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タイの社会派BLドラマ「NOT ME」

タイBLドラマ「NOT ME」とっっっても良かったです!
終わってからしばらくnoteにまとめようと思ったものの、好きすぎる作品ってまとまりきらないですね。。でも書きます。

OffGun主演、二人の3作目である今作。アラサーになっても二人でCPドラマをしてくれるなんて感謝です。アクションBLって感じの予告だけど、全体はBLの要素は少なめの、社会派な作品だと思う。BLに興味がない人も見て欲しい。

全体のストーリーと設定

離れ離れになってた双子のWhiteとBlack、Whiteはある日、双子の兄のBlackが怪我で重体になったことから、兄を怪我させた真相を知るために、兄になりすまして彼の率いてたギャングたちに潜入、その中で恋が、、、みたいな話。(ざっくり)

宿敵タウィーを倒すために、という名目で集まる荒々しいギャングたち、普段は法律や政治や芸術を学ぶ学生、という設定がもうめちゃくちゃいい。Whiteも法律を学ぶエリート側だったわけで、ギャングの仲間に入ることで、自分が信じてたものが「特権」であることに気づき悩んでいく、、、

自動翻訳、、、

社会派とは、、?って思ってたけど、1話から突き刺さる話をします。
「『Rule of Law』その法の下では皆が平等か?」。という話をクラスメートと議論するシーン。その後も独占禁止法など…毎話様々なテーマを組み込んでる。
つまり、不平等な社会への疑問を投げかけ、不正義=(タウィー)と戦うということが全体の核になってる。

すべて本物。現実とリンク

どうやらこのドラマ、実際のタイで起こった事件やデモを扱ってたり、タイの政治を批判してたりする攻めよう。
例えば、Danが描いてた絵も実際の芸術活動家さんのものらしいし、Blackの恋人だったユージーンの踊るダンスの先生役で本物の活動家の方が出てたり、7話のデモのシーン、活動家もエキストラもレインボーフラッグも全部本物だって!

印象的だったシーン

7話、レインボーフラッグの下で二人が手を繋ぐシーン。デモに参加し「タウィー出て行け!婚姻の自由を!」と叫ぶWhite。Whiteに謝りにくるSeanは、この言葉を一緒に叫び手を繋ぐ。これは本当にBLドラマの歴史に刻んでほしいくらい素敵な場面だった。こんな真っ向からLQBTQ+のアイデンティティを表現するシーンを描いたドラマあったかな。そしてここで初めて流れる、OffGunのOST…………泣  もうハイライトはっちゃう。

アートと政治

自分たちの意思表示のためストリートアートをする友達たち。抑圧された心の解放をヌードデッサンで描くYokなどの、アートとの関わりがとても刺激された。
アートを通じて出会い発展する、YokとDanの恋愛ターンもとても良かった。。

監督ありがとう

今回の監督がLGBTQ映画などを作られてるNuchy監督という方で(ご本人もクイア女性)撮影の様子など見てるとハードなシーンも多く、今作も妥協せず映画のようなハイクオリティな作品を目指してることが分かる。
私はNuchy監督が昨年の発表会で「BLドラマがBLの枠でとどまってほしくない」みたいなことをおっしゃてたので、このドラマ、すごく楽しみにしてた。

実際これだけの事実をドラマに組み込みピースとして使ってくれるというのすごいし監督の思いを受けずにはいられない。そしてGMMというまあ大手のテレビ局でライトな若者も見るBLという枠で、これを放送してくれたことも感謝したい。


特に1話から圧倒されたのはGunの演技。もともとGunは演技の天才だと言われていたけれど、今回は一人2役ってことで本当に大変だったそう。でもちゃんと別々の人間に見えるんだよ、声の出し方まで変えたって言ってたけど。Offもこのためにだいぶ減量してるし、他の子もみんなアクションやら法律の勉強やら大変だった様子。。

とにかくすごいドラマなので、気になった方は見てください〜〜
U-nextか、要VPNでYoutubeで。

Ost  -  MySide OffGun
いつものかわいい二人。タトゥーしてるのちょっと面白い…


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