死にたがり屋のひとりごと|ショートショート
――ねえ。わたしが死んだら、この世界ってどうなるのかな?
彼女がそんな質問をしてきたのは、真夏らしい暑さの昼間のことだった。ぼくは畳の上に転がって、縁側から入ってくる、草の匂いがする風を感じていた。日光が燦燦と降り注ぐ庭を眺めながらだべってるぼくらは、なんとも言えず夏らしかった。
――世界の話? さあ、なにごともなく続いていくんじゃない?
ぼくは暑さでぼーっとなりながら答えた。だからそのとき、彼女がどんな顔をしていたかは知らない。
――おかしくない? だってこの世