月を大きく映すための
やたらと大きな暗幕
黒と言うには薄っぺらい
白と呼ぶには無理がある

星を多く輝かすための
やたらと大きな暗幕
赤を追いやり鎮座して
紫に追いやられ逃げていく

やがて訪れる模様替え
虹色の紗幕がゆらゆらと
ゆらゆらと明滅を繰り返す

誰の仕業か見当もつかぬ
空を覆い尽くすためだけの
得体の知れない暗幕であった

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