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害虫駆除の一挿話


 昨日、某氏がトコジラミ駆除について投稿されていたのだが、昔読んだ南京虫の駆除方法を思い出したので一言。さる体験記にあった。戦時中か終戦直後の大陸だったと記憶している。

 殺虫剤もない中、痒みに耐えきれず同僚と一計を講じた。
 南京虫は光を浴びると暗闇に隠れる習性がある。そこで、あらかじめ木製ベッドや家具に錐で穴を多数開けておく。
 夜、消灯してしばらくたって南京虫が這い出た頃合いを見計らい、突然明かりをつける。虫は、錐で開けた穴の中へ逃げ込む。そこで線香に火をつけて、穴に隠れた虫を一匹づつ殺してゆく、という方法であった。

 まあ、日本でトコジラミが流行ることがないよう、切に願がう。

 (おわり)