令和の三浦事件。

 舌鋒鋭いと言うか常識外れと言うか、あまたの炎上発言で物議を醸し、売れっ子の女性コメンテーター、自称国際政治学者の三浦瑠麗氏(42)が逆風にさらされている。2023年1月20日三浦氏の夫である清志氏(43)が代表を務める都内の投資コンサルタント会社「トライベイキャピタル」と三浦夫妻の自宅マンションが、10億円の詐欺容疑で東京地検特捜部の家宅捜索を受けた。
 号砲一発、瑠璃氏の状況は一変した。世間の常であるが、それにしても見事な同調か、あるいはスポンサーに対する忖度か、テレビ界は一斉に瑠璃氏に背中を向け、今後メディアの出演はなくなる。
 渦中の会社「トライベイキャピタル(東京都千代田区永田町 山王森ビル)」は、投資管理、企業コンサルティング、再生可能エネルギーの開発・建設・管理などを手掛けている。
 清志氏は業界、政界、上海電力、旧統一教会などとの関係が指摘されている。また21年12月小池・都知事は新築住宅の太陽光パネル設置を義務づける条例を決定したが、そこへ波及すると、妖怪変化の大事件となる可能性がある。 
  しかし、最近の森友・加計問題、明治神宮外苑の再開発計画が絡む東京五輪疑獄事件などを見ても、事件の全貌が明確になる前に「天の声」が発令されるのか、どこからともなく特捜部に「打ち方止め」の暗号が届くようで、あるいは今回は奥様の常識を超えた尽力が功を奏しているか、清志氏は刑事告訴されても、まだ逮捕に至っていないところを見ると、何となくそんな気もする。
 特捜部は政治家の汚職、大型脱税、経済事件を独自に捜査する。この類の事件では最初から特捜部が捜査・摘発に乗り出し、巨悪を眠らせないのが本来の役割で、今回こそ最後の最後まで追究し、全貌を明確にする必要がある。
 無名の瑠麗氏を引き上げたのは安倍・元首相で、15年に「日本に絶望している人のための政治入門」を文春新書から出版した。元日にメディアに初登場し、それからは政権の親衛隊の一人として出世の階段を駆け上った。
 一方、瑠麗氏が代表を務める「山猫総合研究所」のオフィスは「トライベイキャピタル」と同じ場所にある。「全く関与していない」と言っても、夫の会社の株をほぼ半分持っていることを過去に自白している点からも、自身が事業者であると言える。
 瑠璃氏は幹事長時代の菅・前首相と知り合い、見識者の一人として、菅内閣の成長戦略会議の委員に就いた。「山猫総合研究所」からまるっきり事業者としての要望書を提出したが、菅氏は三浦夫妻の事情を知って、委員を任命したことから、特捜部はこの方面からも責任を追及したようだ。
 また清志氏は事業を通して、大樹総研、テクノシステム、JCサービスなどの同業者と関係があり、矢島氏とは商売仲間の関係である。「政商」「政界のフィクサー」と言われる大樹総研・矢島氏は菅氏と元幹事長の二階氏とは親しい関係にある。
 世界で1、2を競う電子力発電機、太陽光発電設備、風力発電設備、送電・配電設備などの発電設備メーカーの上海電力(中国 上海市)の100%子会社である上海電力日本は13年に設立された。廉価な価格で太陽光発電設備を建設し、清志氏、矢島氏、菅氏とも関係がある。
 旧統一教会との関係は以前から「トライベイキャピタル」は教会の幹部で、威圧的な態度で振る舞う福本弁護士を代理人として立てており、この事実が判明し、関係者は仰天した。三浦夫妻と統一教会の関係は不詳だが、なぜ福本氏に依頼したのかは謎が残る。  
 令和の時代に入って、急に三浦夫妻は羽振りが良くなり、とくに瑠璃氏のセレブぶりは評判となり、さらに得意げで注目を集めた。               その頃1週間ほど家族は豪華なヨーロッパ旅行を楽しみ、2、3億円とされる六本木ヒルズの上層階の超高級マンションを購入し、軽井沢にも別荘とヨットを所有するようになり、永田町のど真ん中の森ビルに事務所を構えた。
 10億円のうち6億円が費やされたようだ。

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