第16回ウディコン投票コメント

33作品の投票コメント一覧です。
個人の感想であり、突っ込んだことはそれほど書いていない(書けていない)と思うので気楽に読み流してもらえたらと思います。


【1 勇者不適伝】

相手を倒してはいけなくて、和解で全ての戦闘を終える必要があることに新鮮さがある。ダンジョンはノンフィールドの形式で、次に何があるかを宝箱・戦闘・イベントなどで明示してくれる親切設計。相手の気分(警戒・安心など)によって味方の技効果が攻撃か和解に変わるといった一捻りがあるのも面白い。序盤に和解を受け入れる人々の多い場所から前向きに展開されていき徐々に拒否する敵方に接触していく物語の流れが良いし、誰でも和解できるかと言えばそうでもなくて、避けられない犠牲はあってそれでも前に進んでいくという落とし所のあるシナリオに納得感があった。あとはモカリーなどキャラデザインの可愛い奴らが多く、温泉イベントもあるのが加点対象。心に温かいものが残る素晴らしい作品。

【2 LIGHT OF MANA】

マウス操作の直感的なUIでメニューや戦闘画面のアイコン類が完全自作の優れたクオリティを誇る。ダンジョンの奥に向かいながら戦闘をこなし、ボスを倒してステージクリアするまでの「全ての演出に格別の爽快感」がある。戦闘は麻雀のルールをかなり分かりやすく噛み砕いたようなシステムで、ランダムで出現する玉(色と数字がある)から、とりあえず赤で攻撃→同じ色3つや連番を並べて簡単なスペル発動でも闘っていけるし、個数上限のあるアイテムを用いて回復も出来る。スペルは同じ色9個など厳しいもの含めて様々あり、プレイヤーが自由に装着して狙っていけるのも良い。ダンジョン探索でLV上げと金策が出来て装備による強化が可能で、物語も家族愛に溢れており、RPGとしてそつがない。総じて、欠点らしい欠点が見当たらない総合力の高い傑作。

【4 るぐれて】

エンディング回収のヒントが同梱されているため、30分程度で息抜きに全シナリオを楽しむことが出来た。人が薄くなる描写や霧の演出の不穏さがツボ。夏祭りと駄菓子屋とおばあちゃんの思い出に浸りたい人におすすめしやすい短編ADV。

【5 ラピッドスティール3】

ストーリーモードのみクリア。サクッと遊べる満足度の高いSTGであり、シールドがあって即ミスせず、ミスしてもその場で出撃(コンティニュー)できるのがSTGライトゲーマーの自分には有り難かった。戦艦と美少女の軽い会話が笑いを誘い、ボス戦も大体十数秒で終わるほどにテンポが良い。背景の3D表現や合計24体のボス・雑魚敵機の弾幕やレーザーが目まぐるしく画面を軽快に彩る中でサラッとプレイ出来る計算処理の速さ、合成音声で各キャラのフルボイス化を実現していることそれぞれに要したであろう労力を高く評価したい。

【6 デスペレートホープ】

マウス操作のお手軽短編ノンフィールドRPGで、スロットチャージして40になったマスから味方と敵の技が発動する。1~2桁の数値のやりとりでダメージ計算がしやすく、負けてもコンティニュー出来るのと1周が45分程度と短いため色々な戦法を試しやすい。ダメージ強化+大技を入れるタイミングや敵の強い技を使わせないなどの駆け引きが楽しい良作。

【8 チーターは無理ゲーを走る】

バグをチートで解決する様をRPGに落とし込んだ発想が面白く、目には目を、歯には歯を、チートにはチートを。これを地で行くプレイが許容されている。HP9999のボスを攻撃9999の装備でワンパン出来る爽快感があれば、チートを縛って長期戦を楽しむ事もできる懐の広いデザインが高評価。少ないマップ移動で寄り道イベントや隠しアイテムが用意されていて、飛べる先には何かがあったりと、プレイヤーの期待に応えてくれる。また登場人物がみんな和服でヒロイン枠のリュコが正統派美少女、カジノのイナバが口調含めて(あざとい)可愛いですん☆という感じで好み。

【9 イルシェラート -Ilshet tot Nostiltowi-】

ルート3でクリア。
2人1組で技を切り替えながらの戦闘やジャンプで素材集め・アイテム作成が楽しめるやりごたえのあるアクションRPG。キャラの服を着せ替えするための素材集め・寄り道イベントが豊富でクリアしても遊べる。魔法使いの衣装が可愛い。

