきた方は知り合いのイベントとかを手伝ってみてはいかがでしょうか。

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