【定量を定性に、定性を定量に読み替える】


僕が前職を辞める時の判断材料の一つが、
「粗利率が年々下がっている」ことでした。

粗利率が25%だとすると、
7,500円で仕入れたものを10,000円で
売っているということです。

粗利率が低いということは、
「仕入れたものに付加価値をつけずに
そのまま売っている」ことになります。

僕らがスーパーで野菜を買うのは、
農家さんから直接買うよりも楽だからです。

高額品を百貨店で買うのは、
普段頻繁に買わないものだから、
買う時のアドバイスが欲しかったり、
何かあった時の保証をして欲しいからです。

こういう付加価値をつけられるからこそ
仕入れ値よりも高く売れるわけで、
それを示すのが粗利率なわけですが、
それが下がってきているということは、
「自社から買う理由」が減ってきている、
ということになります。

こうやって考えると、経営の目的が
「自分たちならではの価値を顧客に提供して、
より便利に、より幸せになってもらう」
だとしたならば、
粗利率っていうのは
「自社ならではの価値が提供できているか」の
目安になるわけだから、
すごく大事な指標ですよね。

営業利益も大事だとは思いますが、
営業利益は粗利(収益)−販管費(コスト)なので、
コストを抑えれば営業利益は増える。

もちろんお金の無駄遣いはよくないけど、
そもそも自社独自の価値が提供できてなくて
粗利が減っているという問題は、
コストダウンでは本質的解決にならない。

利益が増えているとか、
コストが減っているというのは定量の議論。
それをちゃんと定性の議論に置き換えるのは
とても大切なことなのかなと思います。

最終的に人間は、
数字(定量)ではなく意味(定性)で動くと思うので。

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