デジタル赤字の拡大

リュディアです。ビジネス+ITで野口悠紀雄のデジタルイノベーションの本質を連載する野口悠紀雄氏が努力しなくなった日本人……9年で2.6倍、日本のデジタル赤字が示す「ヤバすぎる現実」という記事を掲載しました。

野口悠紀雄氏は超整理法で有名ですね。長らく大学教員をされていましたが、今は名誉職的な感じでしょうか。野口氏が書かれている内容はデジタル化の波に乗り遅れた日本が遅ればせながらデジタル化を進めている、しかしデジタル化を進めると国の赤字が増えてしまう。日本は八方ふさがりの状態に陥りつつあるが大丈夫なのか?というものです。

確かに河野大臣とデジタル庁が中心になり、国をあげてデジタル化、IT化を進めていることは感じますね。やっとと言う感じです。野口氏は日本および日本人に対して次のように書かれています。

ITというまったく新しい技術体系が現れたときに、それに対応できなかった。本来であれば、デジタルサービスの分野で、日本は黒字を生み出さなければならないのに、世界最大の赤字国になってしまった。これからは、AIの時代が始まる。ここで逆転できなければ、もう挽回はできないだろう。

一方で訪日外国人による日本国内での消費は盛んです。野口氏が掲載されている次のグラフを見てみましょう。通信・コンピュータ・情報サービスの収支はマイナス幅が大きくなっていますが旅行による収支はコロナ禍前の収支を超えて最高になりました。

双方が補っているように見えますが、これでいいのですかね?もともと日本は資源がなく技術およびそれを扱う人だけが資源であると言われてきました。高度経済成長でメーカーが大きく躍進し先進国の仲間入りをしたわけです。しかしIT化により知的労働の仕事内容が変化したときに日本は従来の製造業から抜け出せませんでした。

円安による従来の製造業の復権や、旅行客による収支の向上は発展途上国のビジネスモデルだと思います。日本はこのまま発展途上国への道を進むしかないでしょうか。野口氏も書かれているようにAIの時代が日本にとって最後のチャンスなのかもしれません。

日本で使われるクラウドサービスの多くは Amazon, Google, Microsoft の3社のものです。ネットワークを構築するルータは米シスコのシェアが圧倒的で、その後に日本のNECやヤマハが続きます。PCは Dell, HP, Lenovo が三強ですし、PCの標準ソフトウェアの Windows や Office は Microsoft 制です。半導体も製造分野から手を入れていますが、それすら外資系企業におんぶにだっこような状態です。

日本はデジタル小作人デジタル農奴と呼ばれています。知的労働に移行することなく、今のようにものづくりというヤマト言葉に酔って、汗水を流すことが尊いという思考では何も変わらないのではないかと危惧します。

何を変えればこの国は変わるのでしょうか。難しい問題です。

では、ごきげんよう。

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