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霊感という人格障害。

あまり知られていない、患者が強固に「自分には霊感がある」と言い張る事が特徴の 人格障害 を紹介します。

【統合失調型人格障害 / SPTD】

「私は霊が見える」って本気で言ってる人、SPTDです。

思春期の不安定な時期に漫画等の影響で霊感うんぬん言っているのは、子供がサンタクロースを信じているのと同じようなもの、いずれ大人になるまでの「夢見る年頃」というだけで人格障害ではありません。
若気の至りの中二病でもなく、怪談やオカルトが好きなだけで「本当に不思議な事が起きたら良いな。今日もホラー映画見て怪談のYouTubeと記事でも楽しもう」程度の軽めでもなく……

社会人になってからも、ガチで、すっごく真剣に、本気で「自分には霊感がある」と疑いもせず強く確信している人、霊的な宿命(具体的なエピソードがある)に突き動かされて行動していると確信している人(実際に何か行動に起こしている)はSPTDであり、彼等の言う霊感は、霊感ではなく統合失調型人格障害か妄想性疾患の症状です。

何があっても揺らがない、否定されるとかえって強固になっていく、自分の霊感や宿命への「強い確信」がSPTDの特徴です。
関連妄想というものがありまして、何かを見たり聞いたりすると、その情報に刺激されて妄想が湧いて、記憶がどんどん書き換えられて混乱していくんですって。道端の史跡を見て「夢で見た事がある」とか「霊視した事がある」とか「私は前世、ここに来た事がある」とか言い出すのが分かり易い例です。漫画や小説や記事を読んだり大河ドラマなどを観たりしていれば、重度の知的障害や記憶障害でない限り、それなりの知識は頭の片隅に残りますよね。普通の人は「あ、本かテレビで見た」ってなるだけですが、関連妄想があるSPTDの人は薄っすら覚えていた事を思い出すたびに、その記憶が妄想でコーティングされて『特別で神聖な霊的体験の記憶』=前世の記憶や霊視や夢 etc. として蘇ってしまうそうです。
知らなかった事を知っていたと言い張ったり、逆に知っていた事を初めて知ったと言い張ったり、マトモな会話が成立しない事も特徴だそうです。
大変ですね。
周囲に当て嵌まる人が居ても指摘してはいけません。
人格障害は病識が無く治療を望んでいない事も特徴の一つなので、治療を望んでいない人に余計な事を言うと傷付けてしまうだけです。
SPTDにとっては、自分の霊感を信じ霊的宿命を追いかけ続ける事が、受け入れがたい現実から逃避する唯一の方法であり、幸せなのです。

※霊感商法をやっている人はSPTDではなくNPDかASPDです。

占いが好きとか、寺社仏閣巡りが好きとか、恐山が好きとか、富士の樹海が好きとか、幽霊が出ると言われている廃墟が好きとか、パワースポットやパワーストーンが好きとか、スピリチュアルが好きとか……
そんな感じで、不思議なものが好きなだけで、自分自身の霊感への妄執が無く、明るく楽しんでいる人は「ただの趣味」で、SPTDではありません。

ガチで信じていて、悲観的で妄信的で「私は苦しんでいる」とやたらと自分の悲劇をアピールしている人がSPTDの患者です。

深刻になると、引きこもって人と付き合わなくなり、不気味な装飾で家を飾り立てたり、妙な服装で妙な儀式などをして周辺住民を不安にさせる事もありますが、仕事をしているなら社会性があるという事で、さほど深刻ではなく、自分の世界に浸りがちなだけで害はあまり無いタイプです。
ただ、霊感があるという妄想が異常なまでに強固なので、霊感うんぬんで他人を攻撃する事があり、その場合は自分の妄想に固執して、勘違いの思い込みを訂正できず改心もできないので厄介です。
霊感を言い訳にして(本当は嫉妬が動機で)犯した自分の罪を、決して認めない認知の歪みがあります。

人格障害の枠に収まらなくなると、稀に霊的な妄想に突き動かされて連続殺人を行う👇こういうケースもあります。


どうせなので、他の、避けたほうが良い人格障害も紹介します。


【自己愛性人格障害 / NPD】

NPDをどうやって見分けるかは、意外と簡単です。
あなたが何の話をしていても、何故かその人が「俺/私は~」と自分語りを始めて、自分の話を聞いてもらっていた場のはずなのに、気が付くとその人の話になっている場合、その人はNPDです。
NPDは、誰かを褒めるのも慰めるのも大嫌いで、周りが誰かを褒めたり慰めたりしていて自分もそうしなければ周りから浮いて悪く思われそうなシーンや、褒めたり慰めたりする事が自分のメリットになるシーンでは、自分を良く見せる為に仕方なく(表面的には優しく)そうしますが、その後、必ずと言っていいほど「俺/私は~」と自分語りを始めるので分かり易いです。
NPDは自分が大好きで、周りはみんなモブだと思っています。
もちろん、そうは見えないよう本心は隠しています。

NPDは会話泥棒です。
あからさまな感じにならないよう取り繕えるNPDもいます。
控えめで丁寧でパッと見は思いやり深く見える言葉遣いでジワジワと話の軸をズラして強引に自分の話題に持って行きます。
「思いやり深い共感の言葉があるか、ないか」では、一見、分からないので、結果だけを見て判断したほうが分かり易いです。
その会話、誰が場を設けた?
自分が語り手になりたいなら自分で場を設ければ良いのですが、NPDが場を設けると雰囲気が語り易いものにならないので、NPDは他の人が設けた場に行って、次第に主人面で語り始め、場を乗っ取ってしまうのです。
そして、NPDが話したい事を話し続けます。