【10 ±0 -Black Rain-】

マップが美麗で立体感・質感があり、建物や背景の描き込みが飛び抜けている。選曲も含めて雰囲気に合っており、全身絵の相手とマウス操作で剣戟を繰り広げるボス戦は圧巻の一言。つくね(主人公の愛犬)の仕草などキャラの動きも細かく、視覚的に面白い。その反面、ゲーム全体のウェイトやマップ移動にかかる時間の長さ、一部建物の入口が分かりにくい点は少し気になった。(キャラ絵が表示されて喋るまでの間や、時計塔の入り方など。入口に矢印のマーカーがほしい)

【11 水底の記憶】

夏祭りの喧騒の中で親友との記憶を辿るADVで、OPとEDのアニメーションの特に雨のシーンが力作で繊細な心理描写に見どころがある。TrueENDの展開とスタッフロールで流れる楽曲が水底のように余韻をもたらしてくれる。

【12 魔女にお菓子を届けましょう】

周回型のWWA系ゲームで、階層を進むごとにHP回復とSP(お菓子)減少していき、SPは道中のお菓子で回復していく必要があるのがユニーク。装飾品を2つ選ぶ事ができて、例えば守備装飾2つにLVボーナスは攻撃極振りでバランスをとるといったプレイが可能。マップ構造はシンプルで敵とアイテムが交互に配置されているだけなので、同ジャンルでもかなり遊びやすいと思われる。腕さんが好き。

【13 アンブレラブレイバー】

ノンフィールド形式のマルチEND洋館探索ゲーム。
おばけのデザインが可愛く、アメリのアニメーションやBGMの使い方など、切ない雰囲気の演出に見どころがある。道中の戦闘は敵の行動がパターン化されており、未練を断ち切るためにはうまいこと勇気(HP)を残しながら進めていく必要があり、頭を使う。簡単マウス操作で手堅くまとまった良作。
おばけの言葉を逆から読むとほんのり物語が補完される。おれをたおして、ふたりででるんだ

【14 Inifis】

END12個回収まで。生贄に選ばれた少女を救出して逃亡するか復讐するかといった選択がプレイヤーに委ねられているマルチEND形式の短編RPGで中毒性が高く、1周は短いが雰囲気と世界観が刺さりつい何周もした。一撃で敵を倒せるアイテムがあり物語を追いたい場合の配慮もなされているのが◎

【18 赤の騎士と青の魔法使い】

END1でクリア。序盤は1人で敵と闘う必要があり慎重なプレイを要求されるが、中盤以降の人狼が覚醒した辺りからパーティが2人に増えて戦闘の爽快感が一気に増す。物語も中盤以降、主要キャラや人狼の核心に迫っていく展開でゲーム全体の面白さが加速する。特に最後の着地が、赤の騎士と青の魔法使いのどちらが欠けても決して成立しない美しく収束した物語であったと思う。是非最後までプレイしてほしい作品。

【21 ジャンクエデン2】

機体を作り上げて地図の見えない箇所を開拓していく手探りの楽しさがピカイチで時間を忘れて熱中した。道沿いの基地で手に入る収集物が机や花の他に画像やBGMなどの多岐にわたり、とりあえず集めて拠点に配置して遊ぶ楽しさがある。但し敵機や重要拠点との戦闘はハードで、撃破しては戻り大破させられては戻りを繰り返すことになるが、機体のパーツを工夫することで回避ゲーが出来たり敵の弱点を突くことができる。何度も挑戦していくうちに重要拠点での闘い方が閃くなど、ゲーム中で詳しい説明はないものの自分でプレイスタイルを確立していく上手くハマった時の達成感・高揚感が生まれるデザインが成されており、やればやるほど良さが見えてくるタイプの作品だと思う。捕虜と逆関節脚は大事にしよう。ゲーム内時間で3日経っても出ない?うーーんリセマラかな。こういった手探りもまた一興である。

【23 魔王復活物語】

未完成のゲーム世界を、セーブデータとアイディアメモを行き来しながら進める謎解きに寄ったRPG。先に進むために必要な行動の全てには意味があって、そこに抜け道の手がかりがある。抜け道を掻い潜った先の終点には美しい景色が広がっている、ということくらいしか言いたくない。とにかくプレイヤーの目と頭と感覚で確かめてほしい名作。

