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夜半過ぎ、酒と隙間

飲み屋に行く気分では無い。でも酒は飲みたい。
冴えても無い頭で考える。夜半過ぎの冬の空気。
皆眠りについているのだろうか。わたしは脳下垂体にぶち込んだ錠剤達が早く神経細胞に働きかけてくれることを願う事しかできない。

深夜の飲み屋は回転の遅い歯車の隙間に滑り込むような物だと思っていたかった。
煙草はひとりで過ごす夜に指先を温めるためのものだった。
然しどうやら其れ等は自分の中で変わっちまった。
身内でヤンヤヤンヤと飲む。
凡夫の話をニコニコしながら聞くにはMPを使う。
どれもこれも煩わしい。
でもそれが嫌いでは無い日もある。
アノ人たちには此処が居場所で
心地がいいのだろう。と思い目の端と耳で観察するのは楽しい。

其処は私にとっての居場所になるのだろうか?
してくれようとしているのか。
或いは何の意図も無いのか。
まあ、どれでも良いです。
あとは、ここでどう「ちょけたらオモロいか」
みたいな悪戯を考えている時は楽しい。
悪戯も暴れたい衝動も常にある。
しかし私は眠たくなる。

飲み会の終盤は周りの人間達が溢す言葉がさっぱり理解出来なくなり、ただニコニコしていて何も感じなくなる。ニコニコ機会ちゃんになる。AIの方がもっとマシな態度で過ごせるんだろうか。
その時やっと、他人との接触に私は莫大の量のHPとMPを使っていたことに気がつく。
最近は合間合間に気がつくようになった。
まあ、食事をする事ですら体力を使うのだから
皮肉な話だ。


ただそこにあるチーズを摘み、飲み続けて煙草を吸いながらダラダラとひとりで過ごす時間も必要ではある。
その瞬間は嫌でも己の怠惰と向き合っては輪郭をぼやかして歌詞を書く。
自由ってなんなのかしら、なんて考え始めたらもう眠れない夜になるのは決まり。
自由ってのは孤独と時間の隙間に駐在している気がする。深夜になるとその扉がグワっと開くので
フィーバータイムになれば己の中にいる百鬼夜行を従えて歌詞を書く。


酒癖が悪い私は自制して飲む術を徐々に覚え始める。酒癖が悪い人間の会、あまり参加したことはないが興味はある。地元でやってみるか、とも思うがたぶん今の私の身の回りの人間じゃ出来ない夢物語。そもそも、大体そこに集まる奴等は全てが滅茶苦茶でぶっ飛んでる。酒癖の話ではなく。
大体音楽やってるヤツの酒の飲み方は滅茶苦茶
いや、これは開き直りではなくてですね。
あと、そういうことを考えると男に生まれたかったかもしれねぇな、とかね。
然し私も歳を重ねたので大人らしい飲み方をしてゆきたいものです。
そしていつものメンバーで集まってしょうもない飲み会でもやりたいものですね。

ああ、そんなことを書いている間にも星の位置は変わり暁がやってくる。

ちなみにこちらは頂いた超美味しいお酒です。
ありがたい。

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