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短い記録334:【過去作品再公開】進退伺
ごきげんよう、ナガセです。
気づいたらヤバい時間で慌てて帰ってます。
多分、noteでは出してない昔のやつ。
今日のヘッダーは、Canvaで「退職」で調べたやつ。
駅前のネットカフェに来ている。
会社の電気は夜9時で消されて、建前上は残業禁止である。
しかし、大抵の人間は家に仕事を持って帰ってどうにかつじつまを合わせている。
私も普段はそうしているけれど、今日ばかりはそうもいかない。
何故ならば、進退伺を書かなくてはならないから。
早い話が、首の皮一枚状態。
この不況に職を失うかもしれないことが親にばれようもんなら、確実に強制婚活という名のお見合いまっしぐらだ。
冗談じゃない、ぶっちゃけ。
進退伺というのは、いわゆる反省文や始末書の仲間みたいなものだといえるのだけれど、それらよりも上のもので、つまりは、えぇと…自らの処分を上に委ねるというか。
はっきり言って辞表に近いものとしか、思えない。
洋服が好きでこの仕事を選んで、人と接する仕事以外の時間も思っていたより長くて辛いのはつらいんだけど、それでもがんばってきたつもりだったんだけど。
キャンセル待ち商品の取り置きについてで、お客様からクレームがきてしまった。
言った言わないの水掛け論になってしまい、もうどちらも引っ込みがつかなくなった。
懲戒免職で即クビとならなかっただけまだマシかも。
「あぁー、書けない書けない書けない書けない!」
個室のパソコンの前で、口パクでわめく。
もう辞表書いちゃおうかなぁ。
さっと辞めて、さっと次決めてっていかないよなぁ、やっぱ。
第一、次は何の仕事するよ?
こんなトラブルに巻き込まれたんだし、とりあえず接客はパスかなぁ。
事務=エクセルできない。
営業=なんとなくできそうな気はする。
洋服関連でいくと、デザイナー=ムリ。天上人の仕事。
パタンナー=興味アリ。
プレス=憧れ。
モデル=いやいや、151センチで?…
いつの間にか、あまったスペースにこんなことを書き連ねていた。
あ、バイヤーはやってみたい。
そうじゃなくて!
進退伺!
早く書かないと!
携帯が鳴った。
誰だろ。
げ、終電まであと40分だ。
ヤバイ。
メールは上司からだった。
タイトルは「仕事の借りは、仕事で返せ」。
本文には、「口で言い負かされた奴にそれ以外の方法で報復しても、おそらく気は晴れない。だから、あきらめないで仕事で返せるようにしなさい。それが出来たと思ったあとなら、辞めてもきっとこの出来事は無意味にはならない。月曜には、提出するように」
やられた。
ありきたりな自己啓発本には載ってないだろうな、この名言は、なんて思ってしまった。
辞めたいんじゃなくて、ひとまず今逃げたいだけなのを認めたくなかった。
洋服は好きだし、接客だって楽しい。
仕事で返すのは、どれくらいかかるだろう。ぼやぼやしている暇はない。
上司に何時かおんなじくらいかっこいいことが言えるようになるかなぁ。
終電まで30分!
(了)
今日は仕事が忙しすぎたので、それをきっかけにこういうの昔書いたと思いだしたので置いて帰るわ。
もー!
集中しすぎるん、止めたい!
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