【26 カニハザード~カニ滅外伝~】

ウルファールが剣でカニを倒しまわるアクション系ミニゲーム。合間の息抜きとして気軽に遊びやすかった。

【29 ダーゴラス】

歩行が速く終始テンポの良いRPG。メデューサ石化→\パァーン/→即拠点 って感じで戦闘がスピーディかつしんでもお金がもらえるおまけつき。探索が進むにつれてショートカットが開通し、海に飛び込めば船に乗れるようになり、気球で空を飛べるようになる。きぼうのブレスレットの転移先が城のみから行ったことのある場所全部になるタイミングがあるなど、プレイヤーが求める快適さに良いタイミングで配慮を入れてくれている。所々短文でパンチの効いたフフってなるテキストも見どころ。

【32 チリガミの塔】

独自性の高い戦闘システムだが、チュートリアルや会話の説明が丁寧でダメージ予測が完備されているので直感的にプレイしやすい。網目上のマス中心に武器の攻撃範囲が乗りマス色による有効武器の違いや敵の固有弱点を兼ねて予測されることからシンプルな操作で奥深く、何よりエイムで攻撃中心を移動できることが戦術の幅を広げている。とは言えノーマルクリアなら、上に盾か高耐久武器・下に強い武器、予測は一番右の与ダメージと上の敵残り体力見れば大体行けるくらいのバランスでプレイしやすかった。
他に3Dモデリングされたロボが動くムービーや雪のフロアでマウスドラッグすると指紋が付く細やかな遊び、武器ごとに攻撃時のグラフィックが用意されているのも良いポイント。

【37 エリスと悪魔の書】

敵の強さ(5段階中)の4でプレイ。概要通り戦闘をメインとした探索RPGであるが、マップ構造はシンプルで迷うことがなく、移動のたびにキャラがこまめに会話するため戦闘以外の楽しみもちゃんと用意されている。主人公(万能系)の他に、キャラ毎にタンク・物理アタッカー・魔法アタッカー・デバッファーなどの役割がはっきりしており、道中の雑魚戦はお気に入りで一掃し、ボス相手だと相性を考慮した各キャラの役割を活かす必要がある良い塩梅の戦闘が楽しめた。あとは装備強化が結構大事で、キャラがソロモン72柱由来のネーミングで美少女揃いなこともあり、お気に入りの武具をプレイヤーが選んで強化できるのも推しを育てる楽しさに繋がっていた。個人的にはクイックスペル→フルルの全体魔法で雑魚一掃のムーブがお気に入り。

【47 「■」の多いダンジョン】

■で文字が読めない導入から始まり、辞書で少しずつ読める文字が増えていくのが面白い。戦闘は任意の順番で技をセットしてGOするオートバトル形式で完全パターン化するパズルに近く、シンプルなようで癖になる。セットを間違えてもEscキーですぐリトライできるので遊びやすい。

【51 迷宮郷まよろば】

マップの描き込みと呼応したBGM/SEの表現がこれまでに類を見ないレベルで卓越しており風情が出ているとの一言で片付けるのが申し訳ないほどにデジタルなリアル・ファンタジー・メルヘン・微ホラーの融合した夢のような作品。まあしかしながら、どこが行ける場所で、入れる扉なの?って迷子になる箇所もあります。が、それも意図通りってことらしく、文字通りの迷宮を時には迷いながら耳と目が幸福に包まれながら、2時間ちょっとで何とかおたからを100%にしてゴールできました。

【52 記憶のあらいかた】

マウスで画面を操作しながらゲーム外でフォルダを整理する過程が新鮮だった。説明書の()内に自分の名前を入れたら展開的に恥ずかしさで倒れそうだったのでテキトーな偽名で回避しました。

【54 放浪者セレナ~少女を救うため、闘技場で戦う女~】

訓練で基礎ステータスを強化したり囚人と交流しながら闘技場を勝ち上がっていくゲーム。選択肢で強化内容とEND分岐が変わるつくりでシナリオも優れているので短い時間で高い満足が得られる。世紀末っぽさのある外見のモブキャライラストが笑いを誘い、多くのキャラが立っていることが物語性の補強に繋がっている。看守のデレや「信じることにした囚人」など、テキストも遊びが豊富で楽しい。ゲーム部分はパンチ特化・キック特化など自由にプレイしていけるが、自分は中盤以降攻撃回数を2→3として膝飛ばしを連打するのがお気に入りだった。セレナの物事を何でも受け入れる姿勢が正に物語の主人公でありイケメン(女性)だなと感じた。

【55 デス ウエスト トレイル】

まどか編でクリア。西部劇風のレースゲームの様相でロボットだけでなくパトカーや軽車両に馬まで出てくる無法さが見ているだけで面白い。ゲーム自体は平易なノンフィールドRPGで弱点を付いたり修理でHP回復できる。宝探しが軽いダンジョンマップであったり、出てくる車両や武器が多彩なのでマンネリ化することもなく、最後まで駆け抜けることが出来た。良作。

【56 リーフの1人花屋営業】

花を売ってダンジョン探索して花を売って褒められるミニゲーム。
ゴーレムで堅実に敵を倒したり1体くらいはアックスゴーレム入れて命中10%の博打を楽しもうAXE!

