26時。


歩いているとふと「夜の部 17時〜26時」
との看板が目に入った。
遅くまでやってるな。と思ったが、当たり前に26時を2時と思ってしまったあたり不思議なことだ。
1日24時間しかないのだから26時なる表記は圧倒的間違いだというのに。

どうやら僕は言論警察が幅を利かせている今の世の中で大胆に調査を掻い潜っているこの不法者に気づいてしまったらしい。
言論自警団の一員としては密告すべきなのだろうがしかし、26時なる表記には、午前2時に出し得ない意味合いがあるのもまた事実で、
僕はその26時の持つ不健全さを好ましく感じているので悩ましいところだ。

暫く悩んだ後、密告した後の世界線を想像し、居酒屋全部が「午後17時から午前2時まで」との書き方になってしまったら浴びるほどお酒を飲みたい夜には健全すぎて困るなと思ったことが決め手となり今回は必要悪として目を瞑ることにした。

一言断っておくと、32時やら29時なんかが出てくるいささか鬱陶しいので、28時以降は須く密告する。


その足で歩いているとお次は「喫茶店」を見つけた。
これも今まで違和感なく受け入れていたが、ほとんどの人が茶をしばくわけではない「喫茶店」とは雰囲気しか表していない普通の嘘ではないかと思った。
一つ悪を故意に見逃した僕のジャッジは厳しくなっていたので「26時」とは違いわざわざ「喫茶」と冠している意味が感じられなかったコレを即座に密告した。
「喫茶店」なるお店は近々「硬めプリン店」やら「おじいおばあ店」やら「喫煙出来そうな雰囲気で期待を裏切る店」に是正されるだろう。

どうやら雰囲気で力押ししてくるタイプの間違い言葉がまだまだあふれていそうだ。
言論自警団としてのパトロールはこれからも続けていかなければいけない。

ちなみにだが、雰囲気を「ふいんき」と読むのは実刑案件ですので気をつけたし。

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