桃井御酒

誤脱衍を愛する者(成人済)。ドラマや映画や⚾🥌などなどを見ます🍶 歌人ならざるタンカー

桃井御酒

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記事一覧

固定された記事

大河ドラマ「光る君へ」の漢文とアナクロニズム

昨日かなり遅ればせながら、大河ドラマ「光る君へ」の第1回を観た。 力の入ったセットや小道具で、それらしい雰囲気が出ていてよかった。大筋で雰囲気が出ているから、細…

桃井御酒
3か月前
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歌集で受難した時代のこと

おととい夜(日付だと昨日)の記事で憲法の話を書いた。 その連想で、最近セキュリティ・クリアランスの法案が可決された頃にTwitterに流れていた画像を思い出した。(わ…

桃井御酒
4日前
8

晴読(晴れた日の読書)

長らく記事を書いていなかった。三月はばたばたして、四月はコロナに感染して、という具合だった。春はろくなことがない。オンライン歌会はなんとか続けている。 今日は憲…

桃井御酒
6日前
8

二月の雪

雪国出身ではないので、わたしにとって雪は特殊な天候だ。 小学生のとき、人生で初めて親類の葬式に行った。その親類の死を伝える電話がきたとき、家族みんなでこたつに入…

桃井御酒
3か月前
8

大河ドラマ「光る君へ」の漢文とアナクロニズム2

大河ドラマ「光る君へ」をおもしろく観ている。平安時代の政治劇が楽しい。 「光る君へ」第1回の漢文について書いた記事が、思いがけず好評をいただいた。ありがとうござ…

桃井御酒
3か月前
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バカやアホの話に百田尚樹

先日、大河ドラマ「光る君へ」に便乗するようなnoteを書いてしまった。喜んでくださる方が多かったようで嬉しい。けれども、もともと数人だったフォロワーが数十人になって…

桃井御酒
3か月前
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前川佐美雄にも廬蘆の誤り

「魯魚亥豕」とか「烏焉馬」とかいう言葉がある。間違えて形が似た別の漢字を書くことを指す。こういう漢字の間違えは、手で書くときよく起きるもので、古代中国からあった…

桃井御酒
4か月前
15

短歌むけに文法について書かれた本のリスト(仮)

「短歌 文法」とかのキーワードで検索すると、そこそこの数の本がヒットする。中には改版を重ねて売られている本もあるみたいだ。いわゆる「文語」の文法について知りたい…

桃井御酒
7か月前
19

勉強メモ:短歌表現のひとつの型

現代の短歌について、おもしろく分析するnoteを読んだ。短歌ゼロ歳児のわたしがお世話になっている人のnoteだ。読んで思ったことをメモしておく。 次の短歌から、現代の短…

桃井御酒
7か月前
8

自分を祝う

電車に乗っていたら、スマホを見ながらニヤニヤしているおっさんを3人も見かけた。なんでニヤニヤしているか分かったかと言うと、3人ともマスクをしていなくて口元が目に…

桃井御酒
7か月前
9

いま読める短歌は、すべて〈文語〉だ

短歌を作るために、短歌の言葉について勉強したい。とくに「文語」と呼ばれる言葉に興味がある。 とはいえ勉強は続けにくい。勉強の様子をnoteに書いて反応をもらえたら、…

桃井御酒
7か月前
11

ピーマン×3

「ピーマンの森」と題した月例のオンライン歌会に参加させてもらっている。とても楽しくて、感謝している。 わたしは歌を出すのも評を書くのもギリギリで、少しあっぷあっ…

桃井御酒
8か月前
4

日記が続かない人

また一ヶ月近くnoteを書いていなかった。 わたしは日記が続かない。そんなわたしにも、毎日かかさず日記をつけていた時期があったことを思い出した。 一時期とても好きだ…

桃井御酒
8か月前
9

SNSの移行を考えはじめたり抱負を述べたり

久々の投稿になる。もう二ヶ月ほど、noteを書いていなかった。そういえば小学生のころ、夏休みに日記を書く宿題があったかどうか覚えていない。あの頃も日記を書かずに過ご…

桃井御酒
9か月前
5

危ないのはお前だ

わたしは争いごとを避ける人間なので、とっさに「ごめんなさい」と言うことができる。薄暮の時間に歩きスマホをしていて、犬の散歩をする小学生にぶつかりそうになったとき…