【59 勇者の苦難】

ノーマル全救済→ハード3つ救済→ノーマル救済なしの順でクリア。
ツクール2000/2003系の素材で統一されたステレオタイプのWWAで、ジャンルが好きな自分にとっては実家のような安心感さえあるThe WWAって感じのゲームだった。いつでも拠点の各フロア入口に移動できる機能が便利で、どのフロアのどの敵から倒し、どの通路を開けて、どのアイテムや鍵を先に取っていくかを試行錯誤するのに役立った。この進めていく過程はやはり熱中度が高い。

【60 モダレスクエスト】

ローグライクの操作ではあるが満腹度の概念がないため、じっくり探索・宝箱を回収しながら敵を倒せる。強く褒めたいのが方向調整キーを押すと自動で近くの敵を向いてくれるところで、遊び易さに大きく寄与している。また、ぐんぐんレベルが上っていくのでゴリ押しが効きやすく、RPGの要素を上手く組み合わせることで、数段とっつきやすい作品に仕上がっている。

【61 やけくそ料理人と不良債権】

NORMALでクリア。ハンバーグ+アクアパッツァと寿司+映え要求してきた客は許さねえ! (半分の)冗談はさておき、色分けされたマウス操作の直感的なUIで作れる料理は点灯・作れない料理はグレーアウトするのが最後まで遊び易さの支えになっていた。プラスワン+全力調理のBBと、肉+4やリロールが出来るトティと、魚+4が出来るアイラがとても活躍した。とても(人名)もとても活躍した。

【63 異世界転生(即死)】

30分程度でクリア。出落ち感のあるタイトルだが、画像をふんだんに使った演出や避けゲーアクション戦闘が随所にあり視覚的にも凝っている。天使がナチュラルに毒舌を吐くなど短文で畳み掛けるように笑いを取ってくる侮れないバカゲー。

【65 モンスター・レプリカ】

数百体のモンスターから4体パーティを組んでてっぺんを目指す育成RPG。モンスター全部のグラフィックと図鑑が用意されてるのが凄い。パーティは趣味で組んでも気軽に敵を倒せるバランスで、雑魚戦闘は体感逃走率100%だったのでスムーズに各地を歩きモンスターを集めることが出来た。色々なモンスターを取っ替え引っ替えして性能差を体感してみるだけでも楽しめる。

【67 かわいいヒヨコの大冒険】

外敵を避けながらヒヨコの巣に帰る避けゲー系のアクションゲーム。ステージクリアするたびにセーブを勧めてくるのは笑った。それに伴い、セーブスロット数が40個あるのは高評価。やられるときは一瞬ですぐロードから再開できるのでリトライ性も高い。

【68 ネクロマンサーの迷宮】

v1.04=>v1.21の順で2回プレイ。
大幅アップデートにより素材収集と合成装備の追加やシナリオ追加があり、敵の遠距離攻撃の頻度が増して近接すると大ダメージを受けるなど、お供を盾にしながら遠距離魔法で敵を倒していく濃密なアクションRPGとなった。お供はHP0になっても魂のシンボルから半分回復して蘇生できるためまさにネクロマンサーらしい闘い方が楽しめる。

【71 夢幻ノ迷宮】

エンチャント付き装備やキャラ毎の個性LVを上げて基礎ステ強化と技の習得をして最深部のボスを倒しにいくハクスラRPGで、やり込み要素「実績」も充実。 魔法使い2人が道中の雑魚散らしやバフ・デバフ役として、主人公がヒーラーとして活躍した。シンボルエンカウントで避けやすく、1~2時間でハクスラのゲーム部分に集中できる良作。


最後に。
昨年22作品で今年33作品の投票となったので総量としては増えました。
(来年も量をこなすかは未定です。その時が来たら考えます、くらいしかここでは言えませんが)

ただ本編クリアやEND1個で終わっているものがあれば、投票を見送ったけど気になっている作品(主に長いやつ)もあるので、期間後でも折を見てやりたいと思います。  以上!