(NPDは会話の場だけでなく、魅力的な個性まで乗っ取ろうとするので、頻繁に真似パク被害が起こります。誰かがやっていた事を真似し、いつの間にか「最初から自分の個性だった」かのように振舞い始めます。真似された側は自分がしてきた長年の努力を無価値化されて、自己を侵害され、言語化の難しい不快感と、自分を盗まれたような虚無感・絶望感に苛まれます)

会話泥棒をしている程度なら気にしなくて良いと思うかもしれませんが、それは場を乗っ取られた人のストレスになります。
気付いている人ならまだマシなのですが、場を乗っ取られたと気付いていない人の場合、原因不明のイライラに苛まれます。
いくら思いを吐き出しても結論に至る前にNPDに会話泥棒をされてしまうのでスッキリしないのです。それどころかフラストレーションが溜まっていくばかりです。
話の腰を折られて結論を盗られてばかりだと、誰にも自分の気持ちが伝わっていない感じがしてきて、自分らしくいられない気がして、息苦しく、居心地が悪いと感じていきます。
自分の意見を言えないと、自己認識があやふやになって次第に混乱していきます。自分はどういう人間だっただろうか、と。
会話の最中には、NPDに話を乗っ取られていると気付かないし、自分がどうして苛々しているのかも分からないのですが、衝動的に、かつ漠然と「もうやめたい」と思うでしょう。
その時、当人は何をやめたいのか具体的には分かっていません。
本当は会話を乗っ取られて自己認識があやふやになって混乱されられる「会話泥棒の一段低い立場に落とされる無益な会話」をやめたいのですが、NPDは巧みに「俺/私は悪い事はしていない」「俺/私は優しい」「俺/私があなたを押しのけているなんて被害妄想だよ」というアピールするので、善良な人は本能が囁きかけるようなピリッとした違和感があっても「自分の勘違いだ」と目を逸らしてしまいます。
自ら罠に飛び込むようにして本心に気付けなくなっているけれど、フラストレーションは溜まり続けていくので、なんとなく全てが嫌になり、活動の場を変えたくなるのです。
たいていは、その時にやっているSNSをやめようとします。
NPDは誰かが去っても気にしません。
「もうSNSをやめようと思う」と言った時、引き留めもせず「それが良いと思うよ」と言うのがNPDです。(※仕事や活動、資格取得等の挑戦を「やめようと思う」と言った際に、苦労している間ずっと寄り添っていてくれた親密な人が「それが良いと思う」と言うケースとは全くの別物です)
NPDは自分以外が場の中心になる事が大嫌いなので、他人の場を乗っ取っていながら、場を設けた人気者を実は嫌っているのです。だから誰かが去ると言うなら「追い出せてラッキー」と思っています。引き留める人が現れると内心で舌打ちしながら成り行きを見守ります。
引き留めてくれた人はNPDではありません。
分かり易いでしょう。

👇NPDがよくやるガスライティング

多めに尺を取ったのは、NPDは共感性に乏しく支配的で、微妙に軸をズラす会話(質問に直截に答えない・話を逸らす・重要な情報を意図的に隠す・ガスライティングをする等)によってターゲットを混乱させて巧妙に搾取する術に長けているからです。
相手を格下扱いして自尊心を満たしたり、賞賛させて承認欲求を満たしたり、雑用を押し付けたり、個性を盗んだり……
いいように利用されると疲弊してパフォーマンスが悪くなります。


【境界性人格障害 / BPD】

メンヘラでイメージされるのがだいたいBPDです。
今の医療機関での診断名は【情緒不安定性パーソナリティ障害】ですが、あまり世の中に浸透していないので、【境界性人格障害 / BPD】(ボーダー)のほうが通りが良いです。
若くて魅力的なBPDに関わると振り回されて迷惑ですが、中年になると落ち着いて「何がスイッチが分からない、キレやすい人」になります。
人に対しても物事に対しても毀誉褒貶が激しいので、唐突に冷めて、唐突に去っていきます。
頻繁に恋人と別れたり仕事を辞めたりします。
BPD自身もコントロールできない不安と情動に駆られての行為なので、周囲から見ると原因不明で意味不明です。
BPDは「自分が悪い」と思っているので、構わず放っておけば非難や攻撃の矛先が向くことはなく、害はあまりありません。
去っていったBPDを追いかけると思わぬ事件(自殺されるとか、刺されるとか、罵詈雑言で死ぬまで追い込まれるとか、誹謗中傷をあちこちにバラまかれるとか、ストーカー冤罪で逮捕とか)になりかねますので、とにかく関わらないほうが良いかと。
自死率が高い事も特徴のひとつです。


【反社会性人格障害 / ASPD】

独特の価値観で「相手が悪い」と決めつけて、ひたすら相手を責め続け、決して自分を省みず、少しも譲らず、絶対に謝らないのが特徴です。
会話泥棒のような側面もありますが、そもそも他人の話を聞かないかもしれません。
見た事があるのか無いのか確信がありません。
これは見分け方がよく分からないです。

凄惨な殺人事件の犯人はASPDであるケースが多いです。


色々あるので、調べてみると「ああ、なるほど」と腑に落ちる事が増えるんじゃないかなと思います。
ちなみに私は、精神病理学・心理学・犯罪心理学などの専門書を70冊くらい読んでいるのですが、それでも当然、専門家には到底及ばないし、診断も出来ないので、ご自身の事で何か思い当たる事とか不安があったら、ちゃんと心療内科か精神科を受診して医師に相談したほうが良いと思います。

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