桃井御酒
11か月前
4

話す通りに書くと意味不明

先週末に日課を作って以来、noteを書いていなかった。noteを書く時間は日課に使ってしまっている。 最近は、短歌の勉強のために、あらためて口語と文語についていろいろ考…

桃井御酒
11か月前
5

大河ドラマ「光る君へ」の漢文とアナクロニズム

昨日かなり遅ればせながら、大河ドラマ「光る君へ」の第1回を観た。

力の入ったセットや小道具で、それらしい雰囲気が出ていてよかった。大筋で雰囲気が出ているから、細部にあるアナクロニズム(後の時代のものごとが紛れこむ時代錯誤)が、かえっておもしろい。

視聴前にこのツイートを見ていたから、多少の先入観があったことは否定できない。けれども、過去を描くのにアナクロニズムはつきものだ。無毒なアナクロニズム

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歌集で受難した時代のこと

おととい夜(日付だと昨日)の記事で憲法の話を書いた。

その連想で、最近セキュリティ・クリアランスの法案が可決された頃にTwitterに流れていた画像を思い出した。(わたしはまだ「Twitter」と呼ぶよ。)

1925年5月8日の東京朝日新聞の記事の画像だ。

「治安維持法は伝家の宝刀にすぎぬ」「社会運動が同法案の為抑圧せられる事はない=警視庁は語る」。結局、治安維持法は特別高等警察=特高が好き

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晴読(晴れた日の読書)

長らく記事を書いていなかった。三月はばたばたして、四月はコロナに感染して、という具合だった。春はろくなことがない。オンライン歌会はなんとか続けている。

今日は憲法記念日だった。もう昨日か。とてもいい天気だったので外の公園のベンチで読書をした。公園は難しい本を読むのにいい場所だ。眠くなりそうになったら歩いて眠気を覚ませる。

公園では、長らく中断していた木庭顕『憲法9条へのカタバシス』(みすず書房

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二月の雪

雪国出身ではないので、わたしにとって雪は特殊な天候だ。

小学生のとき、人生で初めて親類の葬式に行った。その親類の死を伝える電話がきたとき、家族みんなでこたつに入っていた。蜜柑が蛍光灯で光っていた。雪の降る寒い二月の夜だった。

だから、わたしにとって二月の雪とは人の死だ。その親類に愛着なんてこれっぽっちもなかったのに。ついでにその時、人は死後数日でもひげが伸びると知った。花に包まれた顔で、ひげが

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大河ドラマ「光る君へ」の漢文とアナクロニズム2

大河ドラマ「光る君へ」をおもしろく観ている。平安時代の政治劇が楽しい。

「光る君へ」第1回の漢文について書いた記事が、思いがけず好評をいただいた。ありがとうございました。

そこに大抵のことは書いたし、第2回はあまり漢文が出てこない。もう「光る君へ」関連の記事は書かないつもりだった。

ところが一昨日、また遅ればせながら第3回を観たら気が変わった。やっぱりよく作られた雰囲気の中にあるアナクロニズ

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バカやアホの話に百田尚樹

先日、大河ドラマ「光る君へ」に便乗するようなnoteを書いてしまった。喜んでくださる方が多かったようで嬉しい。けれども、もともと数人だったフォロワーが数十人になってしまい、少し動揺している。

このアカウントは大した記事を書くためのものじゃないので、ご期待には沿えない可能性が高いです。今のうちに謝っておく。

「光る君へ」の記事で、バカの語源はたぶん史記ではないという話をした。これについては読まれ

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前川佐美雄にも廬蘆の誤り

前川佐美雄にも廬蘆の誤り

「魯魚亥豕」とか「烏焉馬」とかいう言葉がある。間違えて形が似た別の漢字を書くことを指す。こういう漢字の間違えは、手で書くときよく起きるもので、古代中国からあった。

現代なら、PCやスマホで正しく読み方を入力して変換すれば、「魯」と「魚」を間違えることはない。しかし現代のデジタル環境でも「魯魚亥豕」は生まれる。言葉の意味や漢字の読み方が分からなければ、形が似ている別の漢字を入力してしまう。

たと

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短歌むけに文法について書かれた本のリスト(仮)

短歌むけに文法について書かれた本のリスト(仮)

「短歌 文法」とかのキーワードで検索すると、そこそこの数の本がヒットする。中には改版を重ねて売られている本もあるみたいだ。いわゆる「文語」の文法について知りたい人が、短歌の世界にたくさんいるんだろう。(たぶん俳句の世界にも。)

わたしは短歌の「文語」に興味があるから、文法をめぐって書かれた短歌の本もチェックしておきたい。とはいえ今のところ、こういう本から文法を学習するつもりはない。古典日本語の文

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勉強メモ:短歌表現のひとつの型

勉強メモ:短歌表現のひとつの型

現代の短歌について、おもしろく分析するnoteを読んだ。短歌ゼロ歳児のわたしがお世話になっている人のnoteだ。読んで思ったことをメモしておく。

次の短歌から、現代の短歌表現の型をひとつ抽出する手際がおもしろかった。

抽出された短歌表現の型を、わたしなりに書くとこうなる。ちなみに小説などの分析で「語り手」と呼ばれる概念は、短歌の分析だと「(作中)主体」と呼ばれるようだ。

【引用された発話】+

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自分を祝う

電車に乗っていたら、スマホを見ながらニヤニヤしているおっさんを3人も見かけた。なんでニヤニヤしているか分かったかと言うと、3人ともマスクをしていなくて口元が目に入ったからだ。

3人は、おっさんと言っても若い方の、見た感じ30代後半くらいの男だった。指で操作するでもなくイヤホンをしていたから、動画でも見ていたんだろう。みんな胸や腹のあたりでスマホを持っていたから、ニヤニヤ顔がむき出しになっていて、

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いま読める短歌は、すべて〈文語〉だ

いま読める短歌は、すべて〈文語〉だ

短歌を作るために、短歌の言葉について勉強したい。とくに「文語」と呼ばれる言葉に興味がある。

とはいえ勉強は続けにくい。勉強の様子をnoteに書いて反応をもらえたら、やる気が持続するかもしれない。そんな不純な動機で、noteを書くことにした。

わたしが短歌を作ろうと思い立ったのは、去年の冬だ。それまで短歌に触れることもほぼなかった。つまり、短歌の世界に足を踏み入れてからまだ一年にもならない。

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ピーマン×3

ピーマン×3

「ピーマンの森」と題した月例のオンライン歌会に参加させてもらっている。とても楽しくて、感謝している。

わたしは歌を出すのも評を書くのもギリギリで、少しあっぷあっぷしている。評はおもしろいと思った歌ぜんぶに書くつもりでいるのだけど、真っ当なものが書けているのか、あまり自信はない。とはいえ、歌人ならざるタンカーとしての、わたしの感受性を鍛えるつもりで書いている。そのうち慣れると思っている。

このオ

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日記が続かない人

また一ヶ月近くnoteを書いていなかった。

わたしは日記が続かない。そんなわたしにも、毎日かかさず日記をつけていた時期があったことを思い出した。

一時期とても好きだった人がいた。そして、運のよいことにその人と定期的に会うことができていた。その時期だけ、わたしは毎日日記を書いていた。その人がポロッと口にした好きなバンドとか、苦手な食べ物とか、観たい映画とか、とにかく聞いた日の日記に書いていた。

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SNSの移行を考えはじめたり抱負を述べたり

SNSの移行を考えはじめたり抱負を述べたり

久々の投稿になる。もう二ヶ月ほど、noteを書いていなかった。そういえば小学生のころ、夏休みに日記を書く宿題があったかどうか覚えていない。あの頃も日記を書かずに過ごしてきたのだろう。

わたしはnoteを書かずにいた間、代ゼミ模試四位の人のツイートを探して遊んだり、短歌にまつわる読書をしたりしていた。楽しかった。でもTwitterが手放しに楽しい空間とも言い難くなってきて(わたしはあのサービスのこ

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危ないのはお前だ

わたしは争いごとを避ける人間なので、とっさに「ごめんなさい」と言うことができる。薄暮の時間に歩きスマホをしていて、犬の散歩をする小学生にぶつかりそうになったときも、とっさに「ごめんなさい」と言えた。大の大人に謝られた小学生は変な顔をしていた。

わたしの人間としての器は中くらいだ。非が無いと思っても「ごめんなさい」と言ってその場を切り抜け、あとあと愚痴をこぼす程度の器だ。

今日は家に着く直前に雨

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話す通りに書くと意味不明

先週末に日課を作って以来、noteを書いていなかった。noteを書く時間は日課に使ってしまっている。

最近は、短歌の勉強のために、あらためて口語と文語についていろいろ考えている。たとえばこんな感じだ。この日記は、口語文法にのっとった書き言葉で書かれている。けれども、話し言葉風の要素もそれなりに取り入れられている。

わたしは、瞬発的に話すようなやり方で文章が書けない。Twitterで見かけた悪